ブックキュレーターhonto編集員
貧困や格差は誰のせい?自己責任の風潮に「待った」をかける本
コロナ禍は、構造的に日本社会が抱える貧困問題を浮き彫りにしたと言われています。メリトクラシー(能力主義)がはびこり、「貧困は本人の努力不足」と、社会的な構造欠陥を自己責任に転嫁する風潮もよく見られます。しかし、貧困は本当に自己責任なのでしょうか?日本の貧困および格差問題の真相を究明する本を集めました。
- 33
- お気に入り
- 2525
- 閲覧数
-
日銀副総裁を務めたことがある著者による、日本の格差と貧困を論じた一冊です。非正規雇用の増大、年金制度、高齢者の社会保障などを切り口に、「日本的格差」の実態に迫ります。個々人に貧困の責任を押しつけず、デフレなど日本特有の格差拡大要因に対してどう対処すべきかを意欲的に語っています。
-
著者の言う「すべり台社会」とは、一度でもうっかり足を滑らせたら、どこにも引っかかることなく最後まで滑り落ちてしまう社会のこと。まさに日本がその状態だと指摘し、問題提起しています。出版から10年以上経っていますが、コロナ禍における貧困問題の悪化を予測していたかのような的確な指摘が際立ちます。
-
多くの人に困難をもたらしたコロナ禍。なかでも苦境に陥った女性たちの声を集めたのが本書です。シングルマザー、DVを受ける少女、エッセンシャルワーカーの女性などの言葉を丹念にすくい上げています。テレワークやジョブ型雇用など新しい働き方の落とし穴にも言及。コロナ以前より存在するこの国の課題を浮き彫りにしています。
-
知識社会化、リベラル化、グローバル化は人々を総体として豊かにした半面、分断を拡大させたと論じる著者。「上級」「下級」という挑発的な言葉を用いながら、世界を分断するものの正体を明らかにしていきます。身も蓋もない、辛口な論評がクセになるかもしれません。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です