明治天皇と伊藤博文が一緒にカレーを食べていた
2023/09/14 16:48
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の国民食 カレーについての書物である。学問的に厳密に書かれたものではなく、随筆 エッセイ的な書きぶりであるので、やや歯ごたえにはかけるがその分大変に読みやすい。興味深いトピックスが満載で明治天皇と伊藤博文が一緒にカレーを食べていたなど想像しただけで笑ってしまうようなシーンである。
明治維新で発展を止めてしまった伝統的和食料理 という節もなかなかに示唆的象徴的であった。
日本のカレーライスはどのようにして、我が国の国民食にまでなったのか?
2020/03/22 10:09
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本のカレーライスについて書かれた食文化の分野で驚きを与えた一冊です。もともと「カレー」というのは、インドなどを中心とした南アジアの国々のスパイス料理だったものが、今や独自の進化を遂げ、日本の国民食ともなっています。日本人はなぜ、これほどまでにカレーが好きなのだろうか?どのようにして日本のカレーは発展したきたのだろうか?といったことを明治維新以来の西洋料理の歴史を一つひとつ丹念に解き明かし、その疑問に解答を与えてくれる料理史の名著とも言うべき作品です。内容構成も、「辛くないカレーと黄色くないカレー」、「インドでカレーを考えた」、「カレー粉誕生」、「日本カレー繁盛物語」、「日本人はなぜカレーが好きなのか」、「その後のカレー考」と、どれも読者の興味を引くテーマです。
一皿のカレーライスに地球が見える
2018/05/31 19:18
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
森枝卓士『カレーライスと日本人』は、講談社学術文庫。
学術文庫というだけあって、まじめな本なのですが、インド人に「印度カレー」というインスタントルゥのカレーを食べさせて反応を見たり、イギリスまでカレーの文献を調べに行ったりと、そのこだわりはハンパじゃありません。
そう、これはグルメ本ではなく、カレーを通した文化人類学の本なのです。
これによると、カレーはインドのスパイスがイギリスのバターと出合って工場で加工され、日本に入って米飯と出合ってカレーライスができた、ということらしいです。
日本のカレーにはさらにアメリカ大陸のジャガイモも入っていて、とてもグローバルな日本食になっています。
一皿のカレーライスに地球が見える?
あ、そういえばきのうは、カキフライカレーを食べました。
カレーライスとはいったい?
2015/10/23 21:59
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投稿者:やまだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界のカレーから日本に入り定着した歴史などを書いた本でした。カレーの歴史を中心に多くの写真を載せたカレーを食べたくなる本でした。
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カレーライスは、インドでも、ヨーロッパでも見ない、日本独特の料理である。その起源がいつ、どこにあるのかについての本。よくこんなことを調べるものだと感心すると同時に、そんな奥深いカレーをいろいろと食べたくなる一冊。
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カレーをネタににして、日本の食の近代化、肉食の受容を検証した内容と思われる。
ちょうど、岩波から出ている辛島昇さんの『インド・カレー紀行』がインドにおけるカレー文化の発達と展開であったのと対になる内容であると思われる。
明治に入り肉食を受け入れた時、その肉をいかにして食うかという問題に当たったときに、香辛料により肉の臭さを消したカレーという存在は重宝されていく。また、舶来の食い物であるという点も受け入れられた一因となっていく。
また、最後に記された、イギリスが食の平等化を果たしていく過程でいったん受け入れたカレー文化を、家庭から排除していくという点は、社会の近代化と同時に移民社会の多様化という点で、なるほどと思わされた。
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それにしてもインド料理のスパイスは多種多様だ(p46-56).我々が日本で普通に食べているカレーはインド原産ーイギリス経由ー日本での改良品だ.アジア諸国の多彩な食べ物が日本に入ってきても,それをうまくアレンジして賞味する技は素晴らしいと感じた.日本料理の特殊性として,プロによる高級料理と家庭料理が大きく異なってきたことを指摘しているが(p181),納得いく話だと思う.
