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研究室でのひととき
2008/02/01 03:09
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る
研究室で一時間強の時間つぶしを迫られたときにたまたま手に取った本。それがこの本とのであいでした。作品自体は芥川賞受賞のときから知っていました。年齢の近い作者。興味はあったけど、単行本に抵抗を感じる僕には「買って読む」ほどのものではなかったのです。そんな本が文庫で、しかも手ごろな分厚さ、手ごろな価格で入手可能だったので購入しました。
感想。・・・なぜ芥川賞を受賞したのか理解できませんでした。文章に重みのない、余韻に浸ることができないというのが第一に思った感想です。情景や心理描写は伝わってくるのですが、いかんせん軽い。私なりの根拠としては、文学的なことはわからないので、感覚的なもので語らせてもらうと、イベントないし事件の発生のインパクトの弱さにあるのではないかと思います。クラスで浮いている二人を一人のファッションモデルを通して展開される日常。ん~リアルにありそうで普通な設定。普通過ぎて印象に残りにくい?とまで勘ぐっている私がいます。というのも、読んでから時間を置いてふと背中を蹴った理由を思い出そうとしました・・・ミッションインコンプリートぉぉぉ。
読書していて一番注目すべきところが思い出せないとか致命傷ですね。それでも私は言います。だって印象が薄かったんですから。むしろハツや絹代の思春期の描写が印象に残っています。
みんなの機嫌をうかがいながら、話をなるべく選びつつ会話をすることの苦痛。
<p22-23>
私は、余り者も嫌だけど、グループはもっと嫌だ。できた瞬間から繕わなければいけない、不毛なものだから。(中略)絹代は本当はおもしろい時にだけ笑える子なのに、グループの中に入ってしまうと、いつもこの笑い方をする。あれを高校になってもやろうとする絹代が分からない。
友だちが持っているグループの存在意義への懐疑的な想い。
<p98>
「…中学での我慢が、たまりにたまって一気に爆発した結果かな。」
「我慢、って言っちゃうんだ、私らの時間を。」
常に直球であろうとすればするほど、周りとの歯車がかみ合わない素敵な落とし穴。その落とし穴に自分は落ちたつもりはないのに、周りははるか上方ではしごを垂らしながら昇り方を教授しようとしてくる。周りの見えない性格でもあることがさらに状況を追い込む。現実ならどう抜け出すんだろう、この悪循環。
第一に持った感想と振り返りをしている今現在では、確かに作品の印象は良くなりました。それでも心の底からは納得し切れていない受賞という肩書きへの疑念。性格がもともとひねくれている私には物事を否定的に捉えがちなところがあります。それを差し引いても余りそうなのでこの段落を書いています。
最後に一言。「パンドラの箱を開けた中身はあなたの望むものとは限らない」。それが今回の私の読書をよくあらわしていると思います。
スクールカースト
2019/10/15 18:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はるりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
スクールカーストって言葉が、シックリくる。私は、そんな言葉が出来る前に、高校を卒業していたので、いまいち理解出来なかった。多分、思春期に読んでたら、共感出来る部分もあったのかなぁ。
蹴りたいっていうか、自分よりもカーストが下の男を見つけて、安心したいから、痛めつけたいって感じ。それだけだと、主人公が嫌な奴ってなってしまうけど、主人公もそれなりに見下されてるから、嫌な奴って感じには、なってない。群れるのは嫌だけど、孤独に徹する事も出来ない。その中途半端な感じが、思春期ってことなんでしょうか。
そんなに騒ぐほどかっていう感想も持った
2018/03/14 20:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題を呼びベストセラーになった芥川賞受賞作である。確かに才気が感じられる表現が随所にある。でも、そんなに騒ぐほどかっていう感想も持った。