芸術作品を日本に残す
2024/07/30 20:04
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のために西洋の美術作品を買い集めた人がいたこと、そしてそのコレクションのために仕事をした人たちがいた。この人たちの心と行動力に感動した!さすが原田マハさんの作品は、おもしろい!西洋美術館に行きたい!
松方コレクションの秘密と守り抜いた人たち
2019/10/24 21:40
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通りです。史実を基にしたフィクションもすっかりドキュメンタリーで、ノンフィクションと思わせる。さすがマハさん!!色々言う人もいるかもしれませんが、「想い」は事実です!!当時の日本の背景も勉強になります。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
松方コレクションという存在は知っていましたが、そのことについての話に、ぐいぐい引きつけられて読み上げました。それほど昔の事ではないのだけど、今とは全く違った状況の中、作品を収集する事の難しさに感動しました。
この奇跡を多くの人に目撃して欲しい
2019/08/31 09:54
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日初めて国立西洋美術館に足を運んだ。どうやらモネが観られる様だという期待とル・コルビジェが設計した美術館をついに訪れたという想いしか持たずに。それ故、松方コレクションに触れた衝撃は大きかった。壮絶なドラマに心を打たれた。開館60年、ここにくるまでにどれだけの人々が尽力したのか。名作の数々…。今や世界で最も有名な絵画の一つである『アルルの寝室』もかつてその一部だったとは。帰宅後、奇跡のコレクションをマハさんが本にしていたと知った。この奇跡を多くの人に知ってもらいたい。そして目撃して欲しいと強く願っている。
私たちが名画を鑑賞できるのは
2019/07/11 17:31
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第161回直木賞候補作。(2019年)
巻末に「この物語は史実に基づくフィクション」とある。
登場人物の誰がフィクションなのか詳しくはわからないが、上野にある国立西洋美術館の礎を作った、いわゆる「松方コレクション」の生みの親松方幸次郎はそのままの名前で登場する。
主人公的な存在として描かれる美術研究者田代雄一だけは名前を変えられて描かれている。
そのモデルは美術史家の矢代幸雄と思われる。
モデル探しをしているのではない。
この長編小説に描かれた世界そのものを読者は堪能すればいいのだし、「松方コレクション」がどのような意図で生まれてき、戦火の中をどのように生き、戦後日本に戻った経緯を、スリリングな物語として読み切ればいい。
松方幸次郎が絵画を買い集めた理由を、「欧米に負けない美術館を日本に創り、そこにほんものの名画を展示して、日本の画家たち、ひいては青少年の教育に役立てたいと願ったから」と、この物語で記される。
もっとも松方はもともとそういう高尚な考えを持っていたわけではない。
松方の心をひきつけた絵画(タブロー)があったからだし、この作品の中でしばしば具体的な作者と作品名をあげてその前で心を揺さぶられる登場人物の姿を、原田マハさんは描いている。
絵画(タブロー)の前で敬虔な気持ちで立ち尽くす人たち。そんな人物を描かせれば原田さん以上の書き手は今はいないのではないだろうか。
アート小説として、この作品は今までになく重厚な構成で作品の奥深さを感じた。
単行本の表紙装画がいせひでこさんの作品だということを書き加えておく。
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【アートに魅せられ、不可能を可能にした男たち】日本の若者に本物を見せたい。その一心で絵画を買い漁った男がいた。国立西洋美術館の礎“松方コレクション”の奇跡を描く感動作。
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昭和初期の男はアツく、志が高い!
世知辛い時代ではあるが、せめて志だけは、高く持ちたいと改めて思う。
目覚めのビンタをいただいた感じ。
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やっぱり原田マハの美術作品は面白い!
