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CODA(コーダ)とは?耳の聞こえない親を持つ子どもについて知る本
CODA(コーダ/Children of Deaf Adults)とは、耳が聞こえない、もしくは聞こえづらい親のもとで育った耳の聞こえる子どもを意味する言葉です。両親ともに聴力障害がある場合でも片方の親の場合でもコーダと呼ばれ、ろう者のもとで育った子どもたちは、音声言語と手話言語のろう文化と聴文化の二つ文化に触れることになります。日本、アメリカ、韓国のコーダの体験談、そしてコーダが主人公の小説を紹介します。
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聞こえない親をもつ聞こえる子どもたち ろう文化と聴文化の間に生きる人々
ポール・プレストン(著) , 渋谷 智子(訳) , 井上 朝日(訳)
アメリカでのコーダを対象としたフィールドワークをまとめた一冊です。自身もコーダである著者が、研究者として興味を持ったのは同じ立場にある人々でした。コーダの実態を知るため、丁寧にその経験と思いを聞き取っています。ろう文化と聴文化の二つの文化体験が鋭く描き出され、コーダの世界を垣間見ることができます。
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コーダの世界 手話の文化と声の文化
澁谷 智子(著)
日本におけるコーダの声をまとめた一冊です。38人のコーダと13人の聞こえない母親に対して行った調査を踏まえ、体験や心の葛藤を明らかにしています。視覚言語である手話と音声の日本語とでは、コミュニケーションのあり方そのものが異なると理解できるでしょう。コーダとして生きる人々の日常に触れてみてください。
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主人公の荒井尚人は、コーダで、幼いころから親のために手話で通訳をしていました。「なぜ自分がこんなことを」とろう者の親を疎ましく思い、手話も好きではなかった荒井。しかし、生活のために手話通訳士の仕事を始めることになって・・・。コーダとして生きる葛藤やさまざまな手話表現が丁寧に描き出されます。
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きらめく拍手の音 手で話す人々とともに生きる
イギル ボラ(著) , 矢澤 浩子(訳)
2014年に、自身の経験を本と同名の長編映画として発表した著者。彼女は21歳の時にコーダという概念に出会いました。自分以外のコーダと出会い、それまで自分1人の経験や感情だと思っていたことが、ほかのコーダの体験談とあまりに似通っていることに衝撃を受けます。コーダとはなんなのか?じっくり考えるための一冊です。
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ヤングケアラーわたしの語り 子どもや若者が経験した家族のケア・介護
澁谷 智子(編)
ヤングケアラーとして家族の世話をしてきた当事者たちが、その経験を自らの言葉で語った体験談集。病気、障害、きょうだいの世話、介護など、さまざまなケアの体験が共有されています。第5章では、現在は手話通訳者として活動するコーダの当事者が、幼少期からの経験を詳細に語り、その生活や思いを明らかにしています。
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