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みんなのレビュー117件

みんなの評価4.4

評価内訳

117 件中 1 件~ 15 件を表示

滅私奉公の献身合戦

2003/10/12 02:32

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大坪光男 - この投稿者のレビュー一覧を見る

文句なしの傑作です。

この小説は史実に基づくお話ですが、歴史として残されて
いるのは「誰が何をした」レベルの、単なる行動の記録のはず。
これを読みとって、外に現れた行動から人の心の動きを細かく
ここまで分析して洞察し、緻密に執念深く眼前に見えるように
再構成しています。

基本的には嫁と姑の対立をテーマにしているのですが、時代背景から
どうしても封建制度の中の主君と家臣の関係が二重写しになります。
主君にとってどちらがより有用な人間か争ううちに、滅私奉公の
献身合戦になってゆく展開を見ていると、高度成長期の猛烈社員の
姿も浮んで来ました。

どちらも自分自身の価値は、主君や上司や夫にいかに認めてもら
えるか、という物差ししか持てないところが似ています。
この時代、他の選択肢は選べないですから、もっと悲惨なお話に
なっても不思議ではないのです。

でも、この小説の読後感は爽やかです。
それは花岡青洲が純粋な理想家で、私利私欲のためでなく理想の実現の
ために努力を惜しまない人物だからでしょう。
花岡青洲という人物を題材に選んだところも素晴らしいです。

ともあれまだお読みでなければこの世界を一度経験してみることを
おすすめします。

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昭和の名作は令和に読んでも面白い

2024/01/19 07:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「広辞苑」は言葉の意味だけでなく、人名辞典としても使うことができる。
 有吉佐和子さんの名作『華岡青洲の妻』の主人公でもある「華岡青洲」について、
 「広辞苑」ではこう説明されている。
 「江戸後期の外科医。紀伊の人。古医方を学び、後に漢・蘭医方を折衷し、
 外科学の改善に功があった。麻酔剤を案出し、日本で初の麻酔手術に成功。」
 有吉さんの作品では、説明の後半箇所、「麻酔剤を案出」のために青洲の実験に協力した
 母親於継(おつぎ)と妻加恵(かえ)の壮絶なまでの葛藤を描いている。

 この作品は1966年に発表され、有吉さんはこの作品によって第6回女流文学賞を受賞。
 本もベストセラーとなり、映画だけでなくドラマや舞台でも毎年のように上演されていく。
 作品が発表されてから半世紀以上経った今読んでも、面白い。
 その気品と知性の豊かさで評判であった於継は、幼い加恵にとっても憧れだった。
 成人した加恵をある時於継自ら、息子雲平(のちの青洲)の嫁にもらえないかと訪ねてくる。
 憧れの於継とともに暮らせる、その喜びに加恵の心は打ち震える。
 ところが、雲平が修行先から戻ってくると、於継の態度は一変する。
 ここから、姑と嫁との壮絶な戦いが始まる。

 青洲の麻酔剤の実験に自ら名乗り出る姑、嫁も負けじと自分をもと訴える。
 そんな二人の戦いを静かに見ていたものもいる。青洲の妹である。
 結婚もせず年をとった彼女は死病に冒されながらも、最後に言い放つ。
 「嫁にも姑にもならないで、仕合せであった」と。

 姑と嫁の確執は今でも存在する。
 有吉さんの作品は、そのことを俗ではなく、文学として冷静に見つめている。
 まさに昭和の名作だろう。

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凄絶なまでの心理描写力。

2002/01/17 21:59

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:凛珠  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『華岡青洲の妻』は、言わずとしれた有名な本、「名作」である。とはいえ、読んで見なければ本当のところはわからない。今回読んでみて、まさしく「名作」であると思った。
 最初は姑の於継に憧憬の想いを抱いていた主人公・加恵。しかし、夫の青洲が留学から帰った途端、於継の加恵への態度は冷淡なものとなった。その時、加恵の中で於継への憧憬は、凄まじい憎悪へと変わった──ここの描写も、非常に自然である。加恵と於継だけでなく、二人の女と青洲を一歩引いて眺めていた、小姑の小陸も重要人物だ。
 真に恐ろしいのは、女か、男の方か──この作者の本は、本作以外は未読だが、是非、他の作品も読んでみたいものである。

