その正体は・・・!?覆面作家＆ゴーストライターが主人公のミステリー

大富豪の令嬢で覆面作家としても活動するミステリー作家・千秋と、担当編集者・良介のコンビが日常の謎を解き明かしていく「覆面作家シリーズ」の第1弾。家から外に出ると性格が豹変する千秋と登場人物たちによる軽妙な会話が楽しめます。デビュー時は覆面作家だった著者・北村薫の実体験が活かされているのかもしれません。

担当編集者を殺してしまった作家・大菅賢は逃亡先で1人の女性と出会い、ひょんなことから彼女のゴーストライターとして小説を書くことに・・・。元芸人という異色の経歴を持つ著者・藤崎翔による、奇想天外な設定＆スピーディな展開が見事な一冊。コミカルでシリアスでサスペンスも入り混じった、珠玉のエンタメミステリーです。

余命わずかなIT企業の社長の自叙伝を書くことになったゴーストライターの上阪。しかし聞かされるのは、これまで知りえたものとは違う過去の逸話の数々。いったい何が目的で、社長が語る物語の裏にはどんな真実が隠されているのか？引き込まれる要素が満載で、読み進める手が止まらなくなる良質なミステリーです。

ある母親より「失踪した息子の自伝」の執筆を請け負ったゴーストライターの島崎。その日を境に、彼の周囲では次々に不穏な出来事が起こり始め・・・。さまざまな趣向を凝らした、これぞ「折原ワールド」と言えるような傑作。2018年には本屋大賞の発掘部門「超発掘本！」を受賞したことでも話題になった一冊です。

人気作家・遥川悠真と、彼と偶然出会ってゴーストライターになった少女・幕居梓、この2人の物語です。ミステリー作家のイメージが強い著者ですが、本作ではそうした要素が薄く、共依存となる2人の関係をじっくりと描いています。秀逸なタイトルと冒頭の文章から余韻のあるラストまで、鮮烈な印象を残す良作です。