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心の傷と向き合うヒントが得られる「トラウマ」をテーマにしたエッセイ&批評
トラウマとは、簡単にいえば「心の傷」のこと。トラウマはその傷を受けた人に大きな影響を及ぼし、その後の人生を左右します。放っておけば生命に関わる可能性がある一方で、不用意に扱うと余計に傷が深くなりかねません。「トラウマ」をテーマにしたエッセイや批評を通じて、難しい傷と向き合うヒントを探ってみませんか。
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傷を愛せるか 増補新版
宮地 尚子(著)
精神科医でトラウマ研究の第一人者でもある宮地尚子によるエッセイ。深く傷ついた人たちにどうすれば手を差し伸べられるのか、それぞれの傷とどう向き合っていくべきかといった内容が、深い洞察力をもって綴られています。とても読みやすく、心に染みわたるような語り口も魅力的です。
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物語とトラウマ クィア・フェミニズム批評の可能性
岩川ありさ(著)
本書では「トラウマは語ることが難しい経験である」という前提に立ったうえで、簡単には語れない傷を語る手段として文学が分析されています。多和田葉子や大江健三郎らの作品が取り上げられ、著者自身の経験も交えて語られる文学論は読み応えたっぷり。批評対象となっている作品を読みながら楽しむのもオススメです。
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ジャーナリストとしての実感をもとに、想像を絶する体験が人間からどう言葉を奪っていくのかを描いたエッセイです。傷ついて混乱した人々が言葉を取り戻し、再び語ることができるようになるためには、周りが「待つこと」「聞くこと」が何より大切だと繰り返し語られています。温かい筆致にも心揺さぶられることでしょう。
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トラウマ研究 1 トラウマを生きる
田中 雅一(編) , 松嶋 健(編)
「トラウマ」という概念を多角的に語った論考集で、このテーマについて理解を深めるのにぴったりな一冊です。さまざまな著者による論考が集められているため、多くの考えを偏りなく知ることができます。トラウマから回復するにはどうすべきか、という実践的な視点が取り入れられているのもポイントです。
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