心身ともに痛い小説
2015/10/30 00:15
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投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛故に狂気の沙汰に走らせた甥の行動は恐怖だけど、読後は重暗い小説を読みきった満足感がある。直己が篤を詰る言葉が胸に刺さった。篤の親友は本当は篤のことが親友以上の感情で好きなんだろうと勝手に決めつけて読み進めたら、楽しかった。
好き同士でも幸せになれない
2016/10/03 15:32
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投稿者:tix - この投稿者のレビュー一覧を見る
「HOME」も痛い、とは風の噂で聞いてはいたけど
予想を裏切る痛さの種類でした。。
(片思いの妄執系だと思ってた)
好き同士なのに、
ちょっとした掛け違いで幸せになれない。
感情表現が不器用だから、意地っ張りだから、臆病だから…
こんな、誰にでも多少は身に覚えがあるような性格のせいで
不幸に転がり落ちていく二人の話です。
攻めの直己は、引き取られる前から受けの篤のことが好きだったのに
(子供なので、恋愛的な意味じゃなく)
篤が直己自身には関心を持ってないことを
子供特有の鋭さで嗅ぎとってしまう。
でも、篤が全てで、ずっと好き…。
けれど、自分を見ようともしない相手に、
気持ちを伝えられる訳もなく、
意地を張って恋情を拗らせ、篤には全く気持ちが伝わってない。。
一方篤は、人付き合いが下手で、
なかなか良さをわかってもらえないタイプ。
自分と違って人好きのする双子の弟にずっとコンプレックスを抱いてる。
そして、そんな自分を理解してくれた、と初めて好きになった男・伊沢も
気持ちを伝えられないでいる内に弟の恋人になり、
身を切るような苦しい片思いを続けていたら、
好きな男&弟は、揃って事故死。
伊沢の甥の直己を引き取って、直己の中に伊沢の面影を探しながらも叶えられず
死んだ男を想い続けること10年弱。。
こんな不器用な二人がどうなるのか、ぜひ読んでみてほしい作品です。
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投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
何と言っても、直己の、異常とも言える愛情に、思わず、ページをめくるのを、やめられません。
ものすごく、偏った愛情なのかもしれませんが、それだけに、印象に残る作品でした。
また、篤が、伊沢に失恋した経緯は、涙を誘います。
安定の木原作品でした…
2016/05/25 00:44
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投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙だけはほのぼのしてるのに…!
ここまでぼたんがずれていってラストまでって話ないよ。
自分の好きだった男の甥を育てるのはいいし、そのあと恋に落ちるのもいいけど、それはないよってラストでした。
心が痛いです…(´;ω;`)ウッ…
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すきなんだけどすきなんだけどコレは欝い
悲恋というよりはひねくれたしあわせだったと思います
よみおわったあとだいぶ気分おちました笑
だがしかし、きらいというかむしろすきだと感じてしまうのが木原クオリティ
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痛い系と聞いてワクワクしながら読みましたが、痛さは感じず、でも、一貫して襲ってくる重苦しさがすごくて、それが面白さになって引き込まれました。アイデンティティを見出すことが出来ない二人にとってのお互いは、絶対唯一の存在。狂気じみた執着心を孕みながらも、双方が自己中であり、自己卑下にまみれ、差し伸べるべき手を出さないもどかしさ。HOME2のエンドは究極だけれど、これが二人の未来への「きっかけ」になってる気がします。書き下ろしを読めばなおさら、これがこの二人にとってのハピエンであると思えるので読後感もよかった。
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萌えない方の木原さんでした
萌えませんが、面白いです
あとそんなに痛くはないと思います
この新装版で初めて読んだのですが、旧版では書下ろしが無かったということで…
そう考えるとHOME2までで終わってたわけですよね
うわあー…すごい……
でも、やっぱり木原さんのこういう作品は、自分にとっては価値があるものなので(他では読めないし)、読んで良かったなーと思いました
きっと、この作品は何度も読むと、毎回違った見方ができるお話なんじゃないかなと思います
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木原音瀬らしい作品。
自意識過剰同士の自己満足な愛情表現、というかんじか。
とりあえずハッピーエンドで終わると仮定して読み進めていくと、あと少ししかページないけど大丈夫かと不安になってくる。
書き下ろしの後日談でちょっとは幸せになったのねと安心はできるけど。
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相変わらず木原さんの小説は暗い。
大好き、とは言えないけど、続きが気になってどんどん読み進めちゃう感じかな?
