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恋愛小説を語る上で外せない!夫人の切なる想いを描いた小説
夫人という言葉には上流階級の奥さまを指す意味もあり、17~18世紀以降の西洋文学では「夫人」を題材にした小説が数多く書かれてきました。それは社会階級の上位にいる夫人、あるいは憧れる夫人が秘める華々しさと引き換えに、束縛された恋愛感情を赤裸々に表現していました。時代を超えて愛読されている「夫人文学」を紹介します。
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19世紀フランス文学の代表格に数えられるフローベールの長編小説です。恋愛小説を読み耽り、夢見がちな少女のまま田舎医師と結婚したエンマは、少女時代に空想した華やかな世界とは違う平凡な現実に飽きて不倫にのめり込みます。そして、浪費を重ねるうちに膨大な借金を抱えてしまいます。綿密な心理描写が光る恋愛譚です。
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チャタレイ夫人の恋人 完訳
ロレンス(著) , 伊藤 整(訳) , 伊藤 礼(補訳)
英国貴族の夫人と森番の性愛関係を、階級社会に対する批判的思想とともに描いたロレンスの代表作です。過激な内容から国内外で議論の的となり、邦訳刊行後も発禁処分を受け、削除板が発行される事態になりました。本書は長年待たれた完訳版であり、身分制度に束縛される男女の愛の解放を謳い上げた本来の物語を楽しめます。
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ドルジェル伯の舞踏会 改版
ラディゲ(著) , 生島 遼一(訳)
20歳で死去したラディゲの長編小説。フランスでは人間心理の観察を旨とする心理小説が発展し、中でも恋愛感情は重視されました。本書は貞淑な伯爵夫人が偶然知り合った青年に恋心を抱き、それをきっかけとする夫人と青年の苦悩に焦点を当てた恋愛心理小説です。緻密な構成と内面描写は、後世に大きな影響を与えました。
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