サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

hontoレビュー

夜市 みんなのレビュー

  • ブラウザ
  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac
一般書 第12回日本ホラー小説大賞 受賞作品

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー677件

みんなの評価4.0

評価内訳

677 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

これってホラー?美しさと哀しさと恐ろしさの境目。

2010/10/17 15:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

久方ぶりの再読。

ホラー文庫からの刊行で、日本ホラー小説大賞を受賞しているのだからホラーというジャンルで正しいのだとは思うけれど、わたしにはホラーだとは思えなかった。むしろファンタジーというくくりのほうが合っている。


望むものが何でも手に入るという、妖怪たちが出店する夜市。裕司は小学生のとき、その夜市で弟と引き換えに野球の才能を手に入れた。二十歳になる年、裕司は友人のいずみを連れ、久しぶりに夜市を訪れる。裕司の目的はただひとつ――弟を買い戻すことだった。

もう設定がファンタジー。妖怪たちが出店する市で、夜に開かれるから夜市。そんな場所に人間が迷い込めるはずがないと思うのだけれど、これが不思議なことに迷い込めてしまうのだ。

なんて書くと批判的に聞こえるかもしれないが、これはこれでアリだと思う。ファンタジーは苦手だけれど、これはすんなりと設定を受け入れることができた。

ただ、感想としては「ふーん」としか思えなかった。不思議な設定も受け入れられた。展開も受け入れた。でも、ただそれだけだった。


表題作よりも格段に気に入ったのは同時収録されている『風の古道』だ。
人間の住む世界と紙一重のところにあるという風の古道。この世の者ではない生き物たちの道なのだけれど、時折人間が迷い込むこともあるという。小さな頃に古道に迷い混んでしまった私は、友人のカズキにそんな道はないのじゃないか(=うそつき)と疑われ、再び風の古道に足を踏み入れた。12歳の夏だった。

そこから少年たちはひたすら歩くことになる――人間が足を踏み入れてはいけない道を。途中、水牛車引きのレンに出会い彼と行動を共にする。しかし道中で少年のひとりが死んでしまう。そしてレンと生き残った少年は、死者を生き返らせる秘儀を求めてまた、歩き始める。

端的に言うと、ただ歩くだけの物語。しかし彼らが歩く風の古道は、幻想的で美しい。単純に、美しいと思った。人が生き返るストーリーはわたしの最も苦手とするところなのだけれど、本作においてはその秘儀の存在さえもすんなりと受け入れられてしまった。

不思議な物語。恐ろしくはない。そして恐くもない。ただただ美しいお話だった。




『夜市』収録作品
・夜市
・風の古道

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

ホラーでは無く、後味もクソも無い。文学

2023/10/22 21:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る

味気無いという一言であった。
どこかで想像した通りの内容だったのかなと思った。
レビューの良さに、もしかして、私は感情と何かを交換してしまったのでは無いだろうか?
と読み終わった後に、思ってしまった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

夜市

2022/03/04 17:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

やっぱりファンタジーではなくホラーだと思いました。
私は怖かったです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

世にも奇妙な・・・的

2014/07/17 15:49

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

表題の「夜市」は、異世界で催される市場でのお話、2話目の「風の古道」は、現世と隣接して存在する神の道へと迷い込んだ少年の話。
どちらもホラーではなく、世にも奇妙な・・・的。特に「夜市」のほうは、ストーリーもありきたりで、特に文章が面白い訳でもなく、高校生の書いた物語程度。
「風の古道」のほうが、この作者の持ち味なのかな?悪くはなかったが、恒川 光太郎という作家は、こういう作品だ!という印象もなく、全体にまあ・・・というところ。星3つ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

幽明のあわいを旅する風情

2009/03/20 17:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 2005年、第12回ホラー小説大賞を受賞した「夜市(よいち)」と、「風の古道(こどう)」、二つの中篇を収めた一冊。

 両作品とも、普段は見えないし行くこともかなわないけれど、この世界と隣り合わせに存在している場所を舞台に、話が進んでいきます。幽明のあわいのエアポケット的空間に引っ張り込まれて、ふと気がついたら、ゆらゆらとたゆたう蜃気楼の世界を旅していた、みたいな・・・。作品のそんな空気感を感じましたね。

