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「小説の神様」と呼ばれた作家・志賀直哉が残した名作小説
夏目漱石や森鴎外など近代日本文学の名作を残した作家はたくさんいますが、志賀直哉もまたその1人。あるときは父子の不和を、あるときは小さな生き物や子どもを鋭い眼差しで描き、その表現は「活字が立っている」と評され、無駄のない緊張したリズムは名文の見本とされました。「小説の神様」とも呼ばれた作家・志賀直哉の名作を紹介します。
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清兵衛と瓢簞・網走まで 改版
志賀 直哉(著)
初期の18編をまとめた短編集です。「清兵衛と瓢簞」は瓢簞好きの少年とそれをよく思わない父や教師との対立を描いた小説ですが、父子の不和はその後の志賀文学でも重要なテーマとなります。「網走まで」は処女作で、汽車で出会った母子を克明に描写しています。作家として歩み始めたころの短編を読みたい方にオススメに一冊です。
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代表作を収録した短編集。「城の崎にて」は交通事故後の療養のため訪れた温泉地で、小さな生き物の生死を鋭い感性でとらえた物語です。「小僧の神様」は志賀直哉が「小説の神様」と称される由来となった小説で、小僧・仙吉にまつわるお話です。簡潔な表現と心地よいリズムが織りなす名文の美しさを存分に楽しんでください。
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和解
志賀 直哉(著)
志賀直哉の小説には父子の対立をテーマにしたものがいくつかあり、それらには16年間も父と対立した自身の経験が投影されています。この物語は長年の父子のわだかまりが解け、和解するまでを描いています。父子はなぜ対立し、その後どのように和解に至ったのか。実体験をここまで淡々と描写できる才能に、驚かされるはずです。
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生き物を見つめた物語や、わが子との他愛ない日常を描いた24編をまとめた短編合本集。「日曜日」は家族で過ごす休日を描いた物語で、ささやかな日常の風景がありのまま描かれています。「蜻蛉」は庭の植物やトンボを鋭い観察眼で描いた短編。ワクワクするような展開はないけれど味わい深い、そんな志賀文学を堪能できる一冊です。
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