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国家を持たない最大の民族「クルド人」を知るための入門書
昨今、日本国内でも難民問題に揺れるクルド人。その存在を、あなたはどこまで知っていますか?4000万人という一国家規模の人口がありながら独立は叶わず、世界中に離散し、辛酸をなめる民族です。どのような意見を持つにせよ、まず知るべきはその複雑な立場と歴史、そして当事者たちの現実。その入門的な本を紹介します。
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国家間の対立や紛争に隠されがちですが、クルド人問題は100年にわたり中東各国の火種となり続けています。本書は20年以上前に刊行されたものですが、それでもクルド人の難しい歴史と当時の状況がよくまとめられ、現在でもとても参考となる新書です。こののち、クルド人はシリア内戦やISとの戦闘にも巻き込まれていきます。
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1923年、滅亡したオスマン帝国に代わり建国された現在のトルコ共和国。しかしそれは、オスマンで安住していたクルド民族にとって分断と悲劇の始まりでもありました。現在でも世界で最も多くのクルド人が居住する国家として、近現代の政治外交がどのように問題に向き合ってきたのか。概観がつかめる一冊です。
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イスラム過激組織「IS」は、中東5国にまたがるクルド人居住地クルディスタンも領土拡大の標的としていました。1万2000のIS軍対2000のクルド人志願兵、その中でも最前線で戦うスナイパーは著者を含めたった5名。「一人称」の戦場の地獄が淡々と精緻に綴られ、各国で迫害されてもなおクルドを守りぬく精神に心が震えます。
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