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紙の本
長く高い壁
2021/08/23 10:25
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
従軍作家として北京にいた流行探偵作家の小柳逸馬は軍の要請で万里の張飛嶺へ
向かう。彼が向かった先では10人小隊が死亡していた。彼の任務は10名の死亡の原因を見つけることであった。彼らは何故死ななければならなかったか、またどのようにして殺害されたのか?小柳は原因を探るべく関係者に聞き取りを始めるが・・・。
赤紙一枚で招集される兵士の悲哀を描き謎解き要素もあり、読み応えがありました。
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事実と真実
2021/08/26 16:46
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本軍は皇軍でありこの戦争は聖戦であると軍人勅諭の体現者である軍人らも実は地方人と変わらぬ人間味を持っているがために起きた事件。人間の虚栄心のせいで小説が売れるとはよく言ったものだ。
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戦争とは・・・に迫るミステリー
2021/11/01 18:05
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田次郎さんが戦争を題材にした作品はほかにも読んだことがあったが、本作は戦地を舞台にした本格ミステリー。
日中戦争の最中、従軍作家として北京にいた探偵小説家が、突然前線への出張を命じられ、分隊全員が死亡した事件の謎を解く・・・という話。
ミステリー要素に歴史的事実を織り交ぜ、戦争とは、人間とは、を浮かび上がらせていく。硬派だがユーモアもある歴史エンタメだ。
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訳の分からない戦争でのミステリー
2021/06/19 18:33
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても深みのある戦場ミステリー小説である。1938年11月の中国大陸を舞台に、わけのわからない戦争である日中戦争の最中に起きた大量日本兵死亡事件の謎が解き明かされる。戦争の記憶を失った現代日本社会は、戦争の痛みと平和のありがたみを忘れてしまうのかもしれない。トリックの謎を解き、犯人を突き止め、動悸が明らかになると、そこにはたたく理由が見いだせない、分けのわからない戦争に駆り出された人々の、時代の論理を押し付けられた人生が炙り出される。
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浅田次郎の戦争
2024/05/25 18:24
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投稿者:えんぴつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田次郎は、先の戦争に関する優れた作品をいくつも書いている。それは、戦争が人を壊す・・・ということの恐ろしさ、切なさ、救いのない悲しみ・・・等々。
本作は、従軍作家が結果的に狂言回しになる悲劇的な(しかし、ある意味喜劇かもしれない)話である。
こんな話はありえない・・・と思うが、そう言ってしまっていいのか。
雄大な中国大陸を蹂躙する卑小な日本という小国の悲劇・・・浅田次郎は斜めから刺す。
圧倒的な中国大陸の長く高い壁は、ちっぽけな日本を嗤う。
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戦争は人の心を壊す
2023/02/23 10:09
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦場で起きた事件の真相を求め探偵小説家(従軍ペン部隊)が、いかにこの戦争の理不尽さ、人を狂わすのかを目の当たりにする。
戦争がいけない事であることは分かっているが、その戦争を起こすのは人間です。自分たちが起こして大義なき戦争の中で弱い者が犠牲になっていく。悲劇に次ぐ悲劇。常識人や優しい人が苦しみ・排除されていく。陸軍内部の腐乱した仕組みがドンドン読み解けていくにつけ、恐ろしさと共に「なぜ?」という疑問が湧いてきました。
世の中は、今も理不尽な戦争のために悲劇が繰り広げられている。一刻も早く、このようなことを止めなくては。
時代は変わっても、この理不尽さは変わっていない事実に愕然とします。