雨音を聞きながら読みたい。切なくも心温まるラブストーリー

『すずめの戸締まり』や『君の名は。』などのアニメ映画を手がけた新海誠監督による小説です。靴職人を目指している高校生の孝雄は、ある雨の日に庭園で雪野に出会います。それは恋と呼べるのか、それとも違うものなのか・・・。万葉集を引用した美しい言葉の数々や、それぞれ異なる立場から紡がれていく2人の想いに切なくさせられます。

アメリカの小説家、アンドレ・アシマンによる青春物語で、映画も話題になりました。北イタリアの避暑地で夏を過ごす少年エリオが、考古学の教授である父親の助手としてやってきた大学院生のオリヴァーに特別な感情を抱き始め、恋の痛みを初めて経験します。雨の日に読むと夏が待ち遠しくなること間違いなしの物語です。

ドラマ『信長協奏曲』や『スイッチガール!!』などの脚本を担当した、宇山佳佑の創作の原点となるラブストーリーです。雨がきっかけで恋に落ちた新人建築家の誠とカフェ店員の日菜はバイク事故に遭ってしまいます。ところが、2人はお互いの命を削りながら生きることになってしまうのでした。雨の日の美しい描写と切なさに、涙があふれてくるはずです。

叔母のマンションに引っ越したぼくの目の前に、雨の日にしか現れない女性の幽霊が登場するという、ミステリー仕立てのラブストーリーです。自分を殺した人を見つけ出してほしいと頼まれたぼくは、謎解きに乗り出します。真相が次々と明らかになるなか、幽霊に恋をしてしまい・・・。普通のラブストーリーでは物足りない方にオススメです。

30代後半のツキコは、居酒屋で高校時代の国語教師のセンセイに再会します。四季の移ろいとともに、穏やかでゆったりとした時間が流れ、2人は思いを育み合います。ひと言では言い表せない特別な何かを感じさせる物語は、雨の日に浸るのにぴったりです。