虜になること間違いなし！「我が道」をゆく個性派ヒロインが輝いている物語

中学2年生の成瀬あかりは、閉店間際の西武大津店のテレビ中継に毎日映り込むことを夏休みの目標にします。あかりはそれに留まらず、親友と「M-1グランプリ」に出場したり、突然坊主にしたりと思いもよらない行動を連発。そんなあかりから目が離せなくなる、滋賀愛に満ちた青春小説です。

青森育ちの16歳、相馬いと。強い津軽弁による人見知り克服とかわいい服への憧れから、彼女はメイドカフェでアルバイトすることに。慣れない仕事や自身の性格に悩みながらも成長してゆく最中、カフェ存続の危機にいとは因縁の津軽三味線を手に取って・・・。先輩メイドや常連客、ロックな祖母など、いとを支える人々も魅力満点です。

省エネ思考で生きる男子高校生の折木奉太郎は、古典部に入部します。そこで出会ったのは部長の千反田えるでした。えるは彼と正反対の性格で、「わたし、気になります！」と何事にも目を輝かせます。やがて古典部メンバーは、33年前の事件の真相を探ることに。ヒロインの虜になった方は、ぜひ続編も読んでみてください。

2013年に放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』のシナリオ集。三陸×海女×アイドルという異色の物語で大ブームとなりました。流行語になった主人公・天野アキのセリフにまた出会えます。ドラマを観ていない方は、セリフを読めばアキの魅力に夢中になるはずです。ドラマを観ている方は、カットシーンなど本編との違いをお楽しみください。

主人公のモモは、廃墟の円形劇場に住み、ぼろぼろの格好をしながら「みんなの話を本当に聞いてあげることのできる」少女です。自由や他者への友愛をただ一人捨てず、時間どろぼうへ立ち向かうモモの姿に胸を打たれます。時間や近代化の価値を問う哲学的な物語として有名な本作ですが、その魅力は何よりも主役のモモによるものといえるでしょう。