命懸けのサバイバル！極限状態で生きる人間を描いた漂流小説

遭難の末、無人島に漂着したロビンソンのサバイバル生活を描き、イギリス文学史における最初の小説の一つとして世界的評価を受けている名作です。水も食料もなければ語り合う仲間もいない世界で、知恵を絞りながら生きる術を見つけていくロビンソン。自然の脅威と人生の教訓を語る漂流文学の原点にして頂点といえる一冊です。

飛行機墜落事故の生き残りである子供たちが、孤島でサバイバル生活を送る著者ウィリアム・ゴールディングの代表作です。はじめは協力して救助を待っていたのに、仲間内の対立が原因で共同体が崩壊に向かい、徐々に邪悪な面を表していくその姿には恐怖を覚えます。子供たちの生々しい生存競争を描き、後世に多大な影響を残した傑作です。

天保12年、15歳の万次郎と仲間たちを乗せた船は嵐に見舞われて鳥島に流れ着き、救助を待っている所を米国捕鯨船ジョン・ホーランド号に救われます。アメリカに滞在する間に英語と文化を学び、万次郎は目を見張る成長を見せますが、同時に帰国を願う気持ちも強くなっていました。漂流小説の秀作を収録した作品集です。

天明2年に破船し、8ヵ月間漂流することになった「神昌丸」乗組員17人の過酷な漂流記。船頭の大黒屋光太夫を筆頭とする登場人物は『北槎聞略』を下地に設定されていて、長期的な漂流生活とロシア領属国漂着後の苦難が巧みな筆使いで描き出されていきます。歴史小説の大家が日露交流の幕開けをテーマに綴った大作です。

天明から寛政にかけて無人の火山島で生き延びた漂流者の物語です。主人公は長平という土佐の船乗りで、24歳の年に仲間たちと航海中シケに見舞われ、ほぼ破船して見知らぬ島に漂着します。極限状態で救助を待つのですが、絶海の孤島は彼らを容赦なく絶望させていき・・・。記録文学の名手が送る漂流文学の傑作です。