その一言に尽きる。
国立西洋美術館にある「松方コレクション」を巡る史実に基づいたフィクション。
今ではル・コルビュジェの作品として、世界遺産にも登録されている国立西洋美術館だが、完成するまでの男たちのロマンが詰まっている1冊。
2度の戦争に翻弄されながらも、「日本に美術を」と力を注いだ松方や田代、そして吉田茂元首相。
いつでも見られると思い、未だに行ってない国立西洋美術館だが、この本を読んで行ったら、さぞかし心を打たれることだろう…
と思ったが、残念ながら来年まで休館中…
残念…
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原田マハさんの小説は読み終わった後の虚脱感が半端ない。。。(大体面白くて一気読みしちゃうので、息止めてて終わったら急に深呼吸した感じ!?笑)
次に読む本を選ぶのに困ってしまうくらい。
うーん。でも、欲を言えばエンディングはもうちょっと山が欲しかったかな。
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人と絵が出会う瞬間、その瞬間の描写、それこそが原田マハの真骨頂だと思う。
この一冊は今までのとはまた視点が違う。
かの松方コレクションを作り出し、日本に美術館をつくった男たちの物語。美しき愚か者たちによる、タブローを巡る物語。
松方コレクション展に行く前に、読むべき一冊だと思う。
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松方コレクションをめぐる物語。
小説というよりも、ドキュメンタリーのように進んでいった。
とても緻密な取材に基づいてることがわかる。絵の運命を、生きた人間の一生と比べても遜色ないほど生々しく描ていて面白かった。
松方本人は回想の中でしか出てこないが、美術館の実現にむけて動いていく熱意と、周りを動かす人柄が感じられる。
欲を言えば、田代が絵の奪還に向けて動く現在の時間軸にも大きなドラマが欲しかった。難航する交渉とか。日置との駆け引きとか。
過去に全ての物語のピークが詰まってしまっているのが少しだけ物足りなかったかな?
でもそれも含めても、とてもステキな小説でした。
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国立西洋美術館が、どのような経緯で建てられたのか。
松方コレクションが、どのようにして成立したのか。
芸術の持つ力の素晴らしさ、それに突き動かされた人々の思いが鮮やか。
それにしても、松方幸次郎、本当にこんな桁外れの人物がいたのか!
実業家としての成功が莫大な資金を作り、街角のポスターに感じた衝撃から西洋美術館を作ろうという夢につながり、コレクターとして海外で知られる存在となり…果てはスパイまで⁉︎
そして、彼に出会った事で人生が大きく変わったふたりの青年、美術史研究者・田代と、飛行機の操縦士・日置が、松方のコレクションを巡る物語を、華やかで純粋な表側と、戦時中の陰惨な裏側から語る。
原田マハさんの作品に期待するすべての要素がたっぷり。
モネとの出会いやパリの華やかさなど、松方と田代の活躍する時代は、それこそ田代の瞳の輝きのごとくキラキラと夢のように読み進められるが、むしろ後半の日置の厳しい経験、戦争の影が物語を重く、ずしりとした手応えにしていると感じた。
超高精度な映像や、精巧な複製や印刷技術の恩恵を受けている現代の私たちは、あの時代の人々のように本物を求めることも感動することも少なくなってしまったのかもしれないけれど…
やはり、美術館に、足を運ばなくてはね。
愛知県の芸術祭で起きた問題を、ナチスが『退廃芸術』として弾圧した事と、重ね合わせずにいられない。
アートを、表現の自由を、今の私たちは守れるか?
アートを理解する、成熟した国になっているだろうか…
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素晴らしかった。
美術のことはあまりよくわからないけど、絵は見るのがすきで、松方コレクションのことは知っていたけど、こんなに壮大なドラマがあったとは(フィクションだけど)。
飛行機ではなく、タブローを。戦争ではなく、平和を。今の時代に、松方幸次郎さんのように、世のため人のために、資本も気概も行動力も使える人ってどれくらいいるんだろう。
音楽もそうだけど、芸術って、生きるのに欠かせないわけじゃないけど、日々に彩りを添えてくれるようなものだよな、と。
読み終わった後にカバー内の装丁に気づいて泣きそうになった。
松方さんはじめ、コレクションを守り、また日本で見られるようにしてくれた方々に感謝。
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史実の松方コレクションと西洋美術館が出来るまでの奮闘記。
史実を追って行くところがある分テンポにかけて少しだけ中だるみする箇所が幾つかあるけど、
一体どう言う経路を経て西洋美術館建設まで至ったのか…それが何よりも気になって最後は一気読み。
戦争ではなく平和を、タブローを!
とても熱い熱いメッセージだと思った。
今何気なく見れている傑作と言われる絵も、誰かが命をかけて次の世代へと繋いでいった結果なのだな…そう思うととても胸が熱くなる。
読み終えたら絶対西洋美術館の常設展示を見に行きたくなること間違いなし!
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松方コレクションを見に行く前に、この小説を読んだ。日本に美術館を造るという松方幸次郎の夢が繰り返し繰り返し語られる。激動の時代とともにあったタブローとそれを守ろうとした男たちのお話。
そのおかげで今日コレクションのタブローに目見えてると思うと自然と胸が熱くなる。ゴッホの『アルルの寝室』と実際に相対した時には、素直に感動した。