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ルーツに迫る!村上春樹に影響を与えたアメリカ文学
今や世界的人気作家の村上春樹ですが、作家になる前はアメリカ文学に夢中だったことも有名な話。デビュー作『風の歌を聴け』は日本的な文体から脱却するため、まずは英語で書いたのち、それをまた日本語に訳し直したというエピソードも広く知られています。ここでは、村上春樹の文体や作風に影響を与えたアメリカ人作家の小説をピックアップしました。
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レイモンド・カーヴァー(著) , 村上 春樹(訳)
レイモンド・カーヴァーの小説を、日本で初めて翻訳したのが村上春樹でした。本書は、カーヴァーの没後約10年後に発掘された遺稿集。短編しか書かなかったカーヴァーですが、シンプルで独特な文体と物語が見事にリンクしていて、不思議な読後感を与えてくれます。
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「こんな小説の書き方もあるんだ」と若き村上春樹に感銘を与えた、カート・ヴォネガット・ジュニアの代表作。第二次世界大戦の体験を盛り込んだ反戦的な物語となっています。とはいえジャンルはSFで、未来や過去を自由に行き来できる主人公が大富豪と結婚したり、異星人に誘拐されたりと、一筋縄ではいかない構成は見事です。
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村上春樹が『羊をめぐる冒険』執筆時に参考にしたと言及している、レイモンド・チャンドラーの傑作。私立探偵フィリップ・マーロウが主人公のハードボイルドミステリーです。マーロウのクールでかっこいい姿に、誰もが惹かれてしまうはず。謎が謎を呼ぶ物語も見事で、最高峰のミステリーを堪能できます。
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怒りの葡萄 新訳版 上
ジョン・スタインベック(著) , 黒原 敏行(訳)
スタインベックの著書はいずれも物議を醸し、本書も発禁処分を受けますが、のちに大ベストセラーとなりました。物語は、農地を追われた貧しい農家が新天地を目指して旅をする・・・というもの。その途上で受ける差別に、激烈な筆致で怒りを表すさまに圧倒されます。
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村上春樹が好きな小説として挙げている本書。1929年の世界大恐慌を数年後に控えたアメリカを舞台に、大富豪の夫人となった昔の恋人を振り向かせるべく、なりふりかまわずにお金を稼ぐ主人公ギャッツビーの物語が描かれます。夫人の大邸宅を1人で眺めるシーンが切なく、村上春樹の作品でもオマージュされています。
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