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美女、悪女、烈女・・・国や為政者を動かした、運命の女性の素顔に迫る本
歴史上、為政者の男性に多大な影響を与えたり、国家の弱体化や大きな争乱のもとになったなど、悪評を被る女性たちがいます。センセーショナルな観点で語られがちですが、実際にはどのような人物だったのか?また、社会情勢のなかでどのような役割を果たしたのか?史実の検証を重視した伝記や評論など、彼女たちの素顔に迫る本を集めました。
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世界三大美女と称される楊貴妃の生涯を、当時の歴史的、社会的、文化的背景から読み解いた学術書です。紀元8世紀の盛唐、第6代皇帝・玄宗を晩年に堕落させたのが楊玉環(楊貴妃)と言われていますが、彼女は親族の専横や官僚の政争に巻き込まれた被害者でもありました。簡潔明瞭で品格ある文体が美しい名著です。
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激動する19世紀後半の清朝。混迷する政局のなか咸豊帝の妃・西太后は、半世紀近くも権勢を誇りました。国を弱体化させた悪女、稀代の女傑など、毀誉褒貶(きよほうへん)の著しい彼女の実像を多面的に捉え、中立的な視点から綴った評伝が本書です。中国史の歴史的背景をわかりやすく解説していて、現代中国の本質も考察しています。
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悲劇の王妃として名高いマリー・アントワネット。高慢な浪費家と非難された一方で、後世には高い人気を得ています。本書は、彼女の生い立ちから華麗な宮廷生活、革命による運命の変転という波瀾の生涯を綴った評伝です。人物の心情や政治情勢を偏向なくわかりやすく記述しているので、フランス革命の入門書にも適しています。
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淀殿 われ太閤の妻となりて
福田 千鶴(著)
戦国の世で天下を統一した豊臣秀吉の側室・淀殿こと、浅井茶々の人物像に迫った評伝です。大坂の陣で豊臣家を没落させたヒステリックな毒婦というイメージを刷新し、正室の北政所(寧)との連携など、天下人の妻として果たした役割に新たな見解を示しています。茶々の心情に寄り添いつつも客観的な分析を貫いた好著です。
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待賢門院璋子の生涯 椒庭秘抄
角田 文衛(著)
平安時代末期、鳥羽天皇の中宮・璋子は、帝の祖父の白河法皇にも寵愛され、保元の乱の遠因ともなりました。本書は一級史料を検証し、璋子の生理周期や滞在場所から、系図上は鳥羽帝の子の崇徳天皇が実際は白河法皇の子だと解明します。時代に波乱を招いた謎多き女性と、当時の政治情勢や社会風俗を知れることができる良質な研究書です。
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