ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
読めば『鎌倉殿の13人』がもっと面白くなる!マンガから古典まで、読んでおきたい鎌倉時代をめぐる本。
三谷幸喜脚本の完成度の高さもあり、『鎌倉殿の13人』の人気が止まらない。「これが原作のつもりで書いている」と、三谷が語っている歴史書『吾妻鏡』から、ドラマの時代考証を担当している研究者の渾身の一冊、「承久の乱」、有職故実まで――これで大河ドラマがずっと、もっと、面白くなる!
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徳川家康も愛読したという『吾妻鏡』は、1180年の頼朝挙兵から1266年・宗尊親王の京都送還までの事績を、簡潔な文体で日記風に記した歴史書だ。本書は長大な記録から重大事件や出来事を中心に抜粋、現代語訳、ふりがなつきの書き下し文、語注や解説、そして原文まで収録している。入門書でありながら本格的に楽しみたい人にお薦めだ。
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マンガ日本の古典 14 吾妻鏡 上巻
竹宮 惠子(著)
原典をいきなり読むのはハードルが高い――という人、マンガはいかがでしょう。竹宮恵子が中世武家社会を、3巻にわたって躍動感あふれる物語にしている。頼朝、義経など著者が描く武士たちの姿は?――など、ドラマとの比較も楽しい。(全3巻)
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著者は『鎌倉殿の13人』の時代考証を務める研究者。後鳥羽院に重点を置いた『承久の乱』、源氏将軍の視点に立った『源氏将軍断絶』に続く、三部作の完結編だ。本書では、いよいよ北条氏の立場から、さまざまな資料を参照し、通説を検証しながら激動の時代を読み解いていく。
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1221年に起こった「承久の乱」こそが日本史最大の転換点の一つだ、と著者は言う。後鳥羽上皇が北条義時の追討を命じたものの、わずか1ヵ月で鎌倉幕府が圧勝した――この乱以後、それまで朝廷を中心としてきた日本政治は、明治維新に至るまで武士が司ることになったからだ。にもかかわらず、あまり語られてこなかった承久の乱について、時系列で流れを追いながら、鎌倉幕府の本質を指摘する。スリリングな本だ。
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有職故実の世界
八條忠基(監修)
「有職故実」とは「古い事実の知識があること」を意味する。頼朝をはじめ鎌倉の武将たちもまた、装束や風習、教養や行事など、有職故実の美意識やルールを無視することはできなかった。大判の本書はカラー図版も見やすく、よくまとまった一冊だ。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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