繊細でみずみずしい青春時代の感情がよみがえる！辻村深月のオススメ小説

学校に居場所のない少年少女7人が、不思議な城に集められたことから始まる青春ミステリーです。不思議な出会いは、いつしかかけがえのないものになりますが、別れの時は近づいてきて・・・。中学時代の脆く不安定な心、学校が世界のすべてだと思っていたあのころの心の痛みを思い出し、かつて自分を抱きしめたくなるはずです。

「死んだ人にもう一度だけ会えるなら・・・」そんな願いを叶える「ツナグ」という存在を通した4つの再会物語。ケンカをしたまま他界してしまった親友との再会を描いた「親友の心得」では、親友への子どもじみた嫉妬心から取り返しのつかないことをしてしまった後悔が痛々しいほどリアルに描かれていて、心が締めつけられることでしょう。

時が止まった真冬の校舎に閉じ込められた8人の生徒が、脱出方法を模索しながら、なぜか思い出せない自殺した級友の名前を探すホラーミステリー。悩みなんてなさそうに振る舞っていても、みんな心の底には苦悩や葛藤を隠し持っています。その緻密な描写に、不器用だった思春期のほろ苦さを思い出すことでしょう。

小さな離島で暮らす4人の高校生の青春を描いたハートフルな物語。青春らしい友情や淡い恋心とともに、親子の愛や島の住人との関わりが丁寧に描かれていて、私たちは誰かとつながって生きている、と改めて感じさせてくれます。太陽の眩しさや潮風の心地よさを感じながら、青春のきらめきを楽しんでください。

図書館の本に挟まる謎の便箋を見つけたことから始まった文通、大人しそうな転校生との秘密の交流など、青春の甘酸っぱさや爽やかさを味わうことができる短編集です。未熟なせいで誰かを傷つけて悔やんだり、でもだからこそ誰かの力になりたいと思えたり。成長していく若者たちの姿は、純粋だったころのみずみずしい気持ちをよみがえらせくれます。