人とハチミツの甘くて長い関係！ハチミツやミツバチについて学べる本

世界最古の食料の一つと言われているハチミツと人間の関わりを、文化人類学的な観点から考察した概説書です。生産の歴史は古代まで遡りますが、甘味としてだけでなく、生薬や信仰上の供物、果ては毒や武器として使われた過去もありました。ハチミツを科学、経済、文化面から捉え、総合的に理解するうえで最適な入門書です。

ニホンミツバチの飼育法を解説した実用書です。ミツバチの生態や入手方法、器具一式に巣箱の種類、刺された際や近隣トラブルでの対処法、ハチミツの薬効と採蜜方法などが、初心者にもわかりやすく説明されています。蜜蝋を加工した品々やハチミツを用いたレシピも載っていて、カラー写真も豊富で、読み物としても楽しめます。

日本人養蜂家によるエッセイ集です。ニホンミツバチの生態を通じて「自然との共存」を模索する、著者の活動や心情が丁寧に綴られています。日本の風土に合った農作物を育て、郷土の芸能に親しみ、小さな生き物に愛情を注ぐ。その地道で温かな暮らしぶりに、心を癒されます。養老孟司との対談は必読の内容です。

アラサー女子の人生再起と、家族の再生を描いたハートウォーミングな小説。移住した先で一念発起し、訳ありな養蜂家に弟子入りしたヒロインは、そこで新たな居場所を築き、少女時代の自分を救ったハチミツづくりに奮闘します。過去と向き合いながら変わっていこうとする主人公のたくましさと前向きな姿勢が、読者の胸を打ちます。

日本の養蜂家を題材にした家族小説です。養蜂業を営む夫婦のもとへ、音信不通だった息子が突然、新妻を連れて帰郷。そうして2世代の戸惑いと心の交流が、自然に翻弄される養蜂の苦労や喜びと重なりつつ、丁寧に描かれていきます。花の蜜を求めて蜂の巣箱とともに列島を縦断する一家の四季を綴った、味わい深い好著です。