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投稿者:JUN - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりにきた今回の新作。
相変わらずクセが強い。理屈っぽい。
でも、そこがいい。笑
毎回この発想があったのか!と驚かされる。
で、どれも同じ真実(見聞きした内容)を通過して
全く違う結末にしてしまう。
琴子の着眼点がすごい。
とある剣豪に対しての見解を
雪女のいるverと
いないverを提示しつつ、
ちらりと本物に会わせるあたりは優しさかな。
雪の日だからこそ出来た邂逅でよかった
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かを退治するとか対決するとか、そういう方向じゃなくて
無理なく論理的に不可思議な事象を説明付けることに特化してきてるのが良い。
秩序のための詭弁がすごい
2022/01/02 22:11
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミカライズ版既読。
雪女の話。九郎が引っ越しバイトに呼ばれる話。岩永の高校時代にミステリ研に持ち込まれたダイイングメッセージの話。ウィリアム・テル的な弓矢の話。そして最後に書き下ろしで雪女の話リターンズ。
コミカライズ原作のために書かれた話なので、書き下ろし以外は基本短くまとまっていて読みやすい。
いずれの話も岩永の「虚構推理」は妖怪達を救ったり人間を救ったりするためのものではなく、どちらの世界にも混乱を起こさせない秩序のための詭弁で、秩序のためなら辛辣な回答も辞さないスタンスがやはり良い。
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投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
【雪女のジレンマ】
今まで散々な目に遭い、人間不信となり、山の麓にある町で引き籠もり生活を送るなかで雪女と親しくなった室井昌幸に、今度は何と殺人容疑がかけられる。被害者の死亡推定時刻、昌幸は雪女と一緒にいたのだが、妖怪である雪女が警察に昌幸のアリバイを証言できるはずもなく・・・
昌幸の容疑を何とか晴らしたい雪女は、岩永琴子に相談する。
雪女と昌幸の仲を取り持つために虚構の推理を披露する。
【よく考えると怖くないでもない話】
超常現象が起こるとの噂から長い間手付かずになっていた家の解体作業を請け負った便利屋とその後輩達。解体作業は拍子抜けするほど何事もなく無事に終わったが、それはアルバイトとして来てもらった桜川九郎のお蔭じゃないかと、便利屋は後輩達に語る。
【死者の不確かな伝言】
祖父母の家を訪れていた風間怜奈は、猪の化け物と、その化け物に怖がられていた女性に出会う。怜奈が女性に話しかけると、この女性が桜川六花であることが判明。六花は、岩永琴子が高校時代に解決させた相談事にはどんなものがあったのか教えてくれと頼んできた。
怜奈は、嘗て部に持ち込まれたダイイングメッセージにまつわる相談事を話し出す。
【的を得ないで的を射よう】
岩永琴子は、桜川九郎を廃村まで連れてきて、「リンゴを頭の上に置いて矢の的となってください」と言い出す。なんでも、1週間ほど前に2匹の猿の妖怪が野原に落ちていた弓矢を、互いにこれは自分の物だと譲らず埒が明かないので、不死である九郎の頭の上に置いたリンゴを先に射貫いた方に弓矢の所有権を認める勝負をすることにしたと言うのだが・・・
【雪女を斬る】
岩永琴子は、ひょんなことから、高校時代の部活仲間である秋場蓮から相談を受けることになる。秋場の大学で知り合った友人の家系に、江戸時代、雪女を斬って名を上げた剣客がいるのだという。その剣客は、泥棒に殺められ、死ぬ間際に、「ゆきおんな」と言い残していた。
当時、無類の強さを誇る剣客を泥棒ごときが殺害できるとは考えにくく、自殺にしても、その動機がないことから、蓮の友人は、雪女の存在自体も含めて真実を知りたいと考えていた。
琴子は、真実を明らかにするために動き出す・・・
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投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
【雪女のジレンマ】
今まで散々な目に遭い、人間不信となり、山の麓にある町で引き籠もり生活を送るなかで雪女と親しくなった室井昌幸に、今度は何と殺人容疑がかけられる。被害者の死亡推定時刻、昌幸は雪女と一緒にいたのだが、妖怪である雪女が警察に昌幸のアリバイを証言できるはずもなく・・・
昌幸の容疑を何とか晴らしたい雪女は、岩永琴子に相談する。
雪女と昌幸の仲を取り持つために虚構の推理を披露する。
【よく考えると怖くないでもない話】
超常現象が起こるとの噂から長い間手付かずになっていた家の解体作業を請け負った便利屋とその後輩達。解体作業は拍子抜けするほど何事もなく無事に終わったが、それはアルバイトとして来てもらった桜川九郎のお蔭じゃないかと、便利屋は後輩達に語る。
【死者の不確かな伝言】
祖父母の家を訪れていた風間怜奈は、猪の化け物と、その化け物に怖がられていた女性に出会う。怜奈が女性に話しかけると、この女性が桜川六花であることが判明。六花は、岩永琴子が高校時代に解決させた相談事にはどんなものがあったのか教えてくれと頼んできた。
