ブックキュレーターhonto編集員
身近な「モノ」から考えるフェミニズム&女性史の本
フェミニズムや女性史を、難しい人権運動やその過程をたどった「歴史」だと思っていませんか。実はそれだけではありません。日常の生活を問い直す女性学は、「モノ」をテーマにすることもできるのです。誰もが、衣服、化粧、靴など、あらゆるモノに囲まれながら生きています。「モノ」からフェミニズム&女性史を学ぶことができる本を紹介します。
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今では、陸上選手のユニフォームくらいでしか見ることのなくなったブルマー。そのブルマーは、1960年代に学校現場で一気に広がり、90年代のブルセラブームで批判的に語られるようになるまで定着化され、継続し続けられました。女子教育とブルマー普及の関係から、戦後日本の女性観の変容を明らかにした一冊です。
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職場でのパンプス義務付け反対運動「#KuToo」をご存知でしょうか。「靴」と「苦痛」をかけて、アメリカで広がった「#MeToo」になぞらえた運動です。グラビア女優・石川優実が、この運動を通してフェミニストになるまでの経緯が綴られています。靴を支点に、現代女性の生きづらさを知ることができます。
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コルセット、纏足、美容整形など、健康と引き換えに美しくなろうとするアイテムや美容行為は、なぜ廃れないのでしょうか。本書では、美容行為を男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」と捉え、痛烈に批判しています。女性が自らをエンパワーするものとして選んでいる美容行為を、立ち止まって考えることができる一冊です。
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スカートと女性の歴史 ファッションと女らしさの二〇世紀の物語
キンバリー・クリスマン=キャンベル(著),風早 さとみ(訳)
10種類のスタイルを取り上げながら、女性の生き方の変遷に追った一冊です。パンツスーツで働く女性も増えましたが、スカートを履いたことがない女性は少ないでしょう。動きやすさを求めて変化しながら、美しいスカートは「女らしさ」の表現を担ってきました。ファッションで表現されてしまう力と罪について考えさせられます。
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パンスト・下着・ナプキン・洗濯機・たばこ・手帳など、戦後の成長期にさまざまなモノが作られ変容した背景から、戦後の女性の生き方の変容を探ります。モノが変われば、それを使う身体も、合わせて動きを変えます。モノが増えて選択肢が増えれば、購入に至るまでの思考も変わります。新しい視点から戦後の女性史に迫った一冊です。
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