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愛すること、愛されることの、ままならなさを書く。はじめての窪美澄
2022年、『夜に星を放つ』で第167回直木賞を受賞した窪美澄。恋愛、性愛、夫婦・家族愛、そして自己愛と、さまざまな愛情の破綻や軋轢を鋭く書きながら、その傷からの癒しと再生に向かう作風が支持を集めています。ここでは、彼女の代表的な小説を紹介します。愛し愛されることはときに痛みを伴うけれど、希望はある。そんな物語の扉を開いてみませんか?
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R-18文学賞大賞、山本周五郎賞を受賞して映画化もされた、初の著書にして代表作の一つ。コスプレを通した高校生と人妻の不倫というセンセーショナルなテーマながら、不妊治療を巡る嫁姑問題から、認知症の老人とヤング・ケアラーの生活まで、鮮やかな心理描写がすでに確立されていた渾身の一冊です。
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うつ病のデザイナー、そのデザイン会社の倒産手続きを進める女社長、引きこもりの女子高生。3人は死を決意した同志として、人生最後の旅をともにすることに。南方の入江に迷い込んだクジラをひと目見るべく進む道中、そして終着地で、彼女たちは何を語るのか?困難な人生の中で己と他者を慰め愛すること、その意義を問う山田風太郎賞受賞の長編小説です。
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とある幼稚園に通う子どもたちや家族の、千差万別の家庭事情を描いた連作集です。SNSやブログでの発信による承認欲求の功罪、発達障害児の子育て、出産後の妻への愛情の減退。現実社会でもたびたび議論となる複雑な問題、その当事者である登場人物たちの葛藤などの心理描写が鮮烈に描かれ、いつの間にか身近なこととして考え始めているはずです。
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謎めいた過去と一過性の失声症を抱えた家具職人の男性、困窮する実家を支え疲弊する印刷会社営業の女性。恋を避けて生きてきた者同士が出会い、2人の人生の物語が動き出してゆきます。互いの人生を分け合い、ともに背負って生きたいと願う。恋愛や結婚が幸福の絶対条件ではない時代だからこそ読みたい、珠玉の恋愛小説です。
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