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イワン・イリッチの死 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー59件

みんなの評価4.2

評価内訳

59 件中 1 件~ 15 件を表示

MementoMori(死を忘れるな)を教える名著

2005/12/03 21:05

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 多くの哲学者からも「死を描いた優れた書」と評価されている、トルストイの短編。文庫の中でも薄い方に入る一冊です。一人の中年の男が不治の病に罹り、何を考え、死んでいったのかを描いただけ、と言えばそれだけ、の物語です。しかし、短編だからこそ、それだけ、を切り取り凝縮した形で読ませてくれます。同様のテーマを扱った文学は少ないないですが、ポイントに絞り込み、深く切り込んだ文章は、やはりさすが、と言うしかありません。
 本当に「自分の死」に直面して読む気力など無くなるまえに読んでおきたい本だと思います。若くで元気一杯の人が読んでも、忘れてしまう一冊なのかもしれませんが、そろそろ健康が気になりだした、ぐらいの年齢になったら読んでおいても損はないでしょう。
 お話は、何度でも何度でも、至るところでくり返している情景です。急に調子が悪くなり、治らない病気ではないかと主人公が不安を感じ出した時、「大丈夫」と励ますだけで主人公の不安には答えられない家族。自分自身も、仕事のあるうちは仕事をすることで不安な気持ちを紛らし、死を考えないようにしてしまう。そして彼の死が伝わったとき、職場の同僚たちはポストの移動について考え、妻はお金のことを考え、弔問に来た友人もその後のトランプ遊びの予定について考えているのです。いえ、おそらく死んでしまった主人公自身もこれまでは同じように行動し、「死」など考えずにいたのに違いありません。
 死の恐怖が身近になって、彼が周りの人に求めたものはなにか。彼が問い続けたのはなにか。最後に何を考えたのか。自分もいつかそう考えるのだろう、と思わせるリアルな心理描写です。
 重くて皮肉さも含まれるお話の中、「だれでも死ぬんだから親切にするだけ」と明るく看病する下男に少しだけ救われた思いをし、死の直前、泣いている息子をみて「彼らを苦しめないように」と考える主人公に、自分はそうなれるのだろうか、と自問してしまいました。
 必ず自分にも死が訪れることはわかっているつもりでも、それを考えない生活を続けていくのが現実です。そうでなければ生活などできない、と言えるかもしれません。それでも時々、こんな短編を読んだりして「死」を思い出してみることも必要かも。自分なりに「よく生き」たと思うために。

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死生観について考えさせられます。

2020/01/26 20:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

病気に苦しみ悶える・・そんな生活の中で、主人公と彼を取り巻く家族の様子がまざまざと描かれています。人は病気になって初めて自身の健康の有り難みを知ります。私も一ヶ月前に前庭神経炎で眩暈を患った時、つくづく平生に感謝する有り様でした。
 さて、小説の中身を見ますと、主人公の妻の態度(結婚後、子供が出来てからの時期)と、主人公が病に煩悶している時期の態度とが、見事に対比されてありました。興味深い構成でした。
 人は時と共に変わります。主人公も幼少期・青年期を経て結婚・家族としての生活と、目まぐるしく変化していきます。私自身、引いては今この時代の多くの人々も同様な歩みを経験しているのだなぁと感じました。

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世界の文豪トルストイの円熟期の作品

2009/08/25 21:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第1刷発行が1928年10月10日、この第70刷発行が2003年4月4日である。超ロングセラーである。まさしく古典と言えるものであろう。書かれたのは、1884〜6年。ロシアのというより世界の文豪トルストイの、円熟期の作品だそうです。
 時代はロシア帝政期の作者と同時代、主人公は平凡な小市民的判事。農奴が大部分の人口をしめる当時のロシアにあっては、そこそこの収入と財産がある中流階級と言えるのであろう。その凡人が、ちょっとした事故がもとで不治の病になり、死にいたる経過を書いている。
 社会的地位の向上と収入の増加を自己の幸福と信じてきた主人公が、自分の死に直面し、それまでの人生や生き方に疑問を持ちはじめ、苦悩し、死を受け入れる過程が、克明に描かれる。内容、描写ともに世界の文豪にふさわしい。官界における栄達と快適な私生活の充実を求める俗人を主人公にしながら、誰もが迎える死の問題の本質的を捉え表現している。最近の小説のように大事件が起きるわけでもないのだが、不治の病になり、だんだんと激しくなる肉体的苦痛と体の衰えと、営々苦心して築き上げてきた生活への執着と、死に直面しその生活の無意味さ無価値さに気づいていくまでの苦悩は、すべての人間に共通するものであるが故に、またその表現力故に、読むものの心に働きかけ訴えるものがある。非常に短い短編ではあるが、世界の文豪の一級の文芸作品である。

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まあ、ざまあみろと思わないでもないのだが

2021/04/22 22:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

イワン・イリッチの死因となった病名は本当は何だったんだろうか、医学からは遠くに居すぎている私には見当がつかないが、新居の飾りつけをしているときに梯子を踏み外してわき腹を強打したことが始まりだったことは確かのようだ。名作「アンナカレーニナ」が完結したのが1877年、この作品はその9年後の1886年に発表されている。主人公・イワン・イリッチの裁判所の判事を勤めて、上流階級とも付き合いがあり、カードも上手な人生の成功者が「自分は山へ登っているのだと思い込みながら、規則正しく坂を下っていたようなものだ。世間の目から見ると、自分は山を登っていた。ところが、ちょうどそれと同じ程度に、生命が自分の足元からのがれていたのだ」と悲しむ有様は胸を打つ、まあ、ざまあみろと思わないでもないのだが

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生に執着した男

2015/02/01 11:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『戦争と平和』には自分の体力も理解も及ばなかった私はこの『イワン・イリッチの死』を読んでようやくトルストイの凄さを実感しました。たった100ページほどなので退屈さを感じずにじっくり読めるのがありがたく、それでいて内容は秀逸。これほどまでに人は死に向かう人間の真相を克明に記すことが出来るのか、とまずトルストイの描写のうまさに舌を巻いてしまいました。
ひとつ難を言うとすれば訳が古いこと。(そのほうがかえって味があって楽しめる、という面もありますが。)ちょっと読者の教養に頼っているところがあるので読む前にロシア人の名前(父称、愛称)ぐらいは慣れておいた方が読みやすいと思います。

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イワン・イリッチの死

2003/01/15 17:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぺやんぐぅ - この投稿者のレビュー一覧を見る

イワン・イリッチは不治の病に侵されていた。彼は自分が死に行く事を知りながらも死を受け入れられずに、肉体的・精神的苦悶を抱えつづけていた。誰しもが迎える死。しかし、生きてるものは誰も知り得ることはできない。彼は最期に向かい何を考え、何におびえ、何を喜びとしたのか。
彼が死ぬまでの感情を細かく、リアルに描写されていてとても読みやすい。そして、最期まで読み終わったとき、イワン・イリッチの死というものが何か、という事が自然と解る。

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2007/11/25 18:14

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2008/07/24 14:12

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2008/11/15 10:13

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2009/06/01 05:17

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2009/10/26 18:42

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2010/06/03 17:08

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2010/11/01 12:31

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2010/11/22 00:16

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2010/12/11 18:46

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