綿矢りさ氏の芥川賞受賞作の大傑作です!
2020/05/21 11:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、綿矢りさ氏が芥川賞を受賞した傑作です。内容は、高校一年生の長谷川初実(通称ハツ)は、気の合う者同士でグループを作ってお互いに馴染もうとするクラスメートたちの中で、最初は溶け込むことができずにいました。そんな彼女が、同じクラスの、これまた余り者である、にな川と出会ったことからストーリーは展開していきます。なに川は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せてきます。そして、にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知ります。実は、にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンだたのです。一体、この二人はどうなっていくのでしょうか?オリチャンに会えるのでしょうか?思春期の女の子が日常の中で感受する「世界」への違和感を、主人公の内面に沿った一人称の視点で描き出した高校生小説の大傑作です!
ちょっと根暗な女の子を書かせたらこの人が一番
2019/01/13 23:10
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「わたしを離さないで」があまりにも切なかったので軽い作品を読んでみたいなと読み始めたが、主人公のハツやにな川がどうも自分自身の高校時代にダブって見えてきてまた切なくなってしまった。明るい高校時代を描いている作品と勝手に思い込んでいたのだが全く違っていて、何だか周りと溶け込めない、でも孤独はさみしい、でもこんなレベルの低い連中と仲間になるくらいなら孤独なままでいいといったハツのスタンスには昔を思い出してドキッとした。私の場合は、孤独に耐え切れず、そのレベルの低い連中を友人にしてしまったのだが。この作品がヒットしたというのは、学園ドラマで描かれているような楽しい「学園天国」を楽しんでいるのは、ひょっとしたら一握りの楽しいと思い込んでいる単純な人たちだけで、みんなハツに共感しているからかもしれない
分かるような分からないような
2023/01/20 12:31
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投稿者:杉野 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰しもが感じたことのあるようななんとも言えない感情が文章の端々から滲み出すように感じる。小説の中の話なのか自分の話なのか分からなくなる。
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17歳の若さで文藝賞をとり(インストール)、現在大学在学中にして、この作品で芥川賞受賞。
仲間はずれにされている卑屈な女子高生が、同じクラスの、これまたオタクでアウトローな男子を
ばかにし、ばかにしつつも目が離せず、「もっとみじめになればいい。」とサド的な気持ちになっていく。
なんでもない言葉でなんでもない日常を淡々と綴っているだけだが、非凡な才能を感じる。
肩に力も入っていないし、好感がもてる。
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“この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい”長谷川初実は、陸上部の高校1年生。ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、彼の部屋に招待されるが…クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、文学史上の事件となった127万部のベストセラー。史上最年少19歳での芥川賞受賞作。 (amazonより抜粋)
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話の内容は、なんか、流れるように読んでしまう本。ただ、これを書いたのが、19歳の人ってことを意識しながら読んだ。例えがちょっと分かりにくいかも。
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にな川、そして主人公…なんて微妙な関係なんだ!そんな関係と微妙さに悶えます。そして思いの表現の仕方がすごく素敵。この年頃と言えば普通は青春のお話なのに、この二人は青春かどうか解らない事してます、にな川がどこかぬけているのか、主人公さんがぬけているのか。
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多分この書棚で初めての一つ星
文庫版になったのではじめてよんでみたのだが、これが文学がこれ文芸かと思いました。 少しの経験と少しの妄想で表面的な観察 表面的な描写 文芸というの少し偏向した拘りの世界間があり 人の人生を違ったアングルでえぐり取っていくものだ。
これはよくできた日記である。
コーンフレークがきになった
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文庫が出てたの買って読むことにしました。
予想外に面白かったです。
内容が暗いこと。
主人公の性格が悪いこと。
ありきたりなオチじゃなかったこと。
そこがよかったです。
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文庫でたから買って改めて読んでみたけどやっぱいまいち好きになれん。同時受賞で話題になった「蛇にピアス」のがグロイけど好き。
ただ、ものごっつ読みやすいから小説を読みだそうみたいな人にはお勧めの一冊。
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芥川賞受賞作。
さらっとした文体のせいか、さらっと読めてしまうが、テーマに思いをめぐらせると以外に深い。
しかし。にな川の背中は確かに蹴りたくなるかも(笑)
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なんていうか・・・フィクションだけどノンフィクションみたい。
主人公は高校生だから親近感あるし・・・クラスにこういう子、一人はいるなって感じがした。
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綿矢りさ、話題にのぼっている間は、なんとなく敬遠していたけど、読んでみたら好きだった。軽くて少し無機質なのに何となく残る文章。蹴りたいっていう感情の根源がどこにあるのかはわからないけど、夢中になりたいのになれない、強がるけど強がりきれない、そういう不安定で矛盾した何かをあたしも持っていたし、そして今もきっとあたしの中にある。
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10代の作者が書いた作品のためか、会話や感情がかなりリアルですこしどきりとしました。個人的に「寂しさは鳴る」というはじまりがすき。
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10代だからこそ書けた話。
淡々と書き綴られている感じで、
好き嫌いはっきりしそうな一作。
「蹴りたい」
の意味の捉え方はたくさんあると思います。
なかなか進まなくて、むず痒い
そんな、お話。