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みんなのレビュー1,354件

みんなの評価4.2

評価内訳

1,354 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

自分に跳ね返るやいば

2018/12/31 22:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

漱石作品の中でも最も有名かつ重要なものといってよいだろう。個人的には、文壇デビュー作の『吾輩は猫である』の方が上だが、ストーリーの悲劇性、提示された問題の深遠さという点で、群を抜いていることに異存はない。
 大学生の「私」は、ある夏鎌倉で「先生」と出会う。先生は、漱石文学によくでてくる、働きもせずぶらぶらしている「高等遊民」であるが、穏やかながらも憂いのある謎めいたその人柄に、「私」は大いに惹きつけられる。「私」は先生の心に深い闇が隠されているのを見てとるが、妻君さえも窺い知りえなかったこの闇が明らかにされるのは、帰省中の「私」に彼の遺書が届けられたときであった。
 先生の苦悩は、自らの恋のために親友のKを裏切り、Kを自殺させたことにあったが、それは単なる罪の意識とは異なるものであった。彼には信じていた親類に裏切られた過去があり、それがもとで人間一般に不信と憎悪をいだいていた。彼の苦しみは、それまで他者に向けられていた鋭い刃が、突如として自分に跳ね返ってきた苦しみにほかならない。
 「私がどの方面かへ切って出ようと思い立つや否や、恐ろしい力がどこからか出て来て、私の心をぐいと握り締めて...お前は何をする資格もない男だと抑え付けるようにいって聞かせます。...しばらくしてまた立ち上がろうとすると、また締め付けられます。私は歯を食いしばって、何で他の邪魔をするのかと怒鳴り付けます。不可思議な力は冷やかな声で笑います。自分でよく知っているくせにといいます。私はまたぐたりとなります。」
 他者を恨んで生きることは、つらく不幸なことではあるが、自分を正しいと信じることで人は生きてゆくことができる。しかし最もつらいのは、自分を否定しなければならないときである。正義感の強い先生にとって、それは絶望を意味した。正義感だけですべてが解決できた『坊ちゃん』以来、強力な自我をもった漱石の主人公たちは、作品を追うごとに矛盾をはらんだ人格へと変化してゆき、これに至ってついに個人主義的自我は自らを滅ぼしたのである。
 今回『こころ』を読み返してみて印象に残ったのは、先生の奥さんへの「私」の思慕が随所にみられること。また第二章の「両親と私」では、先生とは一見何の関係もない「私」の田舎の家族とのできごと-父の看病、進路をめぐる家族とのわだかまりなど、いわゆる人生の現実問題に悩む「私」の姿が描かれる。そんなときも「私」の心をしめるのは、世間を超越した先生の存在であった。「私」は、知らぬうちに、個と世間との対立に苦しんだ若き日の先生の生き方をなぞらえているのではないか。先生の遺書を受け取った「私」が、危篤の父を見捨てて電車に飛び乗る場面はこの象徴ともいえるだろう、それが正しいか否かは別として...そんな感想をもった読後であった。

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紙の本

何十年ぶりの再読でやっと目が開きました。

2018/11/12 22:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

読書の秋という新聞記事の特集で、知っている、
読んだことがある作品の第一位はこころでした。
それも大差です。
60%くらいの人が何らかの形で目にしています。
国語の授業で習った人も多いでしょう。
いまでも学校で教えているのでしょうか。
大半の人が読んでいる作品なので、ネタバレを気にせず
思ったことをどんどん書こうと思います。

こころは名作とよばれ、多くの人が関心を払う作品でありながら、
実のところ苦手意識がありました。
最初に読んだとき、一番引っかかったのはKの死です。
それに続く先生の死もしっくりこなかったように思います。
逆にそれしか頭に残っていませんでした。

死は衝撃のある物語要素で、どんな小説でも死を取り込めば
迫力を生み出します。
だからお涙頂戴系の作品もたくさんあるのです。

ところが、こころが扱った死は、わたしには
よく分からなかったのです。死の余韻にひたらず、
感傷的に引っ張ることもせず、物語は唐突におしまいになるのです。
高校生の頃のわたしは、きっとそんな風に感じたことでしょう。
だから、この作品はいったいなんなのかで終わった気がします。

