ブックキュレーターhonto編集員
事実は小説より奇なりと言うけれど・・・。実在の事件をモデルにした小説
古今東西の記録文学から事件を題材にした小説を精選しました。文学はルポルタージュをはじめ、事実を記録することに特化した分野も充実しています。そしてそこにはノンフィクションではなく、記録的性格を持ちつつ、あくまで小説形式を重視するスタイルも存在します。小説家が物語として再構築した史実。その緊迫感と迫真性を感じ取ってください。
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金閣寺 新版
三島由紀夫(著)
金閣寺の名で親しまれる鹿苑寺は、1950年に焼失。本書はその金閣寺放火事件を題材に、放火犯である学僧の苦悩を描き出した長編小説で、日本近代文学の最高峰として高く評価されています。戦中戦後を生きるなか、吃音症を患い、金閣寺の美に強迫観念を抱く学僧。放火に至るまでの足跡を物語る彼の独白に、戦慄を覚えます。
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予告された殺人の記録
G・ガルシア=マルケス(著) , 野谷 文昭(訳)
著者の身近で起きた殺人事件を取材した、ルポルタージュ風の中編小説。物語では30年前の殺人事件を調査する「わたし」の視点で、殺害予告がありながらも、無数の偶然が重なり惨殺された被害者の足跡を追います。語り手は資料をもとに事件の前後を再現し、偶然の背後に見える人間の悪意や嫉妬を重層的な構成で描き出します。
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丁庄の夢 新装版
閻連科(著) , 谷川毅(訳)
1990年代半ば、中国政府の売血政策はエイズの蔓延を招きました。毒入りトマトで殺された少年が語り手を務める本書では、河南省東部の村「丁庄」で売血運動に乗じて儲ける父と、先生と慕われる祖父を中心にエイズ村と化す故郷の狂騒ぶりが描き出されます。現実の事件と、死者の語りをかけ合わせた不思議な物語です。
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