ブックキュレーターhonto編集員
眠りにつく前に開きたい。疲れた大人の心をときほぐす絵本
最後に絵本を読んだ日のことを覚えていますか?親や先生に読み聞かせしてもらった方も、自分で好んで読んでいた方も、大人になるにつれて絵本の世界から遠ざかりがち。でも、大人の心にこそ響く絵本が、実はたくさんあるのです。ここでは、人間関係での摩擦や忙しさに疲れた大人に手に取ってほしい絵本を集めました。就寝前のひと時にどうぞ。
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ルピナスさん 小さなおばあさんのお話
バーバラ・クーニー(さく) , かけがわ やすこ(やく)
『世の中をもっと美しくするために、なにかしてもらいたいのだよ』祖父が語る遠い国の話に憧れた少女は、大人になり世界を旅しながらいろんな人と出会います。年を重ねた彼女は海のそばに住み、祖父の言葉通り世の中を美しくするために何ができるかを考えます。1人の女性の人生の物語は、読む人の背中をそっと押してくれます。
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旅の絵本 1
安野 光雅(著)
中部ヨーロッパを舞台に、馬に乗った旅人が農村や街を巡っていきます。旅人の尋ねた先々に暮らす人々の生活や行事、そしてその地域の自然や街並みなどが描かれています。とても細かく繊細な筆致で中部ヨーロッパの様子を表現し、まるで現地の音や匂いが伝わってくるかのよう。遊び心いっぱいの人気シリーズです。
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おじいちゃん
ジョン・バーニンガム(さく) , たにかわ しゅんたろう(やく)
『よくきたね、げんきかい?』愛用の椅子に座り、手を広げて孫娘を迎えるおじいちゃん。おじいちゃんと孫娘のユーモラスな会話と、淡いタッチの絵に心が安らぎます。老いを見つめ、そして、かけがえのない生を思い起こさせてくれる。そんな静かな愛に満ちた名著です。
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つみきのいえ
加藤 久仁生(絵) , 平田 研也(文)
水没しかけた街の海の上で、積み木のような家に1人で暮らすおじいさん。ある日、落としものを探しに水に潜ったとき、家族で過ごした日々が蘇ります。つらいこともあったのに、思い出すのは幸せな場面ばかり。おじいさんの温かな思い出に、自分自身の記憶が重なり胸が熱くなります。幸せとは何かをやさしく問う物語です。
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アライバル
ショーン・タン(著)
言葉が通じない異国の地へ渡った移民家族を描いた、文字のない絵本です。ノスタルジックなセピア色の絵だけで繊細な心の動きを表現。決して甘くない世界でも生き抜こうとする人間の力強さは、サイレントだからこそ鮮烈に胸に迫ります。読み終えたとき、まるで一本の映画を観たように、静かな感動が押し寄せることでしょう。
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