 この世ならぬ妖しい売り買いがそこでは行われている夜市と、ドラえもんのどこでもドアをつないでいる目に見えない通路みたいな古道。長いこと離れていた故郷に久しぶりに帰った感じ、とでも言ったらいいかな。不思議になつかしい気持ちに誘われました。

 殊に、その世界独自のルール設定が、作品世界の魅力をいや増している表題作「夜市」が面白かった。百鬼夜行の化け物が跳梁し、店主を務めたりしている夜市の雰囲気は、昔読んだ諸星大二郎の怪奇コミック『諸怪志異(三) 鬼市』の「鬼市(きし)」に通じるものがありました。

 表紙カバーの中で泳ぐ三匹の金魚が、本書の風情に錦上花を添えているのもいいですね。印象的なこの装丁は、片岡忠彦。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

納得の受賞作

2021/10/16 08:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラーファンタジーというか不思議な読後感がある作品。2話目の「風の古道」はミステリー要素も加わっていて名作。恒川作品は他にない独特の雰囲気があるので本棚に一冊は欲しい

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

夜市がおすすめです。

2015/08/23 17:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

怖い話なのかもしれませんが、それ以上に美しく、幻想的な話だと思いました。表題になっている『夜市』は特に印象的で、一つの映画を見たような気持ちになりました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

人外の世界の理に触れる本

2010/01/03 18:44

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今宵は夜市が開かれる。そんな惹句に誘われて、夜の闇広がる森の中、
一歩足を踏み入れたなら、そこは、人外の者共蠢く、もう1つの世界だった。

欲しい物が何だって手に入る、代わりに何かを買うまでは絶対に元の世界には帰れない。
それが夜市のルール。幼い頃、偶然にも夜市に紛れ込んでしまった祐司が、

大学生となった現在必死になって買おうと探している物とは一体何なのか?
それに、幼かった彼は、どのようにして、買い物を成立させ夜市から元の世界へと帰還出来たのか?

この美しくも儚い物語には、欲望が生み出す残酷な悲劇と、それ故に欲望や煩悩を統制し、
自分自身の力で希望の道を選択、獲得していく事がどれほど尊い事なのかが教えとして説かれている。

ホラーと言うよりは、むしろ説話や怪談話としての色合いが強く印象として残った。
特にラストは全く予想外の展開で、それだけに切ない程に透き通っており、胸に物語の余韻が残った。

眼前に闇の中仄かに夜市が浮かび上がって来る情景描写力にも、唸らせられた。
人間界とは別の理で、確かに存在している異世界を描いている併録作品、【風の古道】も良かった。

七歳の春、花見に行った公園で、迷子になってしまった私は、親切そうなおばさんから、
家までの帰り道を教わる。「夜になったらお化けが出る道だし、寄り道しないで行くんだよ。」

と告げられたその道は、未舗装の田舎道で、一風変わっていた。道の両脇に家が並んでいるのだが、
どの家々も一軒残らず、この未舗装道に玄関を向けていないのだ。それどころか、

電信柱も、郵便ポストもないし、駐車場もなかったのだ。この時味わった秘密体験は、
自分だけの秘密として守らなくてはならない、もしも守らなければ多分…?本能的な直感として、

「道」について他人に口外するときっと、良くない事が起こるだろう。
そんな理由で記憶の外に置いていたタブー、けれども十二歳の夏休みに親友と心霊話になり、

うっかり口を滑らせてしまう。当然、友達は、「そんな道が本当にあるなら連れて行けよ!」そそのかす。
こうして私と友人のカズキは、私が最初に件の道から抜け出た所に行き、

反対側の出口から引き返そうと計画するのだが…。歩いても歩いても、それらしい場所には着けない。
弱り果てていた二人の前に、謎の青年レンが現れる。異世界には異世界の理が有り、

嘗て存在した入口は既に閉鎖された後との事だ。更に困り果てる二人は、一か八か、
この放浪を続ける青年と異界を旅することに決める。その過程で次第、

次第に明らかになっていくレンの事情。どうしてお化けでなく、妖怪でもない、
生身の人間であるレンは異界から外の人間界に出て行けないのか?

