「今や安全保障と通商は一対だ」(213頁)
2022/08/20 11:33
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
とりあえず大変面白く一読。「梶山」季之のエンタメ性と城山「三郎」の経済考察性がマッチして読ませた。個々のモデルは「あー、なるほど」と思いながら読みましたが、詮索はせず。そこはかとない竜頭蛇尾感と持ち上げ感はありますが、まずはwell-madeな経済小説(小説とは言えない部分も多々)でした。
「なるほど、統一と岸部はよく似ている。だからこそ統一は岸部が苦手なのだろう。・・・ 意見した者に激怒して飛ばすのが統一なら、耳を塞いで聞こえないふりをしつつ、周りに始末させるのが岸部といったところか」(110頁)。
「トヨトミの役員人事は、笠原が原案を作る。統一は「誰それを引き上げろ、はずせ」といった指示を出すことはなく、意に染まないところがあれば拒否権を発動する。となると、笠原は巧みに各役員への統一の評価を読み取り、原案に反映させるようになる。笠原はそうした忖度ができる人間である。その結果、今の役員は部下や秘書として統一に長年使えてきた人間や、豊臣家を支えてきた血筋の二世、三世ばかりになってしまった」(116頁)。
2023年以降のことを書いて、是非三部作に仕上げてほしいですね。
「どうしても気になる登場人物のモデルたち」を手元に置きながら読みたくなるのも心情。
2021/05/05 14:37
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『トヨトミの野望』@講談社(2016年)からの続編の位置づけ、続編が同じ出版社から発刊されず、@小学館から発行される(発行元が別になる)というのもこの小説のすごさなのではないかと思う。
2019年12月に発行されたいわゆる新刊で、昨今上司に「続編出版してるよ!」と紹介されて、大急ぎで読みました。この本独特の想像力を掻き立てる内容はいつもワクワクさせられるし、「どうしても気になる登場人物のモデルたち」を手元に置きながら読みたくなるのも心情。
未来日付もあるので、あくまで小説なのであるが、トヨトミにおける歴史上の事実やいくつかの記事とも照らし合わせて、またいくつかの検証作業も行ってみたい。
(勉強不足なことが多すぎるので)
伊賀における森製作所のモデルもあるとのことですが(伊賀の世界的企業MORIとは業種業態が違うのですが)、僕も名古屋から自動車関連に関わる伊賀の企業へご訪問したこともあり、伊賀への道のりの情景とかも
あり、ちょっぴりうれしくなりました。
自分が製造業の血筋を引いていて、大学・大学院は機械工学科で学んで、大人になってITの業界生きてきて、約20年たって地元に戻って、自分の昔の夢のようなものが文字化されていたことに驚いた。 また頑張ろうと思う。
P273
「私はもう一度、日本のものづくりの底力、産業の底力を世界に見せつけたいのです。AIにブロックチェーン、IT、つまりコンピュータサイエンスの先端技術ばかりが注目されますが、だからといってモノづくりの価値が失われるわけじゃない。しかし、どんな価値を提示するにしても、それには企業の枠を超えた団結が必要だと私は思うのです。」
「もう一度、日本の底力を、まだ日本には世界をリードするポテンシャルがあるということを証明しようではありませんか」
自動車王国のたそがれ
2020/04/20 10:32
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
同族経営の弊害や、日本企業の旧弊なシステムについて考えさせられます。新しい街づくりや地域活性化など、僅かな希望も見えてきました。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
同業界の人だと、わかる~と思える部分が多いんじゃないでしょうか。前作は文庫になっているので、あわせてどうぞ。
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前作「トヨトミの野望」では、最高権力である社長の椅子に就いた者の人間ドラマが書かれていたが、本作「トヨトミの逆襲」では、社長として社内をまとめようとする御曹司の統一と、社内政治で社内を牛耳ろうと画策するドロドロした人間関係が書かれている。
ラストはついに現実を抜き去っていったが、現実でもトヨタが静岡県内に実証都市「コネクティッド・シティ」を作り、自動運転等を含めた新しい街を作るという。
リアルトヨトミも面白いことになりそうですよ!
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ここ数年〜(希望的)未来予測を描いた内容。
業界関係者は噂話を面白がる延長線上で楽しく読めると思う。
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ドラマ化しようとすると、広告宣伝費削られちゃうのかしら?それとも企業PRとして捉えて頂けるのかしら?