怜奈は、嘗て部に持ち込まれたダイイングメッセージにまつわる相談事を話し出す。
【的を得ないで的を射よう】
岩永琴子は、桜川九郎を廃村まで連れてきて、「リンゴを頭の上に置いて矢の的となってください」と言い出す。なんでも、1週間ほど前に2匹の猿の妖怪が野原に落ちていた弓矢を、互いにこれは自分の物だと譲らず埒が明かないので、不死である九郎の頭の上に置いたリンゴを先に射貫いた方に弓矢の所有権を認める勝負をすることにしたと言うのだが・・・
【雪女を斬る】
岩永琴子は、ひょんなことから、高校時代の部活仲間である秋場蓮から相談を受けることになる。秋場の大学で知り合った友人の家系に、江戸時代、雪女を斬って名を上げた剣客がいるのだという。その剣客は、泥棒に殺められ、死ぬ間際に、「ゆきおんな」と言い残していた。
当時、無類の強さを誇る剣客を泥棒ごときが殺害できるとは考えにくく、自殺にしても、その動機がないことから、蓮の友人は、雪女の存在自体も含めて真実を知りたいと考えていた。
琴子は、真実を明らかにするために動き出す・・・
メインは雪女だが
2023/01/24 19:42
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投稿者:MIKA - この投稿者のレビュー一覧を見る
前後を雪女で挟んだ短編集。
雪女の話が二話とも長いので、短編集とはいえ、メインは雪女。
が、挟まれた三つの短編もなかなかに味わい深い。
全体としてバランスが良かった。
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【収録作品】第一話 雪女のジレンマ/第二話 よく考えると怖くないでもない話/第三話 死者の不確かな伝言/第四話 的を得ないで的を射よう/第五話 雪女を斬る
最初と最後は雪女のロマンス。雪女も相手の人間もなかなか純情。第二話は九郎の体質を利用したアルバイト。第三話は、琴子の高校時代の友人が六花にその頃の逸話を語る形。「ダイイングメッセージ」論。第四話は「拾った」弓矢の所有権を巡る猿の争いの裁定。さくさく気軽に読めていい。
アニメの印象が強いため、そのキャラの口調で脳内再生しながら読んだ。
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虚構推理シリーズ、今回は雪女との関わりを軸にした短編集…かな。曲がりなりにもというか、相変わらずの距離感で九郎と琴子が仲良く過ごしている様子は見ていて飽きない。そして、今回軸になつている雪女が琴子をおひいさまと慕う様子は微笑ましかった。
あやかしにより明らかにされた真実を、生きていくために前を向くためにうまく人間に伝えて、「うまくまとめる」のは相変わらず流石。琴子の言動が多少(?)ぶっ飛んでいても受け入れられ、愛されるのはそういう真っ直ぐなところというか、優しさによる物なのかと思うのは考え過ぎかもしれないが、そうあるといい。
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収録されているエピソードの1話から4話までは漫画にて感想を述べたような気がしないでもないので、ここでは本巻が初出となる『雪女を斬る』を中心に感想
てっきりタイトルから『雪女のジレンマ』の続編かと思いきや、突然江戸時代の剣客物語が展開されたものだから驚かされたよ
まあ、読み込んでいくときっちり『雪女のジレンマ』と関係あるエピソードになっていたのだけど
これまで琴子が事件の推理において虚構を必要としていたのは偏に妖と人の世の調和を保つため。人が妖に手を出そうとしていればそれを制し、妖が人に迷惑をかけそうであればそれを罰する。どちらにせよ琴子の基本スタンスは「妖なんて居ない」というものだった。例え居る事を明かすとしてもそれは既に妖の世界にズブズブに関わっている者に対してのみ
依頼人である白倉静也はかなり特殊な人物だね。一見すれば普通の人間。けれど、その実態は人にも妖にもなれる人物。だから静也に対して提示する解答も普段と異なるものとなる
普段は妖が関わる真実を隠し、合理的な虚構を提示して事件に関わる者から妖を隠していた。でも、妖になりうる静也に対してその遣り方は正しくない。だからこのエピソードにおいて琴子は真実や虚構以外のものも必要としているわけだね
事件は剣道家の罪状ということで懐かしの『ソードマスターの犯罪』を思い出してしまう部分も有ったのだけど、あれとはかなり話の筋は異なるもの
そもそも秘剣を会得した人物が「雪女を斬った」と吹聴している時点で怪しさ抜群。あまりに荒唐無稽だから、現代人がその光景を語るだけでは足りず、その当時を知る者に拠る回想も必要となる
それにより半兵衛の体験した物語が怪異譚ではなく恋愛譚であるのだと理解できるようになっているね。また本巻に同録されている『雪女のジレンマ』とのリンクも感じられるようになっている
それこそが真相に至る道であり、白倉静也を納得させるもう一つの要素を補完させる構図になっているね
人の世に生きる静也に対して、妖を否定する虚構だけでなく、妖を肯定する真実も語った琴子はいつもと異なるスタンスを見せる
琴子が最も重視しているのは相手を納得させ、それ以上の追求を辞めさせること。だからどうとでも受け取れる虚構と真実を同時に語り、その上で静也が恨みの果てに生まれた血を引いているわけではないと示す必要があったのだろうね
