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亀の甲より年の功!シルバー探偵が活躍するミステリー小説
颯爽たる青年やダンディなミドルエイジの名探偵も素敵ですが、老年期の男性が探偵役で登場する物語にはいぶし銀の味わいがあります。彼らは老いの不自由さや世の無常への諦念、背負ってきた過去と哀愁を抱えています。そんな高い経験値と深い人生観で人々を導く先達の含蓄に痺れてみませんか?枯淡の魅力をたたえる探偵が登場するミステリーを集めました。
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下半身不随の老人が安楽椅子探偵ならぬ車椅子探偵に!バディ役の介護士を翻弄しながら、会社や地域で起きた事件を解決する連作短編集です。シリーズのスピンオフですが、本編を知らずとも楽しめます。かくしゃくたる主人公は口が悪く血の気も多い一方、筋の通った生き方を貫き、鋭さや肝の太さが頼もしく映ります。
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孤独の絆 探偵・竹花
藤田 宜永(著)
還暦を迎えた天涯孤独の私立探偵・竹花が活躍するシリーズの1作です。派手な立ち回りこそ少ないものの、クールで腕の確かな男が地道に仕事をこなす渋さが魅力。閉塞した現代社会で、老境の哀愁を抱えつつ孤独を肯定する竹花が、迷いながら慎ましく生きる人々に、ささやかな救いをもたらす過程がしっとりと描かれます。
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ファミレスでバイトするフリーター女性が、常連客とともに日常の謎解きにあたる連作短編集です。探偵役の老人はコーヒー1杯で何時間でも粘る不思議な人物ですが、ヒロインの周辺で起きる事件を常に明快に解決してくれます。終盤で明かされる老人の素性とは!?私たちの日常でも起こりそうな、新感覚ミステリーです。
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矢上教授の夏休み
森谷 明子(著)
東京の大学で教鞭をとる非常勤講師の老紳士・矢上は、上品な風貌から学生たちに教授と呼ばれ親しまれています。彼と教え子のゼミ生がフィールドワーク先の地方都市で戦国時代の伝承の真実を解き明かし、現実の事件をも解決する民俗学ミステリーです。飄々とした教授と行動力抜群の女子大生のコンビが微笑ましく映ります。
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隅の老人 完全版
バロネス・オルツィ(著) , 平山 雄一(訳)
本格ミステリーの古典で、「無名の名探偵」の筆頭格といえる名作です。女性記者行きつけの喫茶店には、隅の席に陣取り、紐で結び目を作っては、迷宮入りした事件の真相を語る奇妙な老人がいます。尊大で偏屈で露悪的、しかし鋭い観察眼と論理的思考で鮮やかに謎を解明する姿に、主人公と同じように魅了されてしまうことでしょう。
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