ほっこり温かな気持ちになりたい方にオススメしたい、小川糸の小説

同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、そのショックから声も失ってしまった倫子。倫子は山あいにある故郷に戻り、小さな食堂を開くことにします。それは1日に1組だけをもてなす、決まったメニューのない食堂で・・・。おいしくて、愛おしい想いが詰まった一冊です。

主人公・鳩子の職業は「代筆屋」。鎌倉に店を構える彼女のもとには、今日も不思議な依頼が届きます。そうして依頼者の心に寄り添いながら手紙を代筆するうちに、鳩子は仲違いしたまま帰らぬ人となった祖母の想いに気がつき・・・。鎌倉が好きな方、手紙や文房具が好きな方にもオススメできる小説です。

夫が姿を消し、傷心状態で南の島にやってきたまりあは、助産院長・鶴田亀子に妊娠していることを告げられます。予想外の妊娠に戸惑うまりあ。しかし、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれて、少しずつ過去と向き合うようになり・・・。「命の誕生と再生」がテーマの物語。何かに行き詰っている方はぜひ読んでみてください。

「喋々喃々（ちょうちょうなんなん）」とは、男女が楽しげに小声で語り合うさまのこと。東京・谷中で小さなアンティーク着物店を営む栞は、ある日、店にやって来た男性客に恋心を抱きます。父親に似た声をしている彼に対して、徐々に膨らんでいく想いのゆくえは？心の機微が丁寧に描かれている恋愛小説です。

あるとき、不意に訪れる奇跡のような食卓。好きな人と一緒に食べる幸せ、幸福な食事の光景を丁寧に描写した短編小説集です。母親から教え込まれたお味噌汁、離れることになった恋人と食べる松茸料理など、あなたの思い出をくすぐる料理がきっと見つかります。グルメ小説が好きな方にオススメしたい一冊です。