ブックキュレーターhonto編集員
あの有名小説も昔は禁書だった?名作として今に残るかつての問題作
読んだことはなくても「タイトルは聞いたことがある」という文学作品はたくさんあると思います。そして、今では名作として受け入れられている作品の中には、かつて禁書として発売禁止の処分を受けていた本も少なくありません。ここでは、政治的・宗教的・道徳的などの理由から問題視された不遇な小説を取りあげて、その魅力を紹介します。
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マルキ・ド・サドを象徴する作品であり、性的倒錯の限りを尽くした内容があまりにも過激なため、19世紀には禁書扱いされた曰くつきの小説でもあります。4人の資産家が拉致してきた美少女と美少年たちと一緒に森の館に閉じこもり、120日間にわたり狂気的な酒池肉林に耽る光景は異様で、吐き気を催すほどのインパクトがあります。
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世界大恐慌期のカリフォルニア州を舞台とした季節労働者の物語です。自分たちの農場を持ちたいという願望を抱くも、相方が問題を起こすせいで生活が安定しないことを不満に思うジョージ。農場で働きながら一攫千金の機会をうかがいますが、その先には悲劇が待ち構えていました。実体験をもとに労働者の境遇に切り込んだ名作です。
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療養中の青年が過去のクリスマスを回想するという内容で、青春小説を象徴する作品として世界的に評価されています。成績不良で退学処分を受けたこと、出会った人間たちに幻滅したこと、社会に不満を抱いたこと。口語的な文体で綴られる青年期の揺らぎがちな感情が世代を超えて受容され、1951年の刊行以来、色褪せることなく愛読されています。
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性欲的生活を意味するタイトルが示す通り、人間の性欲を深く語る内容が問題視されて発売禁止の処分を受けた曰くつきの小説です。哲学講師の金井湛は性教育の資料と称し、自分の性欲の歴史を振り返ります。初めて見た絵草紙の印象、初めての吉原通い。その性的欲望に関する過去を綴る端正な文章に、たちまち引き込まれるでしょう。
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