ブックキュレーターhonto編集員
まるで小説のような読み心地。物語性に満ちた随想録
エッセイは自分の体験、社会の出来事、あるいは身近な些事をもとに著者の思想を語る文学形式であり、日本における随筆とともに何世紀にもわたって綴られてきました。その多種多様な随想録には、まるで小説のような物語性を感じさせる書物も少なくありません。そんな現実と空想の境界が薄れ、幻惑的な読み心地を楽しませてくれる随想録を紹介します。
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アルゼンチンの作家ボルヘスには、小説と随筆の境界線が曖昧という特徴があります。同じ文章でも収録物のテーマしだいでどちらにもなり得る著作も存在します。文学を論じる本書も例外ではなく、秦の始皇帝による焚書坑儒から観念論解釈まで、著者の考察は空想的な物語性を帯びて、疑似短編小説の世界におびき寄せてきます。
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コロンビアの小説家ガルシア=マルケスの自叙伝です。祖父母から続く一族の来歴と交流、寄宿舎ですごした学生時代、貧困に悩まされながらも育んできた文学的素養。幼少期から特派員としてヨーロッパに渡るまでの経歴を、著者特有の端正な語り口で綴っています。ラテンアメリカを代表する「語り部」の原点が見える名著です。
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同名の映画の原型となったことでも知られる書物。エッセイの体裁を取りながら、話題によって批評・詩歌・啓発と形式を変える語り口が独特で、全体が大きな散文詩をなしています。月光仮面の変装が意味するテーマを考察し、競馬のロマンを語り、自殺の美学を追究する。本書は、そんな寺山修司の思想を知るカギとなる前衛的な文集です。
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