最高にポップでラディカルな純文学の作品集

ほしい本に追加

現代日本のおける空虚な喧騒を、高橋源一郎特有のポップな発想と文体で表現した全13編の連作的な短編小説集です。近親相姦という言葉に頭の中を支配された男、少年鑑別所で出会った素数に取り憑かれた少年、ダッチワイフのヨウコを愛でる教師。超個性的な登場人物達が奏でる狂騒曲にページをめくる指が止まらなくなります。

ほしい本に追加

多分野で活躍する中原昌也が、「文学」を題材にアンビバレントな感情をぶちまけた作品集です。ある鉢植え売りの鬱屈した心情を描く表題作をはじめとして、罵倒に罵倒を重ねる怒涛の展開が全編にわたって語られていきます。小説家でありながら文学に憎悪を抱き、あますところなく吐き出してく破壊的な作風には爽快感すら覚えます。

ほしい本に追加

町田康の出世作といえる表題作は、出世競争から脱落し、ランパブに通いながら低俗な大衆を呪い続ける絵描きの葛藤を、パンチの効いた口語的文体で表現した怪作です。自分自身が貧窮しているのに中流の人々を見下してしまうプライドの空回りは、滑稽ながら鋭い批判にもなっています。併録作「人生の聖」ともども痛烈な内容です。

ほしい本に追加

ノートに殺害計画を記している中学生の息子に対し、惰性的に生きてきた自分にできることは何か？膨大な犠牲者を出した学校襲撃事件をきっかけとした暴力の伝染が息子に及んだことを知った父親の葛藤を描く表題作をはじめとして、ダークでありながら家族愛を追求する3編を、著者特有の疾走感ある文体で綴った作品集です。

ほしい本に追加

N国T地方Y県の通学列車で高校生のテリトリー争いが勃発。ヤクザを巻き込む事態に展開した大騒動の原因と顛末を、アルファベットを用いた文字遊びから読み解いていく奇妙な作品「ABC戦争」を含め、阿部和重の初期作品を6編収録しています。巻末の「阿部和重ゲーム化会議」まで読みどころ満載の作品集となっています。