ブックキュレーターhonto編集員
作家が「がん」になった時・・・鋭い観察眼と表現に感銘を受ける闘病記
がんを患った作家による闘病記を集めました。異変を感じた瞬間から検査、告知、手術と術後の療養に至るまで。闘病の経過や心理状態、周囲の人との関係が、作家ならではの観察眼で表現されています。がんを真正面から受け止め、当事者でありながら俯瞰した視点に驚かされます。つらい闘病を作品に昇華する作家魂に、畏敬の念を抱くことでしょう。
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39歳の漫画家が、ステージ4の大腸がんになってからの日常を描いたコミック。告知の非現実感や妻の悲しみ、怪しい代替療法に頼らずにはいられない不安をはじめ、感情の機微がつぶさに描かれています。一歩引いた観察眼、深刻な状況でも医師の言葉から笑えるポイントを拾ってしまう姿は、作家の習性だと思わされます。
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58歳でステージ4のすい臓がんで余命宣告を受け、亡くなるまでの日記です。自宅での緩和ケアを選んだ著者・山本文緒は、夫との生活を慈しみつつ書くことをやめません。まだ作品のアイデアがあるのにと悔しがり、余命を数えながら書き続ける・・・。最後まで作家人生をまっとうした、著者の執念に敬服するでしょう。
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BL作家として活動する38歳の著者が、末期がんと診断されてからの日々を綴ったコミック。退院当日に観劇するエピソードをはじめ、「日常をどう保つか」を重視する姿が印象的です。治療の詳細や実家の事情といった重い場面も『鳥獣戯画』のようなゆるい絵とユーモラスな表現で描き切る、作家としての矜持に胸打たれます。
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作家たちが記した、がん闘病記をまとめた一冊です。寛解した人も亡くなった人もいますが、それぞれの死生観とがんへの向き合い方が胸に迫ります。特に「最期のことば」の章に登場する、3人の作家は壮絶です。決して治療を諦めないのは、書き続けるため。書くことが生きることになっている、作家の業に圧倒されます。
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