緻密な物語と独特の世界観がくせになる！はじめての月村了衛

近未来の日本、最新鋭のパワードスーツ「龍機兵」が配備された警視庁の特捜部は、搭乗員として傭兵を採用。彼らが内外に軋轢を起こしながらも事件解決に挑む姿が描かれます。設定やガジェットはSFですが、中身は人間くさいドラマが満載の警察小説。著者のデビュー作であり代表シリーズの第1弾、傑作です。

東アフリカの国、ソマリアに派遣されている自衛隊が民族紛争に巻き込まれ、圧倒的に不利な状況のなかで逃げてきた1人の女性を護り、戦います。冒頭からトップギアでアクションシーンが始まり、次から次へと困難が待ち受けるハラハラする展開は、まるでハリウッド映画のよう。エンタメ色の強いアクション＆冒険小説です。

日本と中国の警察が協力し、日本での国際犯罪を捜査するという名目で警視庁に創設された部署に日本・中国から癖のあるはみ出し者が集い、反目しながらも絆を深めていきます。月村了衛らしくキャラクターがしっかりした活劇満載の警察小説。直木賞候補作にもなった代表作の一つです。

始まりは実在の詐欺事件をモデルにした事件。それに末端社員として関わった男が主人公で、彼が再び詐欺を働き、闇社会をのし上がるさまを描いた犯罪小説です。多くの詐欺ビジネスをリアルに描き、いつの間にか主人公に感情移入し、ハラハラドキドキすること必至です。山田風太郎賞の受賞作です。

コルトM1851という拳銃を手に江戸の裏社会を生きる男・郎次を描いた、ダークな雰囲気が漂う時代小説です。江戸・幕末の空気感と悪党たちのアウトローな雰囲気が見事にマッチしています。月村了衛、得意の立ち回りシーンはもちろん読み応え抜群。ハードボイルドタッチのピカレスクロマンです。