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全てを諦めても、貫きたいものがあるか
2017/01/13 00:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:y-okj - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この国に守る価値はあるか?」著者は、死地をくぐり抜けて得た死生観、国家観を元に、読者に厳しく問いかける。
著者は元海自特殊部隊員。ある日突然出撃が命じられるかもしれない特殊部隊に身を置き、”公への奉仕”のために粉骨砕身してきたが、退官後、”撃てて、潜れて、平和ボケしない”ミンダナオ島で鍛錬に励み、そこで「この国に守る価値はあるか?自分はこの国の何を守りたいのか?」を考え抜く。
数々の死地をくぐり抜け日本を守ってきた著者の言葉は、この国の国防、治安に従事する人々の実像を映し出していて、とても重い。この本に書かれていることは左右の対立を超えて、世界の中での日本の在り方、安全保障問題を考える上で重大な示唆を与えてくれる。
安保だけでなく、著者自身の経験で培った思考法、人生論はストイックで、自分の生きる目的を見つけるヒントになるかもしれない。
国防について今だからこそ読むべき本
2016/11/20 00:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
1993年日本海で北朝鮮の不審船と自衛隊イージス艦「みょうこう」とが遭遇した時、艦橋に航海長として任務に就いていた著者が自衛隊や、軍事行動の本質について述べる本。タイトルからはちょっと過激な思想の本かという印象を受けますが、それはいい意味で完全に裏切られます。
自衛隊は軍隊ではないとか、スーダンは戦地ではないとか、建前論に終始する政治家の言葉とは異なり、自衛隊や軍事行動の本質を単刀直入に切り込みます。著者が自衛隊は戦闘行動を目的とした組織である事を認めた上で述べる次の一文は建前論ではなく、すっと腑に落ちました。「軍事行動とはあらゆる解決策を模索し、懸命に和解を企図したにも関わらず、万策尽きてなお、国家としてどうしても譲れないと判断した事柄についてのみ発動されるもの。どんなに美しい言葉で飾ったところで、国家がその権力を発動し国民たる自衛官に殺害を命じ、同時に殺害されることをも許容させる行為。ゆえに権力発動の理由が『他国とのおつきあい』や『〇〇大統領に言われたから』などというものであってはならず、日本の国家理念に基づくものでなければならない」
部下の隊員の命を預かる幹部自衛官の心得を垣間見ることができる本でした。
冒頭に触れた北朝鮮不審船事件の際の艦橋内における緊迫のやり取りを収録した本書前半部も読み応え十分です。
この国に命じられて従う価値を有しているのか
2016/10/17 22:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は特別警備隊の初代先任小隊長。犠牲を生じる命令を発することができるが、その命令が従うだけの価値を有しているのか、根本は国とは何かということを問いかけている。
国防という滅私奉公が、いかなるものか。
2016/10/10 18:36
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:留年天使ダブリエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は非常に面白く、文章も映像喚起させるような文体で、そんなに速読ができない私でも凄まじい速度で読むことができた。
この本は、日本における特殊戦がいかなるものかを記した第一級の資料ではないだろうか。恥ずかしいことに、私はこの本を読むまで能登半島沖不審船事件について、名前を漠然としか知らなかった。そして、読後に顔面から血の気が引いた。私は今もあの不審船の中に、私と何ら変わらない日本国民が乗っていたのではないかと思うと、毛穴が広がる。
そういった経緯から、海上自衛隊で特殊部隊が創設されるのだが……。
この国に、国のために死ぬ価値はあるか
2016/10/31 22:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
元自衛隊員の書物は数あれど大抵のものが現場をろくに知らなかったりして得るものが少ない
本書は尉から入る道を捨てて自衛隊に入った人の話である。
国防に関するのでどうしても根本部分は詳細に書けないにしろ、よくぞこれほど書いてくれたものだと感じた
さて、今の日本は国のために死ぬ価値があるだろうか?
確かに・・
2016/10/24 17:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:秋田讃歌 - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かに、誰が「国家としての主権を守る!」を考えているのか?
政治家? 国民?
