ブックキュレーターhonto編集員
音のない世界に生きる。聴覚に障がいを持つ人の思いが綴られた本
「耳が聞こえない」とひと言で言っても、生まれながらに聞こえない人もいれば、中途失聴の人、聞こえにくい人など、その状況はさまざま。そのため同じ聴覚障がいでも、手話を使うろう者と、手話でなく音声日本語を主なコミュニケーション手段とする難聴者では感じる世界も異なります。ここでは、それぞれの思いを知ることができる本を紹介します。
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朝日新聞での連載をもとにしたルポタージュで、ろう者が経験した苦労や絶望が赤裸々に語られています。手話が第一言語のろう者には、日本語が苦手な人も少なくありませんが、社会の無理解と無関心が多くの当事者を苦しめている実態がわかります。巻末にはミニ手話講座も収録され、16の手話表現も学べます。
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音から隔てられて 難聴者の声
入谷 仙介(編) , 林 瓢介(編)
1975年の発行から長く読み継がれている中途失聴、難聴者の手記です。外見からは障がいが見えにくいため周囲から理解されにくく、取り残されてきた難聴者たち。タイトルには、難聴者が社会から遠ざけられている現実が込められています。中途失聴、難聴者が内に秘めた生活の苦しみを手に取るように知ることができる一冊です。
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10代で失聴した著者は「聞こえる世界」「聞こえにくい世界」「聞こえない世界」の三つを実際に体験しました。これを強みとして、聞こえない/聞こえにくい人の側に立ったユニバーサルデザインを提案します。音のない世界から見ると、社会は不都合で不便なことだらけ。誰もが暮らしやすい社会を目指すための提言が記されています。
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筆談ホステス
斉藤 里恵(著)
1歳10ヵ月で聴力を失い、耳が聞こえないホステスとして青森から上京した著者は、音声言語も手話も習得せず、筆談を駆使した接客で銀座No.1を目指します。その後は議員となり、障がいを持つ当事者として活動する著者が、20代の筆談ホステス時代に執筆して話題となった自伝です。筆談の魅力と彼女の強さに驚かされます。
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