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型破りで異端者?出自や経験をもとに描いた無頼派作家の半自伝的小説
無頼派とは、第二次世界大戦後、これまでの文学論を否定し新たな技法を取り入れようと活動した前衛作家の総称です。それがやがて「型破り」や「異端者」といった意味でも使われる言葉となりました。そんな広い意味での「無頼派」作家の半自伝的小説を紹介します。彼らの不器用だけどタフな生きざまから、現代の私たちが学ぶ部分もあるはずです。
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晩年 改版
太宰 治(著)
太宰治が遺書のつもりで書き綴った処女作品集。自身の自殺未遂事件を題材にした「道化の華」は、センセーショナルな内容もさることながら、特筆すべきはその前衛的な手法。主人公の三人称で綴られる物語に、作者である「僕」の語りが挟まれる斬新な内容となっています。虚構に現実を含ませる無頼派・太宰の原点といえるでしょう。
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勝手に生きろ!
C.ブコウスキー(著) , 都甲 幸治(訳)
「パンク」の異名で知られる米国作家が、若き日の放浪を綴った一冊。著者の分身である主人公は、定職にも就かず酒に博打にと自堕落なその日暮らしを送るも、創作に対する熱意だけは常に忘れません。どこか投げやりな文章に時折挟まれた光る一文は、そんな著者の信念を顕著にあらわしたものといえるでしょう。
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本書では、アルコール依存症を抱える主人公の入院から退院までが描かれています。著者・中島らもの実体験がもとになっているため、医師とのやり取りや治療の過程には説得力があります。生と死という重いテーマでありながらも、個性豊かな患者たちとの交流はどこかユーモラスで、読み終わったあとには前向きな気分になれる一冊です。
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