確かに頭が下がるが思い違いも
2016/08/04 11:19
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:そよ風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は海上自衛隊特殊部隊の出身者である。
その実体験は昨今の日本ではなかなか無いことだと思う。
確かに国防という命懸けの任務の遂行には頭が下がるが、少し、残念に思われる事がある。
著者は幸い本当の戦闘には参加していない。
この本の中で、手本とも言うべきアメリカ海軍特殊部隊シールズを見下しているが、それは誤りである。
日本人唯一の米陸軍特殊部隊グリーンベレー軍曹の三島瑞穂氏は、ベトナムのジャングルでベトコンと戦い抜いてきたプロ中のプロだった。
その、三島軍曹はめったに他の部隊は誉めなかったが、シールズに関しては、そのティームワーク、化け物の様な体力、テクニックなどを誉めていた。
軍曹が私に昔語ったことがある。
日本人は勘違いしてるが、ハリウッドの作った特殊部隊を信じている。
あれは嘘だ。
シールズもグリーンベレーも例え自衛隊と言えども本当のところは見せないんだ。
こいつらアホか?と思わせるんだよ。
簡単にそれが演技なんてばれないほどにな、と。
流石、ベトナムでアンダーカバーとして動いていた軍曹の言葉には重みがあった。
著者はシールズなんてこんなもん、と切り捨てているが、逆にそれはシールズのセリフだろう。
まだ創設して間もない海上自衛隊特殊部隊
著者もあとがきに書いているように、情けないことに辞めたいと言う人間をリンチで殺してしまうというどうにもならない不祥事を引き起こす始末
シールズはその選抜は世界一厳しいと言われる、が、自由にリタイヤできる。
その時教官はこう声をかけるのだ。
君はここまでこられた人間。
この先どこへ行っても通用する。
頑張れ!
著者はシールズが拒否したからシールズへ訓練に行かなくてかえって良かったと書いているか、この思い上がりが、後輩たちのリンチ殺人を引き起こす土壌となったとは考えないのか?
三島軍曹は常に自衛隊特殊部隊の将来を案じていた。
が、軍曹が亡くなったのはリンチ殺人事件の一年前だった。
これはせめてもの救いだっと思う。もし、軍曹が生きていたらどれほど怒り悲しんだことか。
悲しいが、軍曹の生前の自衛隊に対する心配を記する。
軍曹が発行していた三島リポートの読者で、購読料を払わないのは自衛隊員に多いんだ、残念だよと、悲しい表情をされたことが何回もあった。
日々国民の為に汗を流す自衛隊員の方々には心から御礼と尊敬の念を申し上げるが、イジメやリンチはあってなならない。
そして、俺達は特別だぞ!という慢心が悲劇を生むという三島軍曹の言葉を忘れないで戴きたい。
三島軍曹は海上保安庁の特殊部隊SSTを本当に良い部隊だと話されていたことも記しておきます。
くしくも、SSTはシールズが育てた特殊部隊である。
国防について今だからこそ読むべき本
2025/04/21 17:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
1993年日本海で北朝鮮の不審船と自衛隊イージス艦「みょうこう」とが遭遇した時、艦橋に航海長として任務に就いていた著者が自衛隊や、軍事行動の本質について述べる本。タイトルからはちょっと過激な思想の本かという印象を受けますが、それはいい意味で完全に裏切られます。
自衛隊は軍隊ではないとか、スーダンは戦地ではないとか、建前論に終始する政治家の言葉とは異なり、自衛隊や軍事行動の本質を単刀直入に切り込みます。著者が自衛隊は戦闘行動を目的とした組織である事を認めた上で述べる次の一文は建前論ではなく、すっと腑に落ちました。「軍事行動とはあらゆる解決策を模索し、懸命に和解を企図したにも関わらず、万策尽きてなお、国家としてどうしても譲れないと判断した事柄についてのみ発動されるもの。どんなに美しい言葉で飾ったところで、国家がその権力を発動し国民たる自衛官に殺害を命じ、同時に殺害されることをも許容させる行為。ゆえに権力発動の理由が『他国とのおつきあい』や『〇〇大統領に言われたから』などというものであってはならず、日本の国家理念に基づくものでなければならない」
部下の隊員の命を預かる幹部自衛官の心得を垣間見ることができる本でした。
冒頭に触れた北朝鮮不審船事件の際の艦橋内における緊迫のやり取りを収録した本書前半部も読み応え十分です。