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家族のケアを担う子どもたち。ヤングケアラーのことを知るための本
ヤングケアラーとは、障害や病気のある親や祖父母、きょうだいの介護・世話を担う子どものことを指します。彼らは大人や専門職が担うようなケアをせざるを得ず、学校生活や心身の健康に悪影響が生じ、子どもとして過ごす貴重な時間や教育の機会を失っています。当事者の声からケアの実情を知り、その支援について考えるための本を集めました。
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社会福祉学を専門とする著者が「ヤングケアラー」という言葉を初めて知ったのは2010年、イギリスでの国際会議がきっかけでした。著者は日本でのヤングケアラーの実態を明らかにするため、調査に乗り出します。見えてきたのは、当事者たちが置かれた過酷な状況と支援の必要性でした。ヤングケアラーを社会問題として捉えた一冊です。
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著者の2人は障害のあるきょうだいのケアを経験し、現在は医療の現場で働く専門家。当事者かつ専門家として自身の経験を振り返ります。当事者の声から、障害を背景としたケアは長期化しやすく、ライフステージごとに状況が変化することもわかりました。国などが実施した調査結果も踏まえ、具体的な支援策が提案されています。
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毎日新聞紙上でヤングケアラーを取り上げた記事が連載されました。連載当時、全国的な統計もなく、ヤングケアラーの実態はよくわかっていませんでした。当事者への取材から実態が少しずつ明らかになり、政府による全国調査へとつながっていきます。本書はその取材過程をたどりながら、ヤングケアラー問題について考えたノンフィクションです。
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ヤングケアラーの存在がまったく認知されていなかった時代に、統合失調症の母のケアを担った著者。自身の経験を問題の打開につなげたいと筆を執ります。小学6年生の1975年ころから始まったケアは、46年もの長期にわたりました。一つひとつのエピソードから、当事者が置かれた大変な状況がリアルに迫ってきます。
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当事者の言葉を通して、「ヤングケアラー支援」を考えるための一冊。ケアの実態はさまざまで、家事や身体的な介助をはじめ、感情面のサポートを担う場合もあります。選択の余地なくケアに巻き込まれていったケースや、しんどさを自覚できずSOSを出せない状況なども詳しく解説され、社会ができる具体的なサポートが見えてきます。
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