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人類はウイルスとどう戦ってきたのか。日本の文豪たちが残した感染症文学
新型コロナウイルスは世界のありようを一変させました。感染症への見識が見直されるなか、スペイン風邪を描いた菊池寛『マスク』をはじめ、感染症を題材にした小説が多くの人に再読されています。ここでは、スペイン風邪、結核、コレラなど、文豪たちが感染症をテーマに描いた小説を集めました。人々とウイルスの歴史が学べるはずです。
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文豪と感染症 100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか
永江 朗(編) , 岩田 健太郎(監修)
1918年3月にアメリカで最初の感染者が現れ、またたく間に世界に広がったスペイン風邪。11人の作家の小説から、100年前に大流行した感染症が引き起こした影響を探ります。最愛の人を亡くして後追い自殺した女優や幼子を抱えて感染の恐怖におびえる作家、そこにはコロナ禍の私たちとも重なる日々が描かれています。
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感染症文学論序説 文豪たちはいかに書いたか
石井正己(著)
感染症を題材とした小説から、文豪たちが感染症をどう捉えたのかを読み解く一冊です。15人の作家による明治半ばから昭和の戦前までの小説を取り上げ、感染症が流行した当時の状況に迫っています。感染症がなければ生まれ得なかった文学があり、文学は統計や記録よりもはるかにリアルに感染症の実態を伝えているのがわかります。
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恰幅がよく丈夫そうに見える主人公は、実際のところ心臓が弱く、医者からも「感染症にかかったら助からない」と告げられます。感染症が流行してマスクが必需品となりますが、感染拡大が収まり、ようやくマスクを外して出かけた主人公はある日・・・。100年前の日本人の感染症との戦い方を知ることができる小説です。
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結核がつくる物語 感染と読者の近代
北川扶生子(著)
「治療法のない死病」として長い間恐れられてきた結核は、当時の社会に多大なる影響を与えました。闘病純愛小説『愛と死をみつめて』からは文学と結核の関係性を、患者向けの雑誌『療養生活』からは患者とメディアの関係性を浮き彫りにしています。マクロとミクロ、それぞれの視点から結核をめぐる状況を捉える一冊です。
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