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SDGsに掲げられた目標の一つ「安全な水とトイレを世界中に」を考える本
SDGsに掲げられた17の目標の中には、「安全な水とトイレを世界中に」があります。日本では考えにくいですが、海外では家にトイレのない人や、汚染された水で命を落とす人も大勢います。そうした安全な環境の整備と、水質や生態系、水災害対策は私たちが解決すべき課題です。ここでは、その課題について考えるための本をそろえました。
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2019年に銃撃され亡くなったNGO「ペシャワール会」の中村哲氏が、用水路建設に尽力した模様を記録した一冊です。温暖化の影響で砂漠化の進んだ土地が、日本の斜め堰を利用した用水路により緑が復活する様子に感動します。一方、世間の無関心や利己心にまみれた役人など、人間が一番の敵であることにやりきれなさを感じます。
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人口13億人のインドでは、携帯電話の契約件数が11億件を超える一方、5億人がトイレのない生活をしています。インド特派員の著者はトイレを切り口に、都市と農村の格差、貧富の差、男女差別、カースト差別などの問題点をあぶり出します。国を挙げてトイレを設置しても利用者が増えない理由には、闇の深さがうかがえます。
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「うんこ」と人間の関係が、歴史、生理学、民俗学、性、美術などあらゆる分野にわたって紹介されています。古代からのトイレの変遷では、昔の不潔さに身震いし、現代日本に生まれたことに感謝すること必定です。直接的な描写や絵もありますが、ウィットに富んだ軽いタッチの文章で進むので、楽しく読むことができるでしょう。
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「水と安全はタダ」と言われる日本。一方海外では、水道水が飲める国は希少です。私たちは当たり前のように水を利用していますが、本書を読むと安全な「飲料水」を作るのにも、汚水を処理するのにも、高度な技術と手間とコストがかけられていることがわかります。身近すぎて気づかなかった、水道のありがたさを実感する一冊です。
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