再読して感想が変わりました。
「明暗」を読んだとき、漱石のこだわりを解説で知ったことが
大きいと思います。こころは晩年の作品なので、
明暗と通じるものがあります。
登場人物が少ないぶん、こちらの方が理解しやすいです。

人間が人間らしくあろうとすると、利己的になっていくということ。
これが漱石の描く世界観のひとつにあると思います。
人間の小ささにさいなまれる姿を描いていることが、
百年たっても読まれる原動力ではないでしょうか。

人間の心なんて、かくも小さく、自己中心的で、
情けないものなのです。マズローの欲求段階でいう
低次元の状態です。

きれいごとで収めようとしながら、
結局は低次元の心に振り回されて苦悩し、
耐えられなくなって死を選んでしまうという、
ぐるぐると煩悶する心が描かれています。
しかしそれこそが人間の本質かもしれないと思うと、
この作品の理解が進む気がします。

実際のところ、高次のことも低次のことも、全部ひっくるめて
一人の人間ですし、ひとつの心であると思うのです。
恰好つけてきれいなところだけ発揮しようとしても、
天秤がはねるみたいに薄汚れた利己がほとばしるのです。
でも、それこそが心なのではないでしょうか。

Kと先生が死という最終手段に訴えるほど守りたかった心。
Kはお嬢さんに心を奪われ、自己矛盾に陥った低次の心を
否定しようとしたのでしょうか。
先生の取った行動で、Kは追い詰められたのでしょうか。
結局、他人の心を分かることはできないし、
自分のものさしで想像するしかないのです。

Kも先生も、自分の低次元さを許せなくなり、
自ら崩壊したとわたしは読みました。
自分のよりどころは自分しかないのに、
その自分が信じられなくなった時に人間はどうなるのか。
そんな頭でっかちの世界が妙に印象深く、
まわりくどいこの小説の大きな影となって潜んでいるのです。
そして、それこそが読み継がれる理由のように思います。

名作だからというだけで、本をあまり読んでいない人に
読ませてもどうだろうと、再読して思いを新たにしました。
文体もやや古いので、本を読みなれていないと、
うまく伝わらないように思います。
何はともあれ、久しぶりで読むのにいい作品でした。

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紙の本

その名の通り心に染みます

2017/11/14 15:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぐらぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「吾輩は猫である」に続いて読みました。「吾輩・・・」のような軽快感はないですが、主人公と先生の心の葛藤がじっくりと描かれていて、素直な気持ちで読み続けることができました。物語に描かれているような心理って、誰にでも働くと思います。ハッピーエンドのさわやか小説ではありませんが心に染みます。

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紙の本

人間の複雑な心理を見事に描写している。

2017/11/14 12:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ss1021 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「私」から見た「先生」について、また「先生」からの「私」への長文の手紙を通して、「先生」が大切な親友を裏切ってしまったことによる懺悔の気持ちを見事に描いていると思いました。

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紙の本

勉強

2017/09/09 12:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴっぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る

夏休み宿題にて使用するために購入しました。

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紙の本

さらり

2017/06/23 15:52

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投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めて夏目漱石を読んだ。文章がしつこくなくてさらりと読めました。そりゃ流行作家にもなるだろうという感じ。

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紙の本

読みごたえありです

2017/03/31 23:57

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いけい - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初に読んだのは、教科書でした。載っていたのは一部だったため、当時はよく分かりませんでした。
いつか全文を読みたいと思っていて、読んだ時には衝撃を受けました。
哀しく、切なく、人間的…うまく表現できませんが、心がざわざわします。
何度読んでも、なにかスッキリしなくて、でもその感覚の虜になります。
それが傑作と言われる所以なんだと思います。

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紙の本

近代文学の原点

2016/12/27 00:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

中高生の時分に読んで以来、20年以上ぶりに再読して発見したのは、村上春樹につながる近現代文学の源流がここにあったということだ。友情、愛、裏切り、死、孤独。夏目漱石は実に迂遠に、周到に、読者を焦らすように、核心へと筆を進めて行く。そしてあっけないほどの幕切れが深い余韻を残す。何度も読みたい、読むべき傑作である。この物事の続きが読みたい。