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いやぁ、勉強になった。面白かった。
『トヨトミの野望』@講談社(2016年)からの続編の位置づけ、続編が同じ出版社から発刊されず、@小学館から発行される(発行元が別になる)というのもこの小説のすごさなのではないかと思う。
2019年12月に発行されたいわゆる新刊で、昨今上司に「続編出版してるよ!」と紹介されて、大急ぎで読みました。この本独特の想像力を掻き立てる内容はいつもワクワクさせられるし、「どうしても気になる登場人物のモデルたち」を手元に置きながら読みたくなるのも心情。
未来日付もあるので、あくまで小説なのであるが、トヨトミにおける歴史上の事実やいくつかの記事とも照らし合わせて、またいくつかの検証作業も行ってみたい。
(勉強不足なことが多すぎるので)
伊賀における森製作所のモデルもあるとのことですが(伊賀の世界的企業MORIとは業種業態が違うのですが)、僕も名古屋から自動車関連に関わる伊賀の企業へご訪問したこともあり、伊賀への道のりの情景とかも
あり、ちょっぴりうれしくなりました。
自分が製造業の血筋を引いていて、大学・大学院は機械工学科で学んで、大人になってITの業界生きてきて、約20年たって地元に戻って、自分の昔の夢のようなものが文字化されていたことに驚いた。 また頑張ろうと思う。
P273
「私はもう一度、日本のものづくりの底力、産業の底力を世界に見せつけたいのです。AIにブロックチェーン、IT、つまりコンピュータサイエンスの先端技術ばかりが注目されますが、だからといってモノづくりの価値が失われるわけじゃない。しかし、どんな価値を提示するにしても、それには企業の枠を超えた団結が必要だと私は思うのです。」
「もう一度、日本の底力を、まだ日本には世界をリードするポテンシャルがあるということを証明しようではありませんか」
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トヨトミの野望の続編。
今回は少し未来編がある。
今回もトヨタっぽい会社を描いている。今回の内容は、自動車業界はCASEへの対応で、存亡をかけたとても重要な局面、にも関わらずトヨタっぽい会社は役員人事が社長を忖度できるイタコ的な能力を持った人で固められていて、有能な人はどんどん左遷されていて組織的にはとても危機的な状況。にも関わらず何故か業績は好調なので、中々諸悪の根源的な人事が改善されないという状況。
なので、少しスッキリしないので、面白いけど星は4つ。
ソフトバンクの孫会長っぽい人も出てきて、その人は大変魅力的で、豊田章男っぽい人と結構比較される感じで書かれるので、豊田章男っぽい人は少し可愛そうである。ソフトバンクっぽい会社とトヨタっぽい会社との提携も解説されていて、そのあたりはなるほどお、と思ったりして、業界を知るという点では引き続き大変おもしろい。
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序盤から中盤にかけてトヨトミをこきおろし、終盤にかけて持ち上げる。
この本に書いてあることが本当に現実に近いのならば、まだトヨタには勝機はあるのではないか。そう感じざるを得ない。
近くにいるからこそ余計に親近感を覚え、感情移入してしまう作品。
是非とも豊田章男社長に読んでほしい。そしてこの本に書いてある未来を実現して欲しい。
日本の技術力はまだ世界に通用する!
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面白い!
自動車産業の未来と、取り組むべき課題 AI化 CASE
TOYOTA 豊田章男社長 オーナー家のプラスとマイナス
経営は頭から腐る お気に入りの人事
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うーんとても面白い。
自動車業界で働く自分にとっては、殆どの当て字が実名に置き換わり、本当の話ではないのかと錯覚してしまうほど。最後はいい話でまとまっているが、途中はトヨタ内部の酷さを皮肉っている様にしか見えなかった。
この本の著者は干されたりしないのだろうか、非常に心配である。
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未来予想図。ドラマチックな幕切れは極めてスリリング。1970年の万博よろしく、まだまだハードルは多あが、次世代の「自動車」のあり方のひとつの可能性が示されるのは興味深い。
ただし、エンディングは感心しない。日本製造業の復権と、「無能なジュニア」の性根を叩き直してやることで、一般サラリーマンの溜飲を下げせしめるのは、御紋入りの印籠的なお約束路線かと。
「#トヨトミの逆襲」小学館、梶山三郎著
Day64
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実に面白い。
巨大自動車メーカーとの関係で「覆面作家」としたのかもしれないけどもったいない。
さらに2022年までの近未来。テクノロジー好きな自分としてはたまらない。
CASE、つまりコネクテッド、オート、シェアリング、エレクトリックモビリティ、の4つをテクノロジーの中核として、2022年までにEVで1000キロの航行を確約したトヨトミ社長の、先に対外的に無謀な野望を宣言して社内を一つにしていく手法は小説ながら面白い。
実際の自動車業界としてはすでに当たり前のCASEだろうけど、本書で勉強になった読者は多いと思う。
後半で父から引導を渡されてからイエスマンを排除して戦う姿になった豊臣社長の姿が、現実の企業でも行われればと願う。
ちょうど読んでいる最中に政権交代が行われたが、一旦椅子に座ったら「こっちのものだ」と考えてこれまでにない思い切った改革を実施してほしい、と願うのは私だけではないと思う。
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最後持ち上げたと捉えてる人が多いけど
日本代表として=TOYOTAが
何が出来ると考えたらああなるんだろうなぁ
ただ米、中に周回遅れのEvで何ができるかは
希望を込めた理想しか今は持ち合わせてないのが
何とも