ブックキュレーターhonto編集員
置かれた場所で咲くだけじゃない。植物のしたたかな生存戦略がわかる本
世界中に27~30万種存在するという植物が、いかに生き抜いてきたかを紹介している本をまとめました。美しい花を咲かせて実を結び、動物たちに食べられ、ときに毒を持つ。動かず、物言わぬ植物のしたたかな生存戦略に驚かされます。読めば、道端の樹木や庭の草花が気になってくるはず。新しい視点で植物を見られるようになるでしょう。
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植物が、いかに動物や人間に「食べさせて」子孫を殖やすかという戦略に着目した一冊です。おいしそうな果実の色から含まれる糖分の量、一度口にすれば病みつきになる成分まで。麦やサトウキビ、コーヒー豆が人間に栽培されているのではなく、「栽培させている」のだとしたら・・・。植物側から農業を考える視点が新鮮です。
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植物に含まれる毒の種類や役割を紹介している本です。毒によって動物や人間に食べられる量と部分を調整しているという、植物の生存戦略に感嘆することでしょう。ジャガイモをはじめ身近な植物の毒の害と注意点など、役立つ情報も満載。毒を恐れるだけでなく、防虫剤や漢方薬に利用してきた人間の知恵にもしたたかさを感じます。
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植物と病原体の攻防がまとめられた本です。病原体の侵入経路に植物の防御法、共存関係を築いた微生物。植物が陸上に進出した約5億年前から、絶えず病原体と戦ってきたことがわかります。アイルランドのじゃがいも飢饉に代表される植物の病気に翻弄されてきた人間の歴史についても紹介されていて、そちらも興味深く読めるでしょう。
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植物の花・果実・種子・葉・茎・根の形や色に、どんな意味があるかを解説しています。葉が平たい理由に茎の太さを決める要因、根の存在意義など。著者は植物の進化の過程を紐解き、「見た目の違いには、生物の生き方の違いが反映されている」と主張しています。見慣れた植物を改めて手に取り、観察してみたくなるはずです。
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「太陽に向いて伸びる植物は、光が見えているのか」など、植物が人間の五感に相当する能力を持っているかを考察しています。実験や検証を通じて、植物に脳はないが光や匂い、触感から外界を知覚していると結論。植物が環境に適応する仕組みがわかります。物言わぬ植物が、人間と近い存在かもしれないと思えてくるでしょう。
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