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紙の本

こころ

2016/10/25 09:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のん - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校の教科書に掲載されている最後の部分だけ読んだことがあるという人も多いでしょうが、ぜひ最初から最後まで読んでほしい作品です。「恋は罪悪ですよ」...何度読んでも、まさに「こころ」に刺さります。

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紙の本

傑作

2016/04/11 16:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よしくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

やはり漱石はすごいと思った。

三角関係にある男女のはなしだが、最後のページまで必死になって読んだ。

おすすめである。

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紙の本

よい

2015/12/30 20:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なちこび - この投稿者のレビュー一覧を見る

教科書にも載っている「こころ」ですが、ルビも多すぎず、少なすぎずで読みやすいです。また後ろにある注釈もわかりやすいです。

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紙の本

漱石の傑作・一度は読むべし

2015/09/11 22:55

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投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る

言わずと知れた夏目漱石の傑作のひとつ。内容についての感想やら論評やら考察やら加えても、もっと優れたのがいくらでもあるだろうからここでは述べないが、人間の本質について深く考えさせてくれるいい小説なので、青少年のうちに必ず一度読んでおくべきだと思う。

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紙の本

精巧な心理描写

2015/02/01 12:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まりも - この投稿者のレビュー一覧を見る

夏目漱石の作品を初めて読んだ。1章および2章はゆったりと進んでいた印象だったが、3章に入ると、世界観がより主人公の心理に迫っていく。本のタイトル『こころ』を痛々しくも、人間味溢れる形で表現しており、圧巻だった。主人公の心理もKの心理にも共感できた。生きることと向き合うことの重さを感じながら、自分という存在の弱さに折り合いをつけることが必要なのかもしれない。

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紙の本

『こころ』を読む。

2008/11/16 20:01

13人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 結婚してから書斎に新潮日本文学全集63巻があります。しかし、私は手に取ることなく何十年も過ぎてしまいました。ところが茂木健一郎著『欲望する脳』のなかに夏目漱石著『こころ』が度々登場し、この小説を読んでみたくなりました。この作品『心』は大正3年4月から8月にわたって東京大阪両朝日新聞に掲載された小説です。今からおよそ一世紀前に書かれたこの作品は明治時代の歴史、文化、生活を知ることができる名作です。この小説は上『先生と私』、中『両親と私』、下『先生の遺書』の三部になっています。そして金銭と恋愛の我執(エゴ)の作品と言われています。私はこの作品を読んで人の業(ごう)を、人の無常を考えさせられました。それは明治の世でも平成の世でも変わりはありません。

「然し・・・然し君、恋は罪悪ですよ。解っていますか」と、先生は青年に言う。

 愛があれば人は勇気を持って生きられます。その愛に我執(エゴ)があらわれたとき、人は無常を感じるのではないでしょうか。愛とは自分のなかにある弱さと向き合うことです。半世紀を生きた今、私はこの小説に出合って本当によかったと思います。

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紙の本

他人の心

2004/04/04 17:24

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投稿者:明けの明星 - この投稿者のレビュー一覧を見る

他人の心は見えないし、わからない。逆にいえば、自分の心も他人には見えていない。心と心の間には決定的な断絶がある。その断絶は言葉によって埋められるかもしれない。だが言葉はつねに従順ではないし、何よりも言葉そのものが不完全だ。
最後までこの小説を読み終わった読者も、「先生」の遺書によって、「私(先生)」の心はわかるかもしれないが、「K」や「御嬢さん」の心まではわかっていない。「先生」の記述によって推測することができるだけだ。
先生はKの言った「覚悟」という言葉を勘違いして結果的にKを裏切ってしまう。エゴだけが問題なのではなく、心の不可視性も問題なのだ。……
「K」は『行人』のKかな?先生の遺書を読んでもわかるように、漱石は徹底して物事を考える。それはまさに哲学者的とも言える態度だ。これはすごすぎる作品なのでぜひ読んでほしい。
僕が上の文章を書いたときには『行人』を読んでいなかった。『行人』が何について書かれてあるかも知らなかった。僕は自分で「他人の心は見えない」ことを発見して書いた。それはラッセルの『哲学入門』のなかの「他人の心」について書かれた部分が頭に浮かんだからだ。……それから『行人』を読んで、妙な暗号だな、と思った。

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