経済学が社会全体の利益のためにできることは何か。どう役立てることができるのか。どう可能なのか。
2018/11/13 13:21
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、フランスのノーベル賞受賞者。そのためフランスとEUの事例が多い。経済学者と経済学について一般読書向けに書かれている。公共サービスと競争が両立しうる規制改革の研究は進んだが、興味深いのは、彼がそれを社会の「共通善」のためだと明言していることである。哲学者ではなく、経済学者から「共通善」という言葉を聞くことは珍しい。
経済学がよの中のためにできることは何か、を考えた書です!
2018/09/03 09:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、経済学が世の中にできることは何か、どのような利益をもたらすことができるのか、そして、それはどのようにすればよいのか、など経済学を社会に役立てる方法について丁寧に考察された良書です。また、同時に経済学者がなすべきことについても触れています。広範な内容をカバーし、現代世界が直面する課題に対して、真正面から解決策を考えていく画期的な書です。
解かり易く深い経済学書
2018/12/24 11:43
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
相互信頼、他人の目、インセンティブといった人間を社会的存在として検討を要する学問としての経済学、その経済学は、ゲーム理論や行動経済学等で様々な選択肢を提示することはできても、個人の意思決定は個々の知識や慣習等の要因により一様ではありえない。経済学は共通善の実現にどのように貢献できるのかと、経済学を道徳と哲学にかかわる学問として大きくは社会科学に属するという前提のもとに、自分はどんな社会に生まれたいのだろうという問いを考えるきっかけになる書。
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投稿者:凄まじき戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学とは何のためにあり、どのようなことができるのかなど、経済学の役割とあり方について語られていました。
経済学という者への認識を改める面でも役立ちましたが、どちらかというと経済学者が読んで実践していくことを考えるための本だと思います。
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強く興味を惹かれた1〜5章のみ読んだ。
ノーベル経済学賞を受賞した大家による、一般向けの大著。
経済学者の仕事に興味があり、そのテーマに関連の深いところだけを読んだが、経済学がどういう学問か、経済学者に何が求められているか、わかりやすく書かれていた。
「経済学者がどんなふうに仕事をしているか」について書かれた本はそう多くないと思うので、そういった点でも面白い本。
・経済学者に求められるのは政策提言。
・経済学は変貌しつつある。今後さらに進歩するためには、他の社会科学や人文科学との再統合を進める必要がある。
・我々が十分に賢くないが故に、経済学者は数学を用いる。
・経済学者にできるのは、現時点での知識でわかっていることを述べるだけで、ある選択肢が他よりマシだというのがせいぜい。
・学者は謙虚であることと決断することの難しいバランスを取らなければならない。
こうした内容が印象的だった。
全編通して読むと、著者の知の広さと深淵さをもっと感じるのだろうな、と思ったり。
【2020.3.1 追記】
金融に関する第11、12章も読んだ。
金融の役割や問題点、さらには複雑を極めつつあるバーゼル規制について、驚くほど分かりやすく書いてあり、勉強になった。
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経済学者として産業組織論や電力・通信・鉄道等のインフラ産業における規制政策論、ゲーム理論など広範な経済学に関する業績が認められて2014年度のノーベル経済学賞を受賞したジャン・ティロールが、日常生活において経済学とさほど関わりを持たない一般人向けに、経済学の意義を解説する一冊。タイトルが示す通り、本書は経済学という学問を「人々が良い社会を創出しようとする”共通善”の実現にどのように貢献できるか」という基本思想に基づき、様々な社会課題とそれに対する経済学の方法論がまとめられている。
驚くべきことに扱われるテーマは、ほぼ現在の経済学が取り扱う全ての領域といって良いほど広範であり、どのテーマから読み進めても、経済学という学問が明らかにしようとしている社会への課題認識とその解決の方向性にハッとさせられる。
・現代社会における経済学の意義
・経済学者の研究生活の実態と政策提言との良い関わり方
・市場主義経済の行き過ぎを是正するための国家の意味合いとそのバランスの取り方
・気候変動、失業、ギリシャ危機を踏まえた今後の欧州統合の在り方、金融政策等のマクロ経済的トピック
・競争政策、デジタル技術/プラットフォーマーがもたらす社会課題、イノベーション、インフラ産業における望ましい規制政策等のミクロ経済的トピック
個人的には、今年を締め括るにふさわしい一級の知的刺激を得られた一冊。500ページを超える大著であるが、経済学に縁のない人でも読めるような語り口であり、すらすらと読めてしまう。年末年始のお供にぜひお勧めできる一冊。
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【良き社会のための経済学】
普段アメリカ発の本読んでると、本全体からそこはかとなくマッチョな雰囲気伝わってきて、好きなんだけどちょっと分かり合えないような気持ちになる。意見そのものは別として。
国際的な経済学者としては稀有な?フランスで活躍するノーベル賞受賞者による著作。
フランスどうにかしないといけないわ感が節々から伝わってきて、日本と通じ合うところがあるんじゃないかと思いながら読めた。
幅広いテーマを取扱う内容だったから物足りないところもあったけど、俯瞰も良いかなと。産業政策特にインフラ整備に関する経済学の貢献については、興味持って読めた。
経済学ができることとは。
#読書 #経済学
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広範囲にわたる経済政策のトピックについて、経済学者はどう考えるのかを論じた対策で、読みごたえがある。フランス国内向けに書かれたのか、金融危機を除いてフランスの国内制度についての論考が大半だが、制度そのものというより、問題へのアプローチに主眼があるので、参考にはなる。ただ、一般向けの著作ということになっているが、この大部はちょっと厳しい気がする。すごくやる気のある学部生むけ?
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●デジタル経済
無人の自動運転車の前に小さなボールが転がってきたとしよう。このボール自体は、自動車にとっては何ら危険ではない。したがって、急ブレーキをかける理由は無い。何か人間が運転していたら、小さなボールのすぐ後から小さな子供が飛び出してくると予想して、急ブレーキをかけるだろう。