あの雪女を見る事で静也は自分が幸福の果てに居る存在だと知れた。それは何よりも静也を納得させる一手となったのだと判る解決編は素敵だったな
あと、話の内容とはそこまで関連しているわけではないんだけど、昌幸と雪女がきちんと幸せを掴めそうであった点には少し安心してしまったよ
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城平京『虚構推理短編集 岩永琴子の純真』読了。
「雪女のジレンマ」「死者の不確かな伝言」「雪女を斬る」に共通するダイイングメッセージについての処理のバリエーションは、虚構推理の独自性の強い設定をうまく盛り込んでおり面白い。しかし、中休みの二編は正直なくても一向に構わない内容か(漫画版ではそう感じなかったので、これは漫画のギャグ回みたいなイメージなのかも)。全体的には虚構のロジックが弱い印象。次作への準備という意味でも、前作で十分だった感はあり、精彩を欠く。ただし、漫画原作の弾を増やすことも考えれば、これを軽く仕上げて出してくるのはやはり安定した実力に裏打ちされているように思う。
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――
純真さは特に感じなかった。つまりいつもどおり。
漫画原作のため書き下ろし、というところになんだか、ビジネスライクな寂しさというか忙しなさみたいなものを感じてしまった。というのも小説としては書き急いでいるな、という部分がちらほらと見えているからで、しっかり練れば雪女にまつわるひとつの長編として、この季節にばっちりの名作になった気もするので残念だなぁ、と云う感想。
怪異の取扱いやスタンスに関しては安定で、虚構の組み方は流石、それぞれの短編の展開も(なんだな忙しないというところは除いて)良いのだけれど、半端に要素が積み重なるのでラストに向けてのまとまりがちょっと、惜しい。
漫画原作としては確かにこんな感じなんだろうなぁ、と思うんだけど…
アニメ化して映像になれば面白く見られるのもそうなんだろうけど…
なんだかなぁ。小説にせざるを得ない、という感じが無くて
七瀬以来、そのあたりの姿勢みたいのが虚構というメインファクタとの相性バッチリで好きだったので、やはり物足りなさが勝っている。
面白いよ?(笑 ☆2.7
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めちゃくちゃ短かったけど第二話「よく考えると怖くないでもない話」が好きだった。雪女で始まり雪女で終わる今巻。「雪女を斬る」は長いなーと思いながら読んでた。
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怪異が介在する真実と、皆が納得する虚構の推理のバランスは安定して面白い。『的を得ないで的を射よう』は、短いながらも琴子の魅力が存分に分かるストーリー。読んで字の如くの“おひいさま”っぷりが癖になる
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昨年10月に刊行されていた、虚構推理シリーズの短編集第2弾である。このシリーズ、ラノベっぽいカバーとは裏腹に中身はちっともライトではない。読み終えて思う。中身を誤解しそうな帯だなあ、これ。わざとか?
琴子と九郎のコンビと、九郎の従姉である六花(りっか)。主要キャストは以上。琴子を前面に出しつつ、九郎と六花にスポットを当ててもいる。最新長編『虚構推理 逆襲と敗北の日』を先に読んだが、刊行順に読んだ方がよかったかも。
第一話。雪女と交際している男性に、殺人容疑がかけられた。雪女にアリバイ証言をしてもらうわけにもいかず、琴子の出番に。厳しい口調はいつもながら、辛い経験をした男性へのエールも感じられる。んー、何だかこのシリーズらしくない?。
短い第二話。曰くつきの現場でアルバイトをする九郎。こういう現場では重宝されそう。何しろ九郎は…。真相は往々にしてそんなもんだよねえ。
第三話。琴子と高校の同級生だったという女性が、六花と出会った。これって偶然か? 彼女が語る、琴子がかつて手掛けたダイイング・メッセージの謎とは。うーむ、高校時代から容赦がないな。見透かされた男性が少々お気の毒…。
本作の一押し、第四話。琴子が妖怪に迫った、恐怖の踏み絵とは。この短さに、ある意味このシリーズのすべてがある。だめだ、苦笑が止まらねえ。
やや長い最後の第五話。また雪女? 現代に剣術を受け継ぐ青年が語った、開祖や弟子の伝説、そして悩みとは。琴子はまた納得できる理屈を捏ねるのだが、ほぼ剣豪の物語じゃないか。これはこれで、独立した話として読んでみたいぞ。さて、冷徹な現実解と、浪漫ある虚数解と、どちらがお好き?
十分に長編にアレンジできそうな第一、三、五話と、挿話的な短い第二、四話のバランスが、なかなか絶妙な短編集と言える。第二、四話では九郎がいい味を出しているし。恋愛要素に期待しすぎると、がっかりするかもしれない。
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以前読んで感想を書き留めていなかったので再読。
雪女の短編2作と短編3作。雪女(妹)の性格すごく好きだなあ。コミカライズでは雪女キリン雪女の順だったけど、雪女のエピソードが1冊にまとめられていたの、うれしい。