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ドイツで生まれた「教養小説」の世界。ビルドゥングスロマンの名作小説
教養小説(ビルドゥングスロマン)とは、19世紀後期にドイツの哲学者ヴィルヘルム・ディルタイが定義付けた小説形式です。主人公の自己形成、内面的な成長過程を柱に据えた小説群を指し、かのゲーテがその基礎を築きました。後に教養小説は世界中に広まり、現代に生きるジャンルの一つになりました。ここでは、ドイツ内外の代表的な作品を紹介します。
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青い花
ノヴァーリス(作) , 青山 隆夫(訳)
30歳を前に他界したドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスの代表作。夢の中で心惹かれた青い花を求め、各地を遍歴する詩人ハインリヒの成長過程を描いていて、教養小説としての特徴を色濃く持っています。遍歴時代から新たな展開を予感させる第二部の冒頭部分で絶筆となり、巻末には複数の遺稿を収録しています。
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トニオ・クレエゲル 改版
トオマス・マン(作) , 実吉 捷郎(訳)
ドイツの小説家マンによる中編小説。芸術家と俗人の異なる世界観を浮き彫りにしたうえで、芸術家でありながら俗人に惹かれていく者の葛藤を描き出し、国内外から多くの共感を集めました。芸術家気質が祟って恋愛に失敗した青春期から、平凡な日常に憧れる壮年期までの道程には、人生における苦悩が凝縮されています。
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「明日は檜になろう」と願うも永遠に檜にはなれないという「あすなろ」の説話を下地に、著者自身を模した人物の半生を物語る教養小説です。祖母と暮らしていた少年期から新聞記者として終戦を迎える壮年期まで、主人公の成長に大きな影響を与えることになる女性たちや風変わりな知人たちを交え、格調高い文体で綴っています。
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