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カレーライスがいかにして日本の国民食の立場になっていったか、その歴史を、イギリスまで行って確かめた人の本。
他にもカレーのこといろいろ書いているようだけど、特に食指が動かない。
そんな感じの文章と内容でした。
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ラーメンと並ぶ国民食、カレーライス。インド発のこの食べ物は如何にして日本に入り定着しジャパナイズされてきたか。インド、イギリス、日本の歴史を紐解く取材で明らかにする。1989年に刊行された原書に加筆された現代版のため今では広まった知識ではあるが、カレー愛に満ちた取材を辿るのはなんとも楽しい。あとがきによれば著者は漫画華麗なる食卓の監修もしていたとか。なるほど。
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日本にカレーが伝来するまでと、伝来してからいまのルーカレーのようなカレーが一般的になるまで。
最初に日本国内で文字で紹介されたのがカエルカレーだったというのがかなりの衝撃だった…。いまの一般的なカレーになったきっかけが軍のレシピ本というのは知っていたのだけれども。
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カレーのルーツを知りたかったので、面白く読めた。
ルーを使ったベーシックなカレーを無性に食べたくなる本。
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「もはや日本食」といって誰もが納得するであろう、インド発祥、イギリス経由で入ってきて、それから日本化したカレーライスについての、インドでのその様を探っていく段階から、歴史や変遷をたどっていく、非常に面白い本。食いしん坊でカレー好き、さらに読書も好きな人ならば、小躍りしてしまうこと請け合いの良書でした。さまざまな興味深いトピックに溢れてます。たとえば、明治五年のことですが、天皇が肉を食べた、と宮内省(当時)が発表したそうなんですが、それまでは日本人って、肉食が禁忌だったとのこと。それでも山村部などでは今でいうジビエ肉が食べていただろうと思われ、さらにいえば、表ざたになってないまでも、庶民の間でたまに食べられていたりもしただろうし、どこかの藩で将軍に献上している記録もあるようでした。タブーであって、全面禁止ではなかった。また、鳥肉は食べていたようです。さらに、ウサギを一羽二羽…と数えるのは、獣としてカウントするとタブーにひかっかるからだそう。そうやって心理面で操作して食べていたんですね。で、明治の文明開化による洋食誕生、つまり、西洋の調理法が日本に入ってきて、日本化されていく過程で同時に日本の食文化も変わってくるんですけども、肉食の解禁によって牛鍋が流行った。ステーキくらいの牛肉を味噌だとか醤油だとか砂糖だとかと鍋で煮たみたいです。夏目漱石の小説を読んでいても「牛鍋」なんてものが出てきますから、牛丼の具のようなものかなあと想像していたのですがちょっと違っていますね。で、それが文明開化の象徴だったのかもしれない。そんななか、カレーがイギリス経由で伝来する。イギリスでカレー粉が発明されていたので輸入して、手軽に作れたんでしょう。現存している最初の頃のレシピでは、カエルカレーがあります。ほか、玉子カレーだの牡蠣カレーだの、さまざまな食材でチャレンジしているのところに、明治の人たちの楽しんでいるさまが感じられる。明治の後期になると、もうその段階で、乾燥カレーなるものも商品化されている。お湯を注いで混ぜればカレーになったそうで、今でいうフリーズドライ製品的なものだったのかもしれませんね。とまあ、そんな感じで、著者の視野は広く、昭和にいたって、いわゆる原風景としてのじゃがいもと人参と玉ねぎと豚肉のカレー、それも、肉はちょっぴりだけど…というものに辿り着いていく。
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日本人にとってもっとも身近な食事であるカレーライスの歴史をめぐる研究の記録。調べるほどに謎が深まる展開はまさに研究。オススメ!
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カレーを通じて外国との交流の歴史、日本人の社会の変化がわかるとてもユニークな本。読んだのは学生時代、25年以上前になるが、いまだに読んだときの充足感は忘れられない。
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カレーライスを歌ったのはエンケンだったか。エンケンの歌と存在は、強烈に心に刻印されていますが、この本は、なんかあまり印象に残らなかったです。【2023年4月20日読了】