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人の描き方に引き込まれた

2023/10/01 11:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろろろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

貧しい医家の美しく聡い於継に幼い頃から憧れ、於継に望まれて嫁ぎ、心満たされる日々。
夫が遊学から帰ってくるとそれは一変し徐々に憎しみの感情へ。
直接的な言葉も嫌がらせもない。むしろ相手を互いにいたわり合い、負の感情を腹に沈める。美しい和歌山ことばがかえって憎しみを一層際立たせるような。
姑の視点、嫁の視点によって、見え方は違ってくるので、何度読んでも発見がありそう。
文章が流麗で、言葉の選び方も素晴らしい。
いつまでも残る名作だと感じた。

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嫁姑の戦い

2003/08/05 15:55

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さら - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界で初めて麻酔手術を成功させた医師華岡青洲。
その母と妻の静かながら壮絶な戦いを描いている作品。
彼の成功・人生ではなく、陰で支えた二人の女性にスポットを当て
美談とされている自分を犠牲にしての人体実験のを別の角度から細やかに描いている。
夫が戻ってくるまでの三年間はまるで本当の母娘のように仲良くやっていたのに
夫の帰省と共に嫁姑のバランスは崩れてしまった。やはり母親にとって息子、それも一番最初の長男というのは、かくも可愛いものなのか? よく世間一般に言われる嫁姑の関係とは違い、お互いの賢さからか、相手を立てつつ自分を引きつつ二人にしかわからない針のような言葉を投げつづける。周りには実の母娘のようだと感心されつつ…。何とも壮絶で、今の時代に生きている自分にはとうてい耐えられない状況だと思いつつ、二人の女性の強さ逞しさを感じました。

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日本が世界に誇る外科医家族の物語

2017/10/27 08:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る

姑嫁の確執ということで知られているが、世界ではじめて全身麻酔による外科医手術を手がけた医者の物語であり、動物実験、人体実験の描写はおそろしい気がした。それにしても昔は早世する人が多かったと感じた。紀州弁ははじめて読んだが、今でも地元ではそのような話し方をするのだろうか。

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嫁と姑

2017/05/31 14:55

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る

花岡青洲の逸話自体は有名なので誰でも知っていると思います。
この作品の凄いところはやはり心理描写。
仲睦まじい嫁と姑の関係が変わっていくところがリアルで生々しいです。

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比類なきストーリーテリング

2016/12/12 12:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

昼夜もなく夢中で読んだ。それほど面白く、感動的な物語である。要は稀代の名医、華岡青洲の立志伝なのだが、青洲の母於継と、妻加恵との反目、俗にいう嫁姑の争いが主軸となっている。互いに相手を疎ましく思っても、それをおくびにも出さない二人の心の動き、毒を含んだ会話、視線。息が詰まるような神経戦が実に生き生きとユーモラスに描かれている。有吉佐和子の語りの妙、ストーリーテリングの卓抜さに唸らざるを得ない。

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美談…その裏の凄まじい戦い

2001/10/19 17:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 世界初の麻酔薬を開発した医師・華岡青州。その功績の影には自ら進んで実験台となった嫁・姑の美談があった。のだが、美談の裏では青洲を取り合い、嫁・姑の壮絶なバトルが展開されていた! 同じ女としては凄まじい! の一言では片付けられない、女同士の普遍的な戦いを鮮烈に描いている。

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すごいものを読んでしまった

2023/12/01 16:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

それほど厚みのある本ではありませんが、中身が異様に濃く、すごいものを読んでしまったという気持ちになりました。姑と嫁について華岡青洲の妹が語る言葉があまりにも真実をついているようで恐怖すら感じます。

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2004/11/12 23:33

投稿元:ブクログ

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2005/02/12 22:56

投稿元:ブクログ

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2005/10/20 03:34

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2005/08/01 14:55

投稿元:ブクログ

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2006/03/16 17:02

投稿元:ブクログ

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