新装版が出て、買うつもりなかったけど、続きが入ってるとのことで購入。
最後に救われた!って感じがした。
たぶん救われてはないんだろうけど、番外編を読むことでこっちの気持ちが救われました。
木原さんの中でも1・2を争うぐらい暗い話です。
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評価★4に近い3…です。
とにかく痛い。
はっきりしない人が寄って、はっきりしないままずるずるとして
挙句こういう結末を迎えてしまうことに痛さを感じてます。
ハッピーエンド、なのかな。
二人にとってはそうなんだろうけど
傍目には痛い人同士なので、微笑ましく思えない。
物語に入り込んでいるうちは二人の切なさにどっぷりなので
痛さも気にならないが
ふと我に返って二人のあり方、性格、やってしまったことを考えると
痛すぎる人たちとしか思えず…。
それを『ハッピー』な終わり方と考えるにはどうなのかと思ったわけで。
二人が結ばれるか否かという単純な目線ではハッピーなのかもしれない。
お互いに『愛されたがり』さんがようやく手にした『愛』なのだから。
でも~…同時収録のOTHERにあったように『気持ち悪い』と言われたらそれまで、だと思う。
『気持ち悪い』くらいの『固執っぷり』に前に読んだ時も引いた覚えがあるので、その部分に少し共感したのでした。
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歪んだ愛の物語。
あえて一言で表現してみましたが、一言でこの作品を語ることはできません。そう思うほどとても怖かったです。
旧版を持っているため買うかどうか迷いましたが、書き下ろしが収録されていると聞いて購入しました。細かい所に修正が入っていて、お陰で作品と作品を眺めて受け入れる読者との時間の差が薄れてきて、いつ読んだって違和感のない仕上がりになっています。
木原先生の作品の中でもダントツ登場人物全員が痛々しくて、とても辛い状況に置かれている作品ではないかと思います。何度読んでも辛い。ただただ辛いです。どうして好き同士なのにお互い傷つけ傷つかねばならないか、これって本当に愛なのか、二人の思いが結ばれたとしてもこの先ずっと無邪気に笑い合うことはもうできないのではないか、そんなことをずっと考えていました。それほど辛かったです、二人の愛が。そして人間の自己中心性、エゴイストというものはどれだけ恐ろしいものなのかを思い知りました。
読む側としてはとても切なくて辛かったですが、それは二人の歪んだ愛から生まれた幸せの形でしょう、きっと。
耽美小説を読みながらこれだけゾッとしたのは久々でした。いかにも木原先生らくて、とても素晴らしい作品です。
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木原さんの作品でメイン人物が早々にくっつくと、この先どんな悲惨な別れ方をするんだろう…と不安になる。今回も途中で鬱々としすぎて読んでてハラハラしました。
萌えるかと聞かれたら萌えないけど、BLどうこうより愛の形は見たような気がする。
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もがいてもがいて(と言うか探りあい?)最終的に落ち着いたカップル。
愛情表現が二人とも下手が故に進展しない歯がゆさに、上手く進んできたと思ったら悲惨な事故を起こし、逆戻りどころかドン底へって言う木原さんのテンプレートがまたいいですね!
篤さんの努力が全く伝わらなくて、読んでるこっちまで血の気が引いていきます。
最後の大学でのお話で、どんな形の愛情であろうとも仕事して生活維持している姿で終ると安心します。ほっ。
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成長し続ける人間、
ばかりではない。
そんなあとがきが響いた。
登場人物には
清々しさを求めるな、
と気づいた。
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小説は「満ち足りてない」ところから始まるものだと思うが、木原作品には「満ち足りない状況」だけでなく「満ち足りてない人物」が加わり、過度な飢餓状態から始まる作品が多い気がする。故に、独特の満ち足りた状態でエンドマークが出る。それは概ね、最初の満ち足り無さからは前進して見えるハッピーエンドと言うか。手放しで大円団にはならないが、描かれる人々に
とっては間違いなくハッピーエンドである、と言う様な。もしくは、読み手はハッピーエンドと言う一つの終結と捉えるが、作中の人物たちにとっては少しだけ前に進んだ、くらいの、そう言う些細さ。
フィクションの醍醐味は底辺から頂点へ上り詰めた時かなりのカタルシスを得られる、と言うもんだと思うが木原作品のフィクションの世界の醍醐味は、劇的な状況を見た目にも楽しむのではなくて、あくまでも登場人物の内面の変化、それがその人間にとってそれこそ世界が変わって見えるような、そう言う内面世界から外側へほんのちょっと発露する、その些細さだと思う。
目が覚めた途端に世界の色が変わって見える、と言うような「娯楽」ではなくて、一人の人間が感じる幸福とか不幸とかを読み解く作業が出来る娯楽だと思う。
表面的には善意の行動に見えて、本人の本音の部分は私利私欲に固まっており、それが後ろめたさになりつつも開き直れるほど厚かましくない性質の人物描写が…凄いな、っていつも思う。いい意味で「曖昧さ」を文章にしてしまう作家さんだ。嫌な事を考えていたくないからアルコールに逃げる、と言う気持ちは分かるが、嫌な事を忘れさせてくる手段がアルコールしかなかった篤が…どこまでも孤独な人間なんだ…と、やっぱ木原さんは「怖いとこ」まで書く人だなぁ、と再確認。