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濃厚な血のにおいに満ちた惨劇の謎を解き明かしに、御手洗潔が馬を駆って現われる!
2020/09/30 22:24
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
撮影のために死海を訪れた映画スタッフたちの間で巻き起こるのは、この世のものとも思えない連続殺人。ある被害者は登る術無き撮影用セットの頂点で串刺しになり、また別の人物は吸血鬼の犠牲となったかのように心臓をえぐられていた。容疑者となった映画女優を救えるのは、世界に御手洗潔ただ一人!
御手洗シリーズ第七長編。
死海のほとりで起こった奇怪極まる連続殺人の謎を、御手洗が鮮やかに解きほぐします。
上海の人魚、生き血を美を保つための良薬と信じ多くの領民を殺害したエリザベート・バートリの物語など、脇の挿話も実に読み応えがあり、特にバートリの話はこれだけで長編一冊書いてもいいだろうと思うほど。
怪奇色濃い物語を、鮮やかに現実へ着地させる御手洗の名探偵振りも堂に入っています。
御手洗潔シリーズであることを忘れてしまうようなストーリー展開
2018/11/28 10:03
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美容のために処女の血を浴びたというルーマニアのエリザベート・バートリー伯爵夫人にまつわるエピソードや、彼女がその後吸血鬼となって生き延びたとするホラー小説のプロットの紹介(この小説の作者は殺害される)、吸血族と言われるサロメの映画(松崎レオナ主演)、そしてまるで吸血女が次々と獲物を求めるように行われる殺人事件という具合にホラー色満載で実に不気味な作品。
しかも『暗闇坂の人喰いの木』や『水晶のピラミッド』ですでにメインキャラクターとなっているハリウッド女優松崎レオナがドラッグ依存症ゆえに精神科にかかっており、彼女の自分の行動についての記憶が曖昧な中、まるで彼女が狂気のあまりに殺人鬼となって映画「サロメ」関係者を次々とハリウッドと撮影現場の死海で殺しているかのようなストーリー展開なので、動かしがたいかのように見える状況証拠がどうやってそこまで揃ったのか、あるいは本当に彼女が今は亡き父親のように殺人淫楽症となってしまったのか、「まさか」と思いながらページを繰る手が止められず、ついに徹夜して完読してしまいました。
「アトポス」はアトピー性皮膚炎の「アトピー」の語源で、連続嬰児誘拐殺人事件で何人もの目撃者が証言する「頭髪がなく、顔が赤く爛れた女性」の爛れの原因である病気(アメリカでは「ストレインジ」)を指しています。
殺人の動機は嫉妬と美容のため(皮膚病治療のため)で、エリザベート・バートリー伯爵夫人の執念に通ずるものがあり、常軌を逸した恐ろしさです。御手洗潔の登場は最後の方だけで、わずか数時間で瞬く間にレオナの無罪を証明します。
この作品は後半部になるまで、御手洗潔シリーズであることを忘れてしまうようなストーリー展開です。
レオナは現代のエリザベート・バートリ?
2002/05/13 22:43
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投稿者:カレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
御手洗シリーズとしては異色の、レオナがメインの長編。
エリザベート・バートリの物語と現代ハリウッドの嬰児誘拐事件がつながって、最終的に舞台は死海のほとりへと移る。
レオナの強烈な自負心とそれゆえの孤独にはいつも胸が痛むが、その悲劇性では、本書は暗闇坂の事件に対抗できる。ハリウッドでもトップの女優でありながら、人種的偏見や日本での事件から、まわりは彼女を悪意に満ちて扱う。
そんな中で御手洗の存在が唯一の確かなもの、信じられるものになるのは当然だろう。
しかしその御手洗に対する強すぎる思いゆえに、突然の彼の登場に化粧を直してみたり、女性関係を探ったりして本人にいやーな顔をされることになる。
石岡くんはまったく出ないし、御手洗も最後の1/5くらいしか出てこないしで、ファンには物足りないかもしれないが、それを忘れさせるくらいエキサイティングで読み応えがある。
御手洗がかっこよくレオナも魅力的!
2019/07/20 20:06
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
長かった。なんと980ページ!吸血女を描いた作中作が、すごく良かったです。また、死海の景色がすごくリアルで行ってみたくなる内容で、更に、中東の歴史、ユダヤ人迫害の歴史、エルサレムを巡る歴史がコンパクトですごく興味深く、長かっただけあっていろいろ楽しめました!御手洗の登場以降は一気読み。いつも以上に御手洗がかっこよく感じました。悪人役に仕立てられたレオナも魅力的で大満足のストーリーでした!
ぞくっ!
2016/01/18 17:42
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投稿者:ヴァン - この投稿者のレビュー一覧を見る
御手洗潔シリーズ作品の1つ。
ものすごく長いです。なかなか御手洗は出てきません。
ですが、続きが気になり一気に読んでしまいます。
御手洗の速攻推理もシリーズ随一でしょう。
モデルはかの有名なハンガリーの地の伯爵夫人。
それを聞いただけでもこの作品がホラーに重きを置いていることがおわかりでしょう。
そこに島田氏の文章力が加わると・・・。
夜には読まない方がいいかもです。
ホラーから始まるのにホラーとは全く違うミステリーな結末
2001/09/08 21:04
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投稿者:藍桐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
知る人ぞ知る奇人探偵御手洗の活躍を楽しみに、とてつもなく分厚く、手首のコリを恐れなくてはならないこの本に挑んだ私。ところが、読めども読めども御手洗の姿はなし。それでもすらすらと読まされてしまうのは、物語の面白さと展開の速さのせい。そして何より、シリーズ前作でも登場していた魅力的なキャラクター、レオナが物語りをずっと引っ張っていくところもみどころ。
と、とにかく私が待っていた御手洗が出てこなくても吸血鬼の物語や映画撮影中に次々に起こる怪事件に引き込まれていくのです。
そしてとうとう御手洗の登場。
今まで読み進めてきた自分の頭の中でぐるぐると回り続け、謎という謎が一向に解決しなかったその全てがこの御手洗の登場で一気に解決。その手際のよさと謎解きの軽快さは、ここまで読んできてよかったと思わせる心地よさです。
物語中にちりばめられた人種差別問題や病人への差別問題など考えさせられることも多く、本当に楽しめる一冊でした。
松崎レオナを取り巻く謎
2016/08/17 14:59
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投稿者:りこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりの大長編、上下巻にしていただいた方が有難いくらい。
お話は松崎レオナの周りで起こっていきます。
解決編まではなんだかホラーのような雰囲気のお話です。
颯爽と現れた御手洗さんがサクサク解決します。
ネタばれになるので書きませんが、物語の核心部分にそんな事あるんだ!とビックリしました。
知ってるようで知らない事って色々あるんですね…