ヨーロッパに比べて女性が暮らしにくい理由の根本が実は公務員の少なさではないか
2019/11/27 13:21
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格的なジェンダーを視点にとった政治学入門。政治学の代表的な諸理論・学説を取り上げつつジェンダー視点から読み直していく。日本の政治の場における女性の少なさ指摘した本ですが、それを既存の政治学入門をジェンダーの視点から見てみるとどうなるか、という構成で行っているところが本書のポイント。政治を見る視点が広がります。ジェンダーという視点で多くのことが説明できるということで見えてくる風景もありますし、民主主義のおける「代表」の意味や重要性を考えさせられます。ジェンダーの視点から眺めることで、世界の見え方がこれほど変わるのならば、そのことを最初から知っておきたかった。
女性がいない政治の問題
2025/01/22 22:34
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治学者に限らず男性はともすればジェンダーの問題を軽く考えがちであるが、本当にそうであろうか。男性政治学者が自らの考えを反省しながら、女性がいない政治の問題を考えていく。
今さら感はあるが
2021/11/30 13:35
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性の政治参加やジェンダーの問題を研究、学習している人にとっては、ある程度知られていることが書いてあって、いまさら感があるかもしれない。
しかし、この本が、話題になって読まれていることを考えると、比較的若手の男性研究者が、このような問題に気づき、提起をすることに意味があるのだろう。
不条理な現状については、繰り返し繰り返し伝え続ける必要があるのだと、再認識させられた。
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民主主義、に女性の政治参加は含まれていない。確かに教科書で女性の選挙権や参政権獲得のための運動などを習った際に女性には権利がないことが前提であることをうっすら疑問には思ったが、女性である私もあまり問題意識を感じてこなかった。
権利が保証された現在でさえ、政治家に占める女性の割合は日本などでは非常に低く、政治に女性の意向が反映されない状態になっている。
これまで知ってはいても気づいてこなかったそんな事実に気づかせてくれる本だった。
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お互い正社員の共働き家庭だったけど、性別役割分業を強いられることに違和感があった。家父長制が根強いし、そういう方向に憲法改正しようとする動きもあるし、そもそも義実家もそんな感じだし…と諦めてたけど、そうか、そもそも社会制度を作るための政治の場も変化の途上なんだな…。
クォータ制という仕組みを知らなかったので、それだけでもとても勉強になった。パリテ法の導入まではなかなか踏み切れなさそうだけど、政党クォータがもっと広まるといいなぁ、と思う。
あと、選挙権はこれからもきちんと行使しようと切に思った。
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本書は、これまでの主流派政治学は価値中立性を謳っていながら、「男性の政治学」にすぎないのではないかという問題意識の下、「ジェンダー」を、女性に関わる政治争点の一種としてではなく、いかなる政治現象を説明する上での用いることのできる視点として位置付け、ジェンダーの視点で、「政治」「民主主義」「政策」「政治家」という政治学の定番のテーマについて、これまでの政治学における標準的な学説を抜本的に見直す試みである。例えば、標準的な学説ではアメリカは民主主義の先発国とされるが、それは男性の参政権だけに着目した結果であり、女性参政権を含む民主主義の指標を用いれば、アメリカはもはや民主主義の先発国とはいえなくなるといったことが論じられている。
本書を読み、「ジェンダー」という切り口の鋭さを実感した。政治学において女性の存在がいかに等閑視されてきたかということに思い至った。
しかし、それ以上に、本書は、ある視点を導入することで、常識的な世界の見方が激変し得るということを実演した点で、非常に知的な面白さを感じさせるものであり、一般向けの新書として白眉といえるものである。
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とても刺激的で、勉強になった。この本はもっと多くの人に読まれるべきだと思う。日本の政治が簡単に変わるとは楽観できないが、少しづつでもジェンダーバイアスから自由に人々が活躍できる社会になればよいと強く望む。
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ジェンダーをキーワードとして、形式だけの民主主義から実質を伴った民主主義への進化を促す著作
新たな視点から現在の政治学を見直す必要性を感じた。
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我々はあまりにもおじさんorおじいさんの政治を見慣れすぎてしまったのかもしれない。
政治学、ジェンダー論などの
初学者にやさしい。
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ジェンダーの視点に基づいて、これまでの政治学における標準的な学説を見直す。政治の担い手、民主主義における権利者、政策、選挙、いずれの観点においても、ジェンダー差が存在するが、争点として意識化されて来なかった。
現在が完成形・完了形であるとすれば差は大問題なのですが、進行中の未完の状態と認識すれば、正すべき方向性となります。まずは、意識するところから。
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勉強会で扱った、女性と民主主義に関する本。
国内における男女格差は深刻な状況であることが、賃金格差や女性議員の数などで分かり、日本は後進国だと感じた。
最も興味深かったのは、冷戦期の東欧諸国で女性議員の採用が積極的に行われていたこと。西欧よりも進んでいたことには驚かされた。ただこれらの国で男女格差が是正されたかは疑わしい。結局は単なるプロパガンダで終わっていただけのように思える。
クォーター制の導入にも課題があるように思える。
メモ:
ポリアーキー、熟議民主主義
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まず、民主主義をどう定義するかをめぐる議論ののち、教科書的な政治概念を一つ一つジェンダーの視点から検討する中で、課題点を炙り出し、筆を進める。新鮮でありながら、非常に読みやすい、説得力のある内容だった。
以下、メモ
・マンタラプションは、一部の男性によって集中的に行われているらしい。
・ピルと中絶手術。産婦人科医の既得権益
・配偶者控除の導入の経緯
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男性からするとびっくりするようなことなのかもしれないが、女性から見ると、ああ、あのことね、ということを裏づけをもって書いてくれている。女性の議員が増えればジェンダーに配慮された社会になるかというと、そう簡単ではないということは初めて分かった。これからの社会はどうあればいいか考えるきっかけになる本。
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有斐閣に勧められて
今年読んだ本の中で1番響いた
女性のもやもやの大部分が説明できると思う
その分他の文献でも読んで比較しないといけない。
この本を読むとやる気が出て気持ちが飛び出してしまうけど、冷静にならないと
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この本の視点を斬新と感じてしまう自分にショックを受けた。政治関連の本を読む時はこの視点を忘れずにいたい。
自治体職員として仕事を通してできること、一社会人としてのキャリアアップなど、間もなく女の子の母になることもあり考えさせられた。
高校の政経の先生が、「女医」「女流作家」など女性が例外とされる場合の呼び名を挙げさせた上で、「では、逆の言葉(男性が例外)は?」というクイズを出したことがあった。答えは…「美人(美男子)」