永久放浪者として彷徨い続ける運命にあるのは何故なのか?
理由の一つずつが、とてもしっかり描かれていて、この世と別に存在する世界のルールに

美しい説得力を持たせるのに成功している。特にラストへと至る展開が、
両作品ともに素晴らしく美しいので、是非、どっぷり物語世界に浸かって下さいませ!!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

そんな世界など存在しないのに、真っ暗な闇の中にポツポツと灯りが見え、露天が見え、怖いのだけれど何かワクワクして、不思議で、そんな夜市が目の前に迫ってきました。

2009/09/20 00:24

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:どーなつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本ホラー小説大賞受賞作の過去のライナップを見てみると、意識してなかったけれど、長編賞とか佳作とか短編賞とかそういったものも含めて、わりと読んでいました。
第1回受賞の坂東眞砂子の「蟲」も第2回の瀬名の「パラサイト・イヴ」もその後の作品もだいたいは読んできています。
だからなのか、第12回大賞受賞の今作「夜市」はなんとなく今までとちょっと違った雰囲気だな、って気がします。
もちろんホラーなのですが、どう言えばいいのか、ぞぞぞぞ、とくるホラーではなくて、静かな流れの中で淡々と語られ、どこか切なくなるような、ホロリとくるような、なんともいえない読後感でした。
そういう意味での類似作だと、第8回短編賞受賞の吉永達彦氏の「古川」に通ずるところがあるかもしれません。
何にせよ今までの受賞作品の中で(読んだ中で)一番好きな作品です。

本の書評(ハードカバー版)でも、選考委員である林真理子氏、高橋克彦氏、荒俣宏氏が太鼓判を押す作品でもあります。
特に表題作の夜市。学校蝙蝠が開催を告げる何とも不思議な市場で、裕司は過去に売ってしまった弟を買い戻そうと友人のいずみと夜市に足を踏み入れのですが、そこで予想もしない世界とラストが待っていました。
そんな世界など存在しないのに、真っ暗な闇の中にポツポツと灯りが見え、露天が見え、怖いのだけれど何かワクワクして、不思議で、そんな夜市が目の前に迫ってきました。
書評でも荒俣氏が絵が浮かんでくる、と言っておられますが、そのとおりの作品です。
読んでいるうちに、知らずに映像が浮かんでくる描写の巧みさは素晴らしいの一言。
同時収録の「風の古道」もまた「夜市」にひけをとらない作品です。かなりクオリティーの高い受賞作であると感じています。
この作者のこれから出していく作品には当然これ以上の傑作を期待してしまうのですが、どうかその期待が間違いでなかったと確信できるような作品を発表し続けてほしいと思います^^

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ファンタジー、そして文学

2011/04/13 18:50

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ホラーではなくファンタジー。しかも、文学。

読んでみて、まず思った。


B級ホラー小説にあるようなスプラッタな描写はもちろんなく、稚拙な擬態語の連続で興を削ぐこともない。

静かで情緒溢れる文体からは、『夜市』のダークな情景がまざまざと浮かび上がる。妖怪たちが様々な品物を売り、数々の世界が交差する夜市。


そう、ダーク。


禍々しくも恐ろしくもなく、著者の描き出す世界は、ひたすらダークだ。


そして、この短い話の中に、裕司と弟の人生が描かれている。


同時収録されている『風の古道』も、秀逸。異界の道に迷い込んだ少年が辿る道行きだが、最後の一説がことに印象的だ。


道は交差し、分岐し続ける。

一つを選べば他の風景を見ることは叶わない。

私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。

私だけではない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。


恒川光太郎が描いているのは、人生だ。


読後、この人の作品をもっと読みたい、近頃珍しく、そう思った

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

懐かしくて少し切ない…

2022/12/12 16:03

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひらがん - この投稿者のレビュー一覧を見る

長編では無いので直ぐに読み切ってしまいますが、
読んだ後も本の世界観から抜け出せない、何とも言えない感覚に囚われます。
もしかして自分にも似たような経験が有ったのかしら、とまで思ってしまう、懐かしくて少し切ない、不思議な体験の出来る一冊です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

現代を映す鏡としての夜市

2009/02/15 14:04

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:菜摘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

