才能にあふれた人格者
2000/10/23 15:46
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ランゲルハンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベンジャミン・フランクリンは18世紀のアメリカを生きた人物です。彼は政治、哲学、科学、経済学など多方面で名声を博しました。本書はフランクリン自身が半生を振り返ったものです。
フランクリンは、「もしもおまえの好きなようにしてよいと言われたならば、私は今までの生涯をはじめからそのまま繰り返すことに少しも異存はない」といっています。実際、彼の人生はとても充実したものでした。それではどうして彼はそのような人生を送ることができたのでしょうか。
それは、彼自身が自分の人格を磨くように不断の努力を続けたからだ、といえるでしょう。本書の興味深いところは、フランクリンがどのように有用な人物になるための努力をしたかが詳しく述べられている点です。これは非常に参考になりました。
また、付録としてつけられた「富に至る道」もためになります。フランクリンは子供の頃は貧乏だったのですが、勤勉と節制によって富を築くことができました。そのような彼が、彼のように人生で成功するために心がけるべき教訓について述べています。
本書にはフランクリンがどのようにアメリカの基礎を築いていったかが書かれていますが、惜しむらくは本書は彼の半生についてしか述べていません。彼がアメリカの独立など華々しい活躍をした時期については全く記述がないのです。とはいえ、様々な分野で偉大な業績をなした彼の人生は非常に興味深いものです。
仕事をして生きていく上での伴走本
2021/02/14 15:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランクリン自身がどの様なスタンスで生き、また仕事の上に於いて不撓不屈の精神で臨んだかがよく解りました。
自伝としてはフランクリンの生涯全部を記せている訳ではない点が唯一残念ではありますが、本書にて自伝として著されている内容だけでも相当に十分です。
本書の末尾に付録として『富に至る道』が収録されており、そこにある幾多の『貧しいリチャード』の文言は非常に素晴らしい文言だと感じます。
トータルとしても貴重な一書を読了できたのでは、と思います。
成功者は倫理を大切にする
2023/10/10 14:21
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランクリンの一生を知ると、渋沢栄一のような他の偉大な実業家との共通点が浮かび上がる。
それは、自分が「これだけは必ず守る」という規範や倫理感があり、それに沿ってビジネスも展開していることである。
勤勉さや誠実さだけではなく、その倫理感も学びになる一冊でした。
色々な読み方ができる本
2021/03/13 09:38
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
名前だけ知っているけれど何をしたか良く知らなかったベンジャミン・フランクリンの自伝。と言っても、人生の全貌がわかるわけではなく、フランクリンが年老いてから暇を見て人生の所々を綴った本。13徳に魅かれて、私もやってみようと思いましたが、いざやってみると何をもって「節制」したといえるのか、どこまで「規律」できているか自問自答することになり、より深く自己のあるべき姿を考えさせられました。13徳を若干25歳で編み出したフランクリンはご立派だと思います。私はあまり関心を持てませんでしたが、アメリカの歴史に興味がある人にも収穫のある本だと思います。
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米100ドル紙幣でもおなじみのベンジャミン・フランクリンによる自伝。貧しい家の出でありながら晩年には政界に進出し大富豪となった。彼の成功の秘訣として有名なのが「13徳」と呼ばれる道徳戒律(節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲)。凄いのは、13徳そのものではなくて、その身に付け方である。13×7の升目を用意し、それぞれに徳と曜日を記入。今週一週間は例えば「節制」を身につけるぞ、と決めたら節制だけに注意してそのほかについてはもしこれを破れば×印をつける。一つも印が付かなければその徳はクリアしたことになる。一つの徳をクリアするのに最低1週間かかるから、すべての徳を一回りするのに最低3ヶ月、1年では四回回せる計算になる。これを年々繰り返していけば13徳の完全制覇も時間の問題というわけである。「徳」というとふつうは、特定の選ばれた人たちだけが例えば深く瞑想することによってなんとか接近可能な高尚な理念、という感じがするだろう。それを、だれでも一定の方式に従いさえすれば手軽に(!?)身に付けられてしまうスキルのようなものに変えてしまったフランクリンのやり口には、いかにもアメリカ!!という感じがして痛快だった。
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科学者であり、哲学者・政治家としても有名なベンジャミン・フランクリンが記した自伝。
私が手にしたものは、初版から50年経過し、なんと67版という超ロングセラーだ。
フランクリンといえば、雷が電気だということを示すためにタコを使った実験したということで知られているが、そのほかにも多彩だったということを伺わせる。
考えてみれば、米国の最高額紙幣である100ドル札の肖像画になっているような人であるということは、それだけ大活躍をした人物だということの裏づけでもある。
さて、個人的には私の使っている手帳、フランクリンプランナーの元祖ということで大いに期待して読んだが、手帳に使われている手法、常に意識し自己改善(刃を磨く)していたのは、それほど長い期間ではなかったようだ。
それぞれの時期に最も適したことを行った結果が、後世までの彼の地位を不動にしたのだろう。
この本の中では、悩みもなく、すこぶる順調な人生を送っているように見えるが、米国の成功本の類は今でもこういったスタイルが多い。
きっと、苦労話を聞く人は多くないのだろう。
いや、苦労話を過去の武勇伝ということで喜んで聞く人が少ないということか。
著者の人となりがわかり、手帳の使い方のイメージも膨らんだ。
直接関係はないが、国を興したという意味では明治維新の立役者たちを思い出した。
自分で切り開く感覚、たまらないだろうなぁ。
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アメリカの父ベンジャミンフランクリンの自伝、彼の考え方から「7つの習慣」は生まれた。
これだけ、多くの実績を残したフランクリンから学ぶべきことは大いにあるだろう。
(小谷)
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「人を動かす」にちらりと触れられていて面白そうだったので購入。
俺、小さい頃伝記大好きだったんだよね。
小学2〜3年くらいのときとか。
そういうことを思い出しながら楽しく読みました。
まじめにがんばると出世できました、というお話し。
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自伝だけど自己啓発本の一つに入る。
13徳という独自の徳を掲げることで日々を充実して生きたフランクリン。
読めば俺もやらなきゃ!!!って気持ちにしてくれます!!!
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意思の力で自分の人格を向上させ、貧しい出自から成功をつかんだ努力の軌跡。
けっこうメソッドは具体的。
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フランクリンの十三徳
1 節制
頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
2 沈黙
他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
3 規律
自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
4 決断
なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
5 節約
他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
6 勤勉
時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
7 誠実
だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
8 正義
不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
9 中庸
何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
10 清潔
身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
11 冷静
つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
12 純潔
性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
13 謙譲
イエスおよびソクラテスを見習うこと。
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科学者であるとともに出版業者、哲学者、経済学者、政治家、そして何よりもアメリカ資本主義の育ての親であったフランクリン(1706‐90)。その半生の記録
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久々にめぐり合った素敵な本でした。
ベンジャミンフランクリンと言えば、科学者、出版業者、哲学者、経済学者、政治家、アメリカ資本主義の父など多才であるゆえ、フレンチ、イタリー、スパニッシュを軽くマスターしてしまう人。
ここまでスゲーと何やらどこかの貴族とかお家がいい坊ちゃんだとか思ってしまうのだが、貧しく卑しい生まれであったとフランクリンはよく引き合いに出している。
そこで空っぽの頭で何で彼がこんなにすげーの?って考えてみた。
やぱチョー有名なフランクリンの十三徳でしょ。
1. 節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
2. 沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
3. 規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
4. 決断 なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
5. 節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
6. 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
7. 誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出ですこともまた然るべし。
8. 正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
9. 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
10. 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
11. 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
12. 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽(ふけ)りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
13. 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。
7つの習慣のコヴィー先生の言葉を借りるならば、ミッションステートメントって奴だね。
彼の最たるものは、毎日十三徳をチェックして日々の悪しき習慣を徹底的に排除し、良き行いを習慣にしてしまった点である。特に一定期間にどれか一つに注意を集中させ、その徳が習得できたら、また次の徳へといった具合でだ。
その徳たちは数百年たっても、彼の文章全体に宿り、たった一度の人生をどう生きるか、そのひとつの解を与えてくれる。文才というものがあるのも一役買ってはいるのだが、何より事細かに記されている彼の勤勉さ、節制、配慮の行き届いた人への接し方、彼の人となりが自己を振り返らせる機会となる。ここまで人は模範的に立派に生きられるだろうかとも思ったが、それこそ十三徳を追求していた結果なんだろう。勤勉さが彼を多才にし、節制が多くの富を生み出し、若い頃磨いた文才が彼を有利な立場に導き、決して争わない物腰柔らかい接し方が多くの友を連れてきた。
最初は何も持たざる者であった彼が、それなりの財産と素晴らしい名声を日々の努力で手に入れたという事実が僕を元気にさせてくれる本でした。
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アメリカ独立の中心的な存在であるベンジャミンフランクリンは、同時に電磁気学研究の第一人者でもあった。
彼は自らを律し管理することを重視し、その上で外部に目を向けていった。彼のような、自分を徹底的に厳しく支配しようとする生き方は見習わなくてはならない。
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人の扱い方と自己の人格を陶冶する方法を知りたければ、ベンジャミン・フランクリンの自叙伝を読めばよい。読みはじめると、夢中になることは請け合える。また、アメリカ文学の古典でもある。(D・カーネギー『人を動かす』創元社・文庫版178頁)