恒川光太郎のデビュー作。民俗学的色合いがどちらの作品も非常に濃く、氏は民俗学専攻か非常に造詣が深いと思われます。

■ 夜市
そぎ落とした文章で一切のムダがない。それが主人公 祐司の心情を一層孤独に際立たせている。

祐司の同級生いずみが、祐司に夜市に連れて来られた理由を知り愕然とするシーンも見事であるし、『踏み入れたら最後、何かの取引をしなくては決して抜け出せない』 という夜市の設定も見事。

今、世の中には様々な複雑な事情を抱えた人が多く生活している。引きこもり、ホームレスなど、その中には自ら進んでその生活を選んだ人もいれば記憶を失ったり更に複雑な事情を抱えた人もいると思う。そうした人々に焦点を当てて書いた作品として本作を捉えることもできる、夜市は現代を映す鏡のような存在だとも言えるだろう。

でもこの作品は、昔もそしてこれからも変わらない夜市の存在とその意義を、十分に堪能したい作品である。ホラー大賞の選評では一様に展開の巧みさを褒めているが、それよりも私は 『夜市』 の存在そのものの考え方が素晴らしいと思う。

■ 風の古道
こちらも同じく古道の設定が確立している。古道に属するモノは決して外の世界に持ち出すことができない、という大原則。そして魑魅魍魎だけが行き交う古道に、なぜか自由に出入りすることができる外の世界の住民である人間がいる。彼らの多くは人格異常者で自分の殺人の記録を名誉として持ち歩いている危険な男が出てくる。

現代にはびこる、心に闇の部分を多く持つ人間をこうした古道に出入りする人間として描いたことで、理解しがたい人の心の闇に迫ろうとしたのではないだろうか。

主人公はふとしたことから古道へまぎれこむ。彼の旅路を手伝ってくれるのは古道で生まれ育ったという青年。彼自身の存在が古道の中にも人情があることを教えてくれる。

食うか食われるかの世界にも人情はあるのだ。そしてどんなに願っても叶えられないこともあるのだ。だからこそ古道の外で人は、一生懸命生きるのだろう。

この一冊ですっかり恒川作品のとりこです。ヤングアダルト世代にもオススメ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

傑作ファンタジーホラー

2021/09/26 23:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

『夜市』と『風の古道』の中編二本収録されていましたが、いずれもファンタジーホラーの傑作でした。特に『夜市』における運命の残酷さ、選択の厳しさが際立って印象に残りました。運命の奇異は『風の古道』にも顕されていて、恒川光太郎さんの書くテーマの一つになっているのかなと思いました。ホラーではあるのですが、むしろ人間の生き方に深く迫った作品のような気がして、怖いというより考えさせられる余韻が残ったような感じです。両作品ともに名作と言って良いと思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

異世界に迷い込んだ

2021/03/14 14:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初に読んだ恒川さんの作品。恒川さんのファンとなるきっかけになった。
ゾッとするような怖さではなく、何となく温かみのある、懐かしいような不思議な気分にさせてくれる。
読後目が覚めるというか、異世界に迷い込んでしまう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

秋の夜長に、この一冊を!

2020/09/19 12:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ラストがとても感動的だった」と勧められるままに、
なんの予備知識もなくこの本を手に取った。
そうして、最初のページから心つかまれました。

読後に知ったのは、10年以上も前に日本ホラー小説大賞を受賞し、著者にとってはデビュー作だということ。

これがデビュー作!!!
しかもくくりがホラー小説!!
驚きました。

学校蝙蝠が「今宵は夜市が開かれる。」と、町をぐるりと回りながら告げていくシーンで物語は始まります。

この夜市に出かける20代の男女二人。
男性の方には、この夜市にどうしても行かなければならない理由があった。
誘われて一緒に出かけた女性にとっては不思議で不気味な事ばかり。
読み進めると、パズルがどんどん完成していくような感覚を憶える。

辛すぎる過去を引きずって、
どうしようもない生い立ちの悲しみや恨みに立ち向かう…。

作品から立ち上る圧倒的な情景のリアル感におののきながら、
一気に読み切りました。

「やがて夜市は完全に遠い秋の夜の夢になる。」

秋の夜長に、こちらの一冊、今度は私からお